呼吸が苦しい(呼吸困難)
- 2024年12月1日
- よくある症状とお悩み
呼吸が苦しい(呼吸困難)
この症状について
呼吸が苦しい(呼吸困難)とは、息をするのが困難に感じる状態のことです。体が必要とする酸素を十分に取り込めなかったり、体内で作られた二酸化炭素を十分に排出できなかったりすることで起こります。
息切れの程度はさまざまで、階段を上がったときだけ感じる軽い息切れから、少し動いただけでも息苦しくなる重症なものまでみられます。また、横になったときに特に息苦しくなったり、夜間に息苦しさで目が覚めたりすることもあります。
年齢や体の状態によって、息苦しさの感じ方は大きく異なります。普段から肺や心臓に病気がある方は、軽い運動でも息切れを感じやすくなります。一方で、健康な方の場合は、かなり激しい運動をしないと息切れを感じないこともあります。
また、季節や環境によっても症状は変化します。たとえば、気管支喘息がある方は、空気が乾燥する冬や花粉の多い春に症状が悪化しやすく、部屋の温度や湿度、ホコリの量なども影響することがあります。
受診の目安
すぐに救急車を呼ぶべき症状
– 急に激しい息苦しさが現れた
– 呼吸が浅く早くなり、会話が困難
– 唇や爪が紫色になっている
– 冷や汗を伴う強い胸の痛みがある
– 意識がもうろうとしている
できるだけ早く受診すべき症状
– 息苦しさが徐々に強くなっている
– 横になれないほどの息苦しさがある
– 37.5度以上の発熱を伴う
– 痰に血が混じる
– 足のむくみが急に強くなった
通常の受診が必要な場合
– 1週間以上続く息切れがある
– 普段より少し動いただけで息切れる
– いつもと違う咳や痰がある
– 夜間に息苦しさで目が覚める
– 日常生活に支障が出ている
様子をみても良い場合
– 運動直後の一時的な息切れ
– すぐに回復する軽い息切れ
– 症状が徐々に改善している
– 普段の生活に支障がない
受診する診療科
主に内科、呼吸器内科、循環器内科を受診します。ただし、原因によっては耳鼻咽喉科や心療内科などの受診が必要な場合もあります。夜間や休日は救急外来を受診してください。
考えられる主な原因
よくある原因
– 気管支喘息:気道が狭くなり、ゼーゼーした呼吸になる
– 慢性閉塞性肺疾患(COPD):長年の喫煙などで肺が弱る
– 心不全:心臓のポンプ機能が低下する
– 肺炎:肺に炎症が起きる
– 過換気症候群:精神的なストレスなどで呼吸が速くなる
生活習慣との関連
– 喫煙:肺の機能を低下させる
– 運動不足:体力や心肺機能が低下する
– 肥満:呼吸に必要な筋肉に負担がかかる
– 睡眠不足:呼吸機能に影響を与える
– ストレス:過換気の原因となる
注意が必要な原因
– 肺塞栓症:血管が血の塊で詰まる
– 気胸:肺がパンクした状態になる
– 重症の心臓病:狭心症や心筋梗塞など
– 深刻な感染症:新型コロナウイルス感染症など
– アナフィラキシー:重度のアレルギー反応
年齢層による違い
若い人:
喘息、過換気症候群が多い
中年:
生活習慣病による影響が出始める
高齢者:
心不全、COPDが増える
自宅でのケア方法
すぐにできる対処法
1. 楽な姿勢をとる
– 上半身を起こして座る
– 背もたれに寄りかかる
– 前かがみになる
2. 呼吸を整える
– ゆっくりと深い呼吸を心がける
– 口すぼめ呼吸を試してみる
– 腹式呼吸を意識する
生活上の注意点
– 無理な運動は避ける
– 十分な睡眠をとる
– 適度な室温と湿度を保つ
– 喫煙者は禁煙を心がける
– ストレス解消法を見つける
してはいけないこと
– 我慢して様子を見すぎない
– 自己判断で薬を中止しない
– 急な運動や無理な活動
– 寒冷な場所での運動
– タバコを吸うこと
予防のための工夫
– 定期的な運動で体力をつける
– バランスの良い食事を心がける
– 適正体重を維持する
– こまめな手洗い、うがい
– 規則正しい生活リズムを保つ
よくある質問(Q&A)
Q1:どんな場合に救急受診が必要ですか?
以下の症状がある場合は、すぐに救急車を呼びましょう:
– 急な強い息苦しさ
– 呼吸が浅く早い
– 意識がもうろうとする
– 冷や汗を伴う胸痛
– 唇や爪が紫色になる
夜間や休日でも、これらの症状がある場合は迷わず119番通報してください。
Q2:市販薬の使い方で気をつけることは?
– 医師から処方された薬がある場合は、必ず医師に相談してから市販薬を使用する
– 喘息持ちの方は、喘息の薬を優先して使用する
– 効果がない場合は、すぐに医療機関を受診する
– 市販薬を使用しても症状が改善しない、または悪化する場合は使用を中止する
– 他の薬と併用する場合は、薬剤師に相談する
Q3:仕事や学校生活はどうすれば良いですか?
– 症状が重い場合は、無理せず休養を取る
– デスクワークの場合は、定期的に深呼吸や軽い運動を行う
– 運動や重労働は、体調に合わせて調整する
– 周囲の人に症状を理解してもらう
– 必要に応じて業務内容の調整を依頼する
Q4:周囲の人への影響や注意点は?
– 感染症が原因の場合は、マスク着用や手洗いを徹底する
– 家族には自分の症状と対処方法を説明しておく
– 緊急時の連絡先を共有しておく
– 職場や学校には、必要に応じて事前に状況を説明する
– アレルギーがある場合は、周囲の人に伝えておく