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予防接種

予防接種|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

当院における予防接種の特徴

  • 帯状疱疹ワクチンを推奨しています
  • どんな予防接種が必要か、一緒に相談に乗ります
  • 幅広いワクチンに対応しています

予防接種について

予防接種

 定期接種(法律に定められた期間で接種した場合は一部自己負担)や任意接種(接種費用は自己負担)、妊娠を検討しているかたへの予防接種、医療従事者への予防接種、海外出張・旅行・留学等に伴う必要な予防接種を各種実施しております。取り寄せが必要なワクチンにも対応いたしますので、お気軽にご相談ください。  ワクチンについての詳しい情報は「こどもとおとなのワクチンサイト」「国立感染症研究所」をご参照ください。

※ワクチン接種はお電話もしくは窓口での予約が必要となります。 ※乳幼児に対する定期接種は行っておりません。

※費用に関してはこちらからご確認ください。

主なワクチン

インフルエンザワクチン

予防できる病気 インフルンザ
ワクチンの種類 不活化ワクチン
定期/任意 定期接種(65歳以上および60-64歳で基礎疾患のある方) 任意接種(生後6ヶ月未満の乳児と上記を除く全ての方)
接種回数 1回または2回(年齢による:表1参照)
接種量 0.25-0.5ml(年齢による:表1参照)
接種間隔 2回接種の場合は2-4週間以上あけて
費用 1回4,000円(13歳以上は1回接種)、2回で6,000円(生後6ヶ月~13歳未満は2回接種、1回あたり3,000円)

表1:年齢別の接種量と回数の違い

年齢 接種量 接種回数
生後6ヶ月〜3歳未満 0.25ml 2回
3歳〜13歳未満 0.5ml 2回
13歳以上 0.5ml 1回

※米国では、生後6ヶ月-8歳未満の乳幼児は前年度に2回接種していれば、次年度は1回のみの接種でよいとされています。

 インフルエンザワクチン接種の主な効果は重症化の予防です。ウイルスを吸い込んだ後に発病する確率を減らす効果もありますが確実ではなく、年度によっても変動します。これは、毎年の流行株を予想してワクチン(A型2種類B型2種類の4価ワクチン)を製造するためです。  インフルエンザが重症化しやすいのは乳幼児、高齢者、基礎疾患を持つ患者さんですが、こうした方々だけでなく、その周りを取り囲む小児・青年・成人たちもワクチン接種を含めた予防措置を行いインフルエンザを防ぐ壁となることが、彼らを守ることにつながります。

肺炎球菌ワクチン

予防できる病気 肺炎球菌感染症
ワクチンの種類 不活化ワクチン
定期/任意

定期接種:これまでにこのワクチンを1回も接種したことがなく、以下①②にあてはまる人は定期接種として1回接種できる

①2023年度末までは、該当する年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になるひと。

②60〜64歳で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限されているひと。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)で免疫機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能なひと。

 

任意接種:2歳以上で上記以外のひと

接種回数 1回
接種量 1回0.5mlを筋肉内または皮下に注射する
接種間隔 5年以上の間隔をあけて接種(任意接種)
費用 定期接種:1回 3,000円(税込) ※市民税非課税世帯や生活保護世帯は無料 任意接種:1回 8,000円(税込)

 23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)は、肺炎球菌の97種類の血清型のうち、23種類の感染を予防します。  PPSV23接種の一番のメリットは肺炎球菌感染症の重症化の予防です。肺炎球菌感染症が重症化して髄膜炎(ずいまくえん)や菌血症(きんけつしょう)等をひきおこす侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)を50-80%予防することができます。  肺炎の予防効果については、国内外の40歳以上を対象とした研究では「全ての原因による肺炎」を13%予防(対象を日本人に限ると28%)したと報告されています(日本人対象の研究ではインフルエンザワクチンと併用)。日本の高齢者を対象とした研究では、5年以内のワクチン接種によって「全ての肺炎球菌による市中肺炎」を27.4%、「ワクチン血清型の肺炎球菌による市中肺炎」を33.5%予防したと報告されています。  初回接種後の予防効果は3-5年で低下するとの報告もあり、わが国では初回接種後5年以上あければ2回目の接種(任意接種)をすることができます。しかし、2回目以降の効果についてはエビデンスがはっきりしておらず、さらなる報告が待たれます。

帯状疱疹ワクチン

予防できる病気 水ぼうそう(水痘)・帯状疱疹 帯状疱疹
ワクチンの種類 生ワクチン 不活化ワクチン
定期/任意 任意(成人) 任意
接種回数 1回 2回
接種量 0.5ml 0.5ml
接種間隔 50歳以上の成人に2か月以上あけて(〜6か月以内に)2回接種(筋肉内接種)
費用 1回10,000円(税込) 1回22,000円(税込)

水痘ワクチン(生ワクチン)について

 過去に水痘や帯状疱疹(たいじょうほうしん)等にかかったことがある人は病気が治ってもウィルスが体の中に潜んでいて、成人や高齢者になって免疫が低下した時に帯状疱疹を発症する可能性があります。50歳以上に対する帯状疱疹予防として、過去に水痘にかかったことがある人、帯状疱疹にかかったことがある人に水痘ワクチンを接種すると抗体が増えることが分かってきました。帯状疱疹後神経痛は帯状疱疹になった後に神経の痛みが残る重い後遺症で、なかなか治りにくいことが知られています。50歳以上で、水痘ワクチンを接種することで帯状疱疹後神経痛の予防も期待されています。

帯状疱疹ワクチン(不活化ワクチン)について

 2回の接種による帯状疱疹の発症予防効果は、50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%です。また帯状疱疹後神経痛の減少率は、50歳以上で100%、70歳以上で85.5%と、いずれも高い効果が認められています。今のところ、9年間は効果が維持できることが確認されています。

生ワクチンと不活化ワクチンの違いについて

 帯状疱疹予防の目的では水痘ワクチン(生ワクチン)も効果がありますが、生ワクチンは免疫抑制状態のひと(免疫機能に異常をきたす疾患を有する人(HIV感染症等)、および免疫力抑制をきたす治療を受けている人)は接種できません。そのため、生ワクチンを接種できない免疫抑制状態のひとは、帯状疱疹予防に不活化の帯状疱疹ワクチン(商品名:シングリックス)を接種します。  帯状疱疹は約6.4%に再発が認められるため、帯状疱疹にかかったことがあるひとの再発予防としても有効です。

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン

予防できる病気 ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症
ワクチンの種類 不活化ワクチン
定期/任意 定期接種:①小学校6年生-高校1年生相当の女子、②キャッチアップ接種(平成9年度生まれから平成18年度生まれまでの女子:令和7年3月末まで)
任意接種:上記以外(9歳以上)の女性およびガーダシル®は9歳以上の男性も対象)
接種回数 3回(15歳未満でシルガード®9接種開始した場合は2回接種可)
接種間隔

・ガーダシル(4価)(9歳以上の男女)
・シルガード(9価)(9歳以上の女性)
標準:①②は2か月、①③は6か月あける
標準的な接種ができない場合:①②は少なくとも1ヶ月以上、②③は少なくとも3ヶ月以上あける
(①:1回目、②:2回目、③:3回目)

※当院ではサーバリックス®は取り扱っておりません。

接種量 1回0.5ml
費用

定期接種:無料

任意接種:ガーダシル® 1回15,000円(税込)/ シルガード®9 1回25,000円(税込)

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて

HPVワクチンの目的は、子宮頸がんをはじめとするヒトパピローマウイルス(HPV)感染症の原因となるHPVの感染を予防することです。
HPV感染を予防することで、子宮頸がんやその前がん病変(異形成、子宮頸部上皮内腫瘍)の発生を減らし、最終的に子宮頸がんによって亡くなる人を可能な限り減らすことを主な目的としています。

わが国では現時点で3種類のHPVワクチンが承認されています。
2価ワクチンと4価ワクチンは子宮頸がん全体の50〜70%の原因を占めるHPV16型と18型の感染予防を主な目的としています。
2価ワクチン(サーバリックス®)はHPV16型と18型の2種に対応します。4価ワクチン(ガーダシル®)はHPV16型、18型に加えて、性器の良性病変である尖圭(せんけい)コンジローマの原因となるHPV6型、11型にも対応し、尖形コンジローマも予防します。

9価ワクチン(シルガード®9)は2021年2月24日に発売されたワクチンです。
4価ワクチン(ガーダシル®)にさらに5つのHPV型であるHPV31型、33型、45型、52型 、58 型が加わり子宮頸がんの原因となるHPV型の88.2%をカバーします。

HPV に感染してからがんになるまで時間がかかるため、これまではワクチンの効果は前がん病変の減少で評価されていましたが、2020年「子宮頸がん」が減少することが報告されました。
10〜30歳の女性に対する4価ワクチンの効果を検討したスウェーデンのコホート研究で、ワクチン接種者と非接種者を比較した場合、年齢補正後の子宮頸がんの発生率比は0.51(95%信頼区間〔CI〕0.32〜0.82)、他の共変量でさらに補正後の子宮頸がん発症率比は0.37(95%CI 0.21〜0.57)でした。
17歳未満で接種した女性は0.12(9%CI 0.00〜0.34)、17〜30歳で受けた女性は 0.47(95%CI 0.27〜0.75)で、「17歳未満」で接種したほうが子宮頸がんの発症が88%減少しました)。

そのほか、HPVワクチンを早期に導入した国では、ワクチン型のHPV感染が劇的な減少(最大90%の減少)と前がん病変の減少(最大85%の減少)が報告され、高い予防効果を認めています。日本国内からも前がん病変のHPV感染率の有意な減少が報告されています。

HPVワクチンは、接種時にすでに感染しているHPVは排除できず、すでに生じているHPV感染症の進行予防効果もありません。
そのため、HPVに感染するリスクである性交渉を経験する前にHPVワクチンを接種することが望ましいとされています。
また、HPVワクチンはすべてのタイプのHPV感染を予防できるわけではないため、HPV接種後も定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。

2020年12月に肛門がんや尖圭コンジローマの予防を目的として9歳以上の男性にも4価ワクチン(ガーダシル®)を接種できるようになりました。
現在、男性への接種は任意接種ですが、海外では男性に対して定期接種を行なっている国もあります。

2価ワクチン(サーバリックス®)と9価ワクチン(シルガード®9)の対象は女性のみです。

妊娠可能年齢の女性と妊婦のワクチン

妊娠可能年齢の女性のワクチン

 妊娠中に感染すると母体が重症化したり、胎児が感染し流産・早産のリスクになる感染症がいくつかあります。それらの中には、ワクチンで予防できる感染症(VPD:vaccine preventable disease)があり、妊娠希望の女性はあらかじめそれらVPDに対する免疫をつけておくことが、元気な赤ちゃんを産む上で非常に重要です。  妊娠中に生ワクチンは接種できません。そのため、生ワクチンで予防できるVPDについては、とくに妊娠前に免疫をつけておく必要があります。母体が事前に免疫をつけておくことは、生まれた乳児の感染または重症化を予防することにもつながります。

※妊娠中に免疫をつけておくべき感染症(VPD)のリスト

  • 風疹、麻疹、水痘、ムンプス(生ワクチン)
  • インフルエンザ、百日咳(不活化ワクチン)

妊婦のワクチン

妊婦に対するワクチン接種の目的は、妊婦が感染すると、非妊婦に比べ重症化しやすい感染症や、妊婦が感染することにより胎児に悪影響が生じうる感染症、また、乳児が感染すると重症化しやすい感染症を予防することです。  妊婦に生ワクチンの接種は禁忌です。一方、不活化ワクチンは妊娠中でも接種が可能です。  インフルエンザワクチンについては流行期に妊娠中の場合は接種することを推奨します。接種の時期はいつでも問題ないと言われていますが、妊娠初期はワクチン接種の有無によらず、自然流産等が起きやすい時期のため、心配な方は妊娠14週以降の接種を検討することも可能です。流行時期や妊娠週数との兼ね合いもあるためご相談ください。

医療従事者に推奨される予防接種

  • B型肝炎ワクチン
  • 麻しん、風しんワクチン
  • 水痘ワクチン
  • おたふく風邪ワクチン
  • インフルエンザワクチン
  • 破傷風トキソイド

医療機関は不特定多数の方が行き来しており、他者から感染する可能性が高い場所です。また採血等の処置、危険物周囲の清掃等によりケガをすることもあり、医療機関に従事している方はしっかりした予防策が必要です。

海外渡航前のワクチン接種(トラベラーズワクチン)

 海外には日本とは異なる感染症の流行があり、事前にワクチン接種をすることでその感染を防ぐことができます。また、渡航先(国)、滞在期間、渡航目的(仕事、留学、観光等)によって接種が義務付けられているワクチンもありますので、事前に確認しておきましょう。海外渡航前のワクチン接種(トラベラーズワクチン)については、厚生労働省検疫(FORTH)に詳細な情報がありますのでご参照ください。  海外で感染症等予期せぬ病気にかかってしまうと、日本のように保険が適用されず、経済的な負担が大きくなります。予防接種等の可能な対策は事前におこなっておくことが大切です。

予防接種を受けられない方、注意が必要な方

  • 発熱(37.5℃以上)が認められる方
  • 重篤な急性疾患を患われている方
  • ワクチンに含まれる成分(卵や抗生物質、安定剤等)に対してアレルギーがある方
  • 妊娠している方で、風疹、麻疹の予防接種を受ける予定がある方
  • 心臓病、腎臓病、肝臓病、血液の病気等で受療中の方
  • 未熟児で発育状態が悪い方
  • 予防接種後2日以内に発熱や発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状がみられた経験がある方
  • 今までにけいれんを起こしたことがある方
  • 過去に免疫不全と診断された方、あるいは近親者に先天性免疫不全の人がいる方