小児の発熱
- 2024年11月30日
- 子どもの健康,よくある症状とお悩み
小児の発熱
この症状について
発熱は、体温が通常より1℃以上高くなった状態です。小児科で最もよく見られる症状の一つで、お子様の体が病気と戦っているサインです。
どんな状態か
– 37.5℃以上を発熱と呼びます
– 38.0℃未満を微熱、39.0℃以上を高熱と呼びます
– 体温は測り方や時間帯によって変化します
症状の特徴
– 熱の上がり方は、病気によって異なります
– 突然高熱が出ることもあれば、徐々に上がることもあります
– 熱以外の症状(咳、鼻水、発疹など)を伴うことがあります
年齢による違い
– 乳児(特に3か月未満):重症な病気の可能性があり、特に注意が必要です
– 幼児:ウイルス感染が多く、比較的予後は良好です
– 学童:季節性の感染症が多く見られます
季節との関係
– 冬:インフルエンザやRSウイルスが多い
– 夏:腸管系ウイルスが多い
– 春秋:さまざまな感染症が見られる
受診の目安
すぐに救急車を呼ぶべき症状
– 意識がぼんやりしている
– ぐったりして反応が悪い
– 呼吸が苦しそう
– けいれんが止まらない
– 3か月未満の赤ちゃんで38℃以上の熱がある
できるだけ早く受診すべき症状
– 機嫌が悪く、ぐずりが強い
– 水分が取れない
– 繰り返し吐く
– 発疹が出ている
– 頭を痛がる
通常の受診が必要な場合
– 3日以上熱が続く
– 熱が下がってもまた上がる
– 咳や鼻水が長引く
– 食欲が落ちている
様子を見ても良い場合
– 熱はあるが機嫌が良い
– 水分が十分取れている
– 活気がある
– 発熱以外の症状がない
受診する診療科
– かかりつけ小児科
– 休日・夜間の場合は救急外来
– 基礎疾患がある場合は専門医
考えられる主な原因
よくある原因
– ウイルス性感染症(風邪、インフルエンザなど)
– 細菌性感染症(中耳炎、扁桃炎など)
– 突発性発疹(乳幼児に多い)
生活習慣との関連
– 疲れやストレス
– 睡眠不足
– 環境の変化
注意が必要な原因
– 髄膜炎
– 敗血症
– 川崎病
– 尿路感染症(特に乳児)
年齢層による違い
– 乳児:尿路感染症、髄膜炎に注意
– 幼児:突発性発疹、中耳炎が多い
– 学童:扁桃炎、インフルエンザが多い
自宅でのケア方法
すぐにできる対処法
– 薄着にして体温調節を助ける
– 水分を十分に取る
– 部屋の温度を適温(24-26℃)に保つ
– 無理に食事を取らせない
生活上の注意点
– 休息を十分にとる
– 部屋の換気をする
– 汗をかいたら着替える
– 布団は薄めにする
市販薬の使用
– アセトアミノフェン(医師に相談して使用)
– 使用時は説明書を必ず読む
– 決められた量を守る
– 熱を下げすぎない
してはいけないこと
– 無理に熱を下げようとする
– 厚着や厚い布団で汗を出そうとする
– 冷水での冷やしすぎ
– 市販薬の過剰使用
予防のための工夫
– 手洗い、うがいの習慣づけ
– 十分な睡眠
– バランスの良い食事
– 規則正しい生活
よくある質問(Q&A)
Q1:どんな場合に救急受診が必要ですか?
A:以下の場合は、すぐに受診してください。
– 3か月未満の赤ちゃんで38℃以上の熱
– ぐったりして反応が悪い
– 意識がぼんやりしている
– けいれんがある
– 呼吸が苦しそう
– 水分が全く取れない
Q2:解熱薬の使い方で気をつけることは?
A:以下の点に注意してください。
– 医師に相談してから使用する
– 決められた量を守る
– 熱を完全に下げる必要はない
– 解熱後すぐに再使用しない
– 6時間以上間隔を空ける
Q3:仕事や学校はどうすれば良いですか?
A:以下を目安にしてください。
– 37.5℃以上ある間は休む
– 解熱後24時間は様子を見る
– 全身状態が回復するまで無理しない
– 感染症の場合は医師の指示に従う
– 周りへの感染予防に配慮する
Q4:周囲への影響や注意点は?
A:以下の対策を心がけてください。
– 手洗い、マスクの着用
– 共用物品の消毒
– 部屋の換気
– 接触を最小限にする
– 感染経路を考えた予防策