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医療コラム

慢性的な咳|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

慢性的な咳

慢性的な咳

 

この症状について

受診の目安

考えられる主な原因

自宅でのケア方法

よくある質問(Q&A)

この症状について

 

慢性的な咳は、3週間以上続く咳のことをいいます。成人の場合、8週間以上続く咳を「慢性咳嗽(がいそう)」と呼びます。一般的に、成人の約10人に1人がこの症状を経験すると言われています。

 

咳には、痰を伴う「湿性咳嗽」と、痰のない「乾性咳嗽」があります。症状は人によって異なり、以下のような特徴があります:

– 夜間や早朝に悪化する

– 季節によって症状が変わる

– のどにイガイガ感やかゆみを感じる

– 痰が出る

– 胸やけを伴う

 

年齢や性別による違いもあり、60代の女性に多いことが知られています。また、季節や生活環境によっても症状は変化することがあります。たとえば、空気が乾燥する冬場や、エアコンの使用で室内が乾燥する環境では症状が悪化しやすくなります。

 

受診の目安

 

すぐに救急車を呼ぶべき症状

– 呼吸が著しく苦しい

– 大量の血を含む痰が出る

– 意識がもうろうとする

– 冷や汗を伴う強い胸の痛みがある

 

できるだけ早く受診すべき症状

– 38度以上の発熱が続く

– 痰に血が混じる

– 体重が急に減少した

– 夜間に呼吸が特に苦しい

– 基礎疾患(喘息、心臓病など)がある方で症状が悪化

 

通常の受診が必要な場合

– 3週間以上咳が続く

– 徐々に症状が悪化している

– 痰の量や色が変化した

– 日常生活に支障がある

 

様子を見ても良い場合

– 風邪のような症状に伴う軽い咳

– 痰が透明で少量

– 全身状態が良好

– 症状が徐々に改善している

 

受診する診療科

主に呼吸器内科を受診しますが、症状によって以下の診療科も検討します:

– 耳鼻咽喉科(のどの違和感、後鼻漏がある場合)

– 消化器内科(胸やけなどがある場合)

– アレルギー科(アレルギー症状がある場合)

 

考えられる主な原因

 

よくある原因

– 咳喘息(せきぜんそく)

– 副鼻腔気管支症候群

– 胃食道逆流症

– アレルギー性の咳

– 感染後の遷延性の咳

 

生活習慣との関連

– 喫煙

– 乾燥した環境

– 運動不足

– ストレス

– 不規則な生活

 

注意が必要な原因

– 肺炎

– 心不全

– 肺がん

– 結核

– 間質性肺炎

 

自宅でのケア方法

 

すぐにできる対処法

– 十分な水分摂取

– 室内の適度な湿度管理(50-60%)

– のどを乾燥させない工夫

– 休息を十分にとる

– マスクの着用(外出時)

 

生活上の注意点

– 禁煙を心がける

– 十分な睡眠をとる

– 過労を避ける

– 空気の汚れた場所を避ける

– 適度な運動を維持する

 

市販薬の使用について

咳止め薬には主に以下の種類があります:

– 中枢性鎮咳薬(脳に作用して咳を抑える)

– 去痰薬(痰を出しやすくする)

– 気管支拡張薬(気道を広げる)

※医師に相談してから使用することをお勧めします

 

してはいけないこと

– 自己判断での長期的な市販薬の使用

– 症状を我慢して放置すること

– 無理な運動や激しい活動

– アルコールの多量摂取

– 喫煙の継続

 

よくある質問(Q&A

 

Q1:どんな場合に救急受診が必要ですか?

A:以下の症状がある場合は、すぐに受診してください:

– 呼吸困難がある

– 大量の血痰がある

– 強い胸痛がある

– 高熱が続く

– 意識がもうろうとする

 

Q2:薬の使い方で気をつけることは?

A:以下の点に注意してください:

– 医師の指示通りに服用する

– 自己判断で用量を変更しない

– 症状が改善しても勝手に中止しない

– 副作用が出たらすぐに相談する

– 他の薬との相互作用に注意する

 

Q3:仕事や学校生活はどうすれば良いですか?

A:症状の程度に応じて以下のように対応します:

– 強い症状がある場合は休養を取る

– マスクを着用して感染予防

– 周囲に症状を説明し理解を得る

– 無理のない範囲で活動する

– 環境改善を依頼する(換気など)

 

Q4:周囲の人への影響や注意点は?

A:以下の点に気をつけましょう:

– 感染の可能性がある場合はマスクを着用

– こまめな手洗い、うがい

– 室内の換気を十分に行う

– 共用物品の消毒

– 体調不良時は早めに周囲に報告