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医療コラム

T先生!日本人のビタミンD不足って改善してるの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!日本人のビタミンD不足って改善してるの?

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Yoshimura N, Iidaka T, Horii C, Tanegashima G, Muraki S, Oka H, Kawaguchi H, Akune T, Nakamura K, Tanaka S. Trends in the prevalence of hypovitaminosis D over a 10-year period in Japan: the research on osteoarthritis/osteoporosis against disability study 2005-2015. Arch Osteoporos. 2025 Aug 27;20(1):117. doi: 10.1007/s11657-025-01601-9. Erratum in: Arch Osteoporos. 2025 Sep 19;20(1):127. doi: 10.1007/s11657-025-01608-2. PMID: 40864211; PMCID: PMC12391225.

 

📢 T先生!日本人のビタミンD不足って改善してるの? ☀️


たろうくん
「T先生!この前テレビで、ビタミンDが骨に大事だって聞いたんだけど、日本人はちゃんと足りてるのかな?」

T先生
「いい質問だね、たろうくん!実は日本で10年間にわたって約3,500人以上を追跡した大規模な研究があるんだ。その結果、とても興味深いことがわかったんだよ。」

たろうくん
「へぇ〜!どんなことがわかったの?」


🦴 ビタミンDって何で大事なの?

T先生
「まず基本から説明するね。ビタミンDは骨の健康を守るために絶対に必要な栄養素なんだ。特に骨密度を維持するのに欠かせないんだよ。」

たろうくん
「骨密度って何?」

T先生
「骨の中身がどれだけぎっしり詰まっているか、つまり骨の強さを表す数値だよ。ビタミンDが不足すると、骨密度が低くなって骨粗鬆症になったり、骨折しやすくなったりするんだ。」

たろうくん
「それは困るね…!」


📊 10年間でどう変わったの?

T先生
「さて、本題に入ろう!東京大学の研究チームが行ったROAD研究という大規模調査では、2005年から2007年と、その10年後の2015年から2016年でビタミンDの状態を比べたんだ。」

たろうくん
「10年間も追跡したんだ!結果はどうだったの?」

T先生
「実はね、すごく良いニュースがあるんだ!ビタミンD欠乏の人の割合が、29.5%から21.6%へ、約8%も減少したんだよ。」

たろうくん
「おぉ!それって大きな変化なの?」

T先生
「とても大きな変化だよ!さらに、血液中のビタミンDの平均濃度も23.3 ng/mLから25.1 ng/mLに上昇したんだ。この改善は男性でも女性でも、すべての年齢層で見られたんだよ。」

たろうくん
「みんな良くなったんだね!」


🏥 骨の健康も良くなってる?

T先生
「うん、もっといいニュースがあるよ!ビタミンDが改善したことで、骨密度も上がっていたんだ。腰の骨(腰椎)の骨密度も、太ももの付け根の骨(大腿骨頸部)の骨密度も、10年前より有意に高くなっていたんだよ。」

たろうくん
「骨が強くなったってこと?」

T先生
「そういうことだね!そして、骨粗鬆症の人の割合も減ったんだ。特に腰椎の骨粗鬆症は、男性も女性も有意に減少していたよ。」

たろうくん
「すごいね!なんでこんなに良くなったの?」


🍄 改善した3つの理由

T先生
「改善した理由は主に3つ考えられるんだ。」

たろうくん
「教えて教えて!」

T先生
「一つ目は食事の変化だよ。日本人の魚の摂取量は92.0gから74.6gに減ったんだけど、ビタミンDが豊富なキノコの摂取量が7.0gから8.0gに増えたんだ。全体としてはわずかな変化だけど、ビタミンDを意識して摂る人が増えたことが大きいんだよ。」

たろうくん
「魚は減ったけど、キノコが増えたんだね!」

T先生
「そう。そして二つ目の理由はサプリメントの使用が増えたこと。健康補助食品を使う人が約20%から約30%に増えたんだ。ビタミンDとカルシウムが一緒に入ったサプリを飲む人が増えたことも影響しているかもしれないね。」

たろうくん
「へぇ〜!三つ目の理由は?」

T先生
「三つ目は骨粗鬆症予防の啓発活動だよ。1995年から、厚生労働省が全国の自治体で骨密度検診を始めたんだ。それに加えて、日本骨粗鬆症財団や学会が、一般の人たちに骨の健康について広く知ってもらう活動をしてきたんだよ。」

たろうくん
「国や学会が頑張ってくれたんだね!」


⚠️ でも、まだ注意が必要な人たちがいる!

T先生
「ただし、まだ安心できない部分もあるんだ。特に30代から50代の若い女性は、依然としてビタミンD欠乏の割合が高いことがわかっているんだよ。」

たろうくん
「若い女性がなんで?」

T先生
「研究では、女性は男性に比べて約10倍もビタミンD欠乏のリスクが高かったんだ。それから、冬の時期(12月・1月)に採血した人は、秋(10月・11月)に比べて2倍以上リスクが高かったよ。」

たろうくん
「冬は日光が少ないからかな?」

T先生
「その通り!ビタミンDは日光を浴びることで皮膚で作られるから、日照時間が短い冬は不足しやすいんだ。あとは山間部に住んでいる人も、沿岸部に比べてリスクが高いことがわかったよ。」

たろうくん
「他にはどんな人が注意した方がいいの?」

T先生
喫煙している人もリスクが約2倍高いんだ。逆に、お酒を適度に飲む人は、リスクが半分くらいに下がることもわかったよ。不思議だけど、これにはいろいろな要因が絡んでいるんだろうね。」


🌅 将来への期待と課題

T先生
「研究チームは、『この好ましい傾向は、今後の骨粗鬆症や骨折の発症率を下げることにつながる可能性がある』と言っているんだ。」

たろうくん
「それは嬉しいね!でも課題もあるの?」

T先生
「うん。30代から50代の女性のビタミンD欠乏が依然として高いことが公衆衛生上の重要な課題なんだ。この世代が閉経期を迎えると、骨粗鬆症のリスクがさらに高くなるからね。だから今のうちから対策が必要なんだよ。」

たろうくん
「若いうちから気をつけないとダメなんだね!」


📝 まとめ!

日本人のビタミンD欠乏は10年間で29.5%から21.6%に減少し、血中濃度も23.3から25.1 ng/mLに上昇した!
骨密度も改善し、骨粗鬆症の有病率も低下した!
改善の理由は、キノコ摂取の増加、サプリメント使用者の増加(20%→30%)、骨粗鬆症予防の啓発活動!
30〜50代の若い女性、冬季、山間部居住者、喫煙者は依然としてビタミンD不足のリスクが高い!
日光を浴びることと、魚やキノコなどビタミンDが豊富な食品を食べることが今も大切!


たろうくん
「なるほど!10年間で改善はしてるけど、まだ注意が必要な人もいるんだね。僕も外でたくさん遊んで日光を浴びたり、魚やキノコをしっかり食べたりするよ!」

T先生
「素晴らしい心がけだね!特に成長期のたろうくんには、骨の健康がとっても大事だからね。バランスの良い食事と適度な運動、そして日光浴を心がけてね。若い女性も、今から骨の健康を意識することが将来の骨粗鬆症予防につながるんだよ。」

たろうくん
「わかった!ありがとう、T先生!」😊