T先生!アナフィラキシーの新しい治療法について教えて!
- 2025年11月3日
 - 2025年11月4日(更新)
 - 教えて!T先生,最近の研究,アレルギー・リウマチ
 
📢 T先生!アナフィラキシーの新しい治療法について教えて! 💉➡️👃
たろうくん
「T先生!この前ニュースでアナフィラキシーの新しい治療法を見たんだけど、注射じゃなくて鼻にスプレーするやつらしいんだ。それってホントに効くの?」
T先生
「おお、よく気づいたね!実は最近、アドレナリンの点鼻スプレーが注目されているんだよ。イギリスのロイヤル・ダービー病院の研究チームが、5つの国の研究データを分析して、すごく興味深い結果を発表したんだ。」
たろうくん
「へぇ〜!どんな結果だったの?」
🏥 エピペンって何?アナフィラキシーって何?
T先生
「まず基本から説明するね。アナフィラキシーっていうのは、ナッツや蜂に刺されたときなんかに起こる、命に関わる重いアレルギー反応のことなんだ。呼吸が苦しくなったり、血圧が下がったり、意識を失ったりすることもあるんだよ。」
たろうくん
「それ、すごく怖いね…」
T先生
「うん、だからすぐにアドレナリンっていうお薬を体に入れないといけないんだ。今まで使われてきたのがエピペンっていう注射器で、太ももにブスッと刺して使うんだよ。」
たろうくん
「痛そう…!注射が苦手な人は困るよね。」
👃 点鼻スプレーの効果はどうなの?
T先生
「そこで登場したのが点鼻スプレーなんだ!研究では、イスラエル、カナダ、タイ、アメリカ、日本の5カ国のデータを比べたんだけど、驚きの結果が出たよ。」
たろうくん
「どんな結果?」
T先生
「まず、お薬が血液に入るまでの時間なんだけど、点鼻スプレーだと2.5〜20分、注射だと9〜45分だったんだ。つまり、点鼻スプレーの方が早く効き始める可能性があるってこと!」
たろうくん
「えっ、スプレーの方が早いの!?注射の方が早そうなのに!」
T先生
「そう思うよね!でも鼻の中って血管がたくさんあって、お薬がすぐに吸収されやすいんだよ。さらに、血液の中のアドレナリン濃度も、点鼻スプレーは注射と同じか、場合によってはそれ以上になることがわかったんだ。」
💊 点鼻スプレーのメリットって何?
たろうくん
「じゃあ、点鼻スプレーの方がいいってこと?」
T先生
「メリットはたくさんあるよ!まず針を刺さなくていいから、針が怖い人でも使いやすいんだ。特に、お友達や家族が倒れたとき、針を刺すのって勇気がいるよね?」
たろうくん
「たしかに!ぼく、友達に注射するのは怖いかも…」
T先生
「それに、保存期間も長いんだよ。点鼻スプレーは約2年持つけど、エピペンは12〜18カ月なんだ。しかも持ち運びも簡単だから、いつも持ち歩きやすいんだよ。」
たろうくん
「それはいいね!でも、本当に注射と同じくらい安全なの?」
T先生
「いい質問だね!研究では、投与後の心拍数や血圧も、注射と点鼻スプレーで同じだったんだ。だから効果も安全性も同等だって考えられているよ。」
🌍 実際に使われているの?
たろうくん
「じゃあ、もう病院で使われてるの?」
T先生
「アメリカでは2024年8月に、ネフィー点鼻液っていう点鼻スプレーが承認されたんだ。体重30kg以上の子どもと大人が使えるよ。でも、まだ使い始めたばかりだから、実際の効果や安全性をしっかり確認していく必要があるんだ。」
たろうくん
「日本でも使えるようになるのかな?(※)」
T先生
「研究チームは、もっとデータが集まれば、各国のアナフィラキシーガイドラインに組み込まれる可能性があるって言っているよ。ただ、最初は慎重にモニタリングして、患者さんの安全を確保することが大事だね。」
🎯 使い方で気をつけることは?
T先生
「点鼻スプレーも、使い方やタイミングをしっかり理解することが大切だよ。注射と同じように、緊急時にすぐ使える準備が必要なんだ。」
たろうくん
「そっか!便利だからって、適当に使っちゃダメなんだね。」
T先生
「その通り!でも、針が怖くて治療を躊躇していた人たちが、タイムリーに治療を受けられるようになるのは大きな進歩だね。研究者は、これによって入院率が下がる可能性があるとも言っているんだよ。」
📝 まとめ!
✅ アドレナリンの点鼻スプレーは、エピペン(注射)と同等かそれ以上の効果がある!
✅ 血液に入る時間は点鼻スプレーが2.5〜20分、注射が9〜45分で、スプレーの方が早い可能性!
✅ 保存期間は点鼻スプレーが約2年、注射が12〜18カ月で、スプレーの方が長持ち!
✅ 針恐怖症の人でも使いやすく、持ち運びも簡単!
✅ 今後さらにデータが集まれば、世界中のガイドラインに採用される可能性がある!
たろうくん
「すごい!針を使わなくても命を救えるようになるんだね。アレルギーがある友達にも教えてあげたいな!」
T先生
「それはいい考えだね!でも、まだ承認されたばかりだから、これから実際に使われていく中で、もっと多くのことがわかってくるはずだよ。医療の進歩って、こうやって少しずつ患者さんのために良くなっていくんだね。😊」
たろうくん
「T先生、ありがとう!医学ってすごいね!」
※ネフィー(neffy®)は、アナフィラキシーの治療薬アドレナリンを点鼻で投与できる医薬品です。
【承認状況】
米国: 2024年8月に2mg製剤(体重30kg以上)、2025年3月に1mg製剤(体重15〜30kg)を承認
日本: 2025年9月に1mg・2mg製剤を承認(発売日未定)