発熱について
- 2024年11月29日
- よくある症状とお悩み
発熱について
#1.この症状について
発熱とは、体温が通常よりも高くなっている状態です。一般的に、朝は37.2℃以上、夕方は37.7℃以上を発熱と呼びます。これは体が病原体と戦っているサインで、むしろ防御反応として重要な役割を果たしています。
発熱時には、以下のような症状を伴うことが多いです:
- 悪寒(寒気や震え):体温が上がっていく過程でよく起こります
- 全身のだるさ:体が病気と戦うために多くのエネルギーを使うためです
- 食欲不振:体が消化よりも病気との戦いを優先するためです
- 発汗:特に熱が下がり始める時期に多く見られます
- 頭痛や関節痛:炎症物質の影響で起こることがあります
発熱の種類は大きく2つに分けられます:
- 通常の発熱:感染症や炎症による正常な体温上昇
- 高体温症:熱中症などによる異常な体温上昇
年齢による注意点として、以下が重要です:
- 乳幼児:体温調節が未熟で急な高熱になりやすい
- 高齢者:重症でも微熱にとどまることがある
- 免疫不全の方:感染症が重症化しやすい
#2.受診の目安
発熱時の受診については、症状の重さと持病の有無によって判断します。
【救急車を呼ぶべき緊急症状】
- 意識がもうろうとする、言動がおかしい
- 激しい頭痛と嘔吐が続く(髄膜炎の可能性)
- 呼吸が苦しい、胸痛がある
- 全身にぶつぶつが出て、意識が悪い(敗血症の可能性)
- けいれんを起こした場合
【すぐに病院で診察を受けるべき症状】
- 40℃以上の高熱がある
- 24時間以上続く38.5℃以上の発熱
- 首が固くて曲がらない
- 激しい腹痛や胸痛を伴う
- 飲み込みが極端に困難
- 尿が半日以上出ない
【基礎疾患がある方の注意点】
- 糖尿病:38℃以上で受診
- 心臓病:37.5℃以上で受診
- がん治療中:37.5℃以上で受診
- 免疫抑制剤使用:37.5℃以上で受診
- ステロイド服用中:37.5℃以上で受診
【様子を見ても良い場合】
- 37.5℃程度の微熱のみ
- 水分が十分摂取できる
- 全身状態が良好
- 元気があり、活動できる
- 24時間以内の発熱
#3.考えられる主な原因
発熱の原因は非常に多岐にわたりますが、頻度の高いものから重要なものまで整理してお伝えします。
【多い原因Top5】
1. ウイルス性感染症
- 普通の風邪
- インフルエンザ
- 新型コロナウイルス
2. 細菌性感染症
- 肺炎
- 尿路感染症
- 扁桃腺炎
3. 消化器感染症
- 食中毒
- 胃腸炎
- 腸炎
4. 薬剤性
- 薬の副作用による発熱
- アレルギー反応
5. 自己免疫疾患
- リウマチ
- 膠原病
【年齢層による特徴的な原因】
- 乳幼児:ウイルス感染が8割
- 成人:細菌感染、自己免疫疾患
- 高齢者:尿路感染症が多い
【見逃してはいけない重大な原因】
- 髄膜炎
- 敗血症
- 深部感染症
- 悪性腫瘍
- 自己免疫疾患の初期症状
#4.自宅でのケア方法
発熱時の自宅での適切なケアは、回復を早める重要な要素です。
【水分補給】
- 1日1.5~2リットルを目安に
- スポーツドリンクやお茶が適している
- こまめに少しずつ摂取する
- 喉が渇く前から意識して飲む
【体温管理】
- 室温:26℃程度が適温
- 湿度:50~60%を保つ
- 寝具:薄い布団で調整
- 衣服:吸湿性の良い素材を選ぶ
【安静の取り方】
- 必要以上の安静は不要
- 体調に応じて軽い活動は可
- 十分な睡眠をとる
- 無理な活動は避ける
【解熱剤の使用】
- アセトアミノフェンが第一選択
- 1回の服用量を守る
- 服用間隔は4~6時間あける
- 1日の最大服用回数(4回)を超えない
【注意すべきこと】
- アルコールは控える
- 長時間の入浴を避ける
- 無理な運動や仕事を控える
- 極端な冷やしすぎに注意
#5.よくある質問(Q&A)
Q1:この症状はうつる病気ですか?
- 原因が感染症の場合は感染する可能性があります
- ウイルスや細菌が原因の場合、特に注意が必要です
- 基本的な予防法:
- こまめな手洗い
- マスクの着用
- 十分な換気
- 体調管理
- 清潔な環境維持
Q2:仕事や学校は休んだ方がよいですか?
- 38℃以上の発熱がある場合は必ず休む
- 37.5℃以上でも無理は禁物
- 解熱後24時間は自宅で様子見が推奨
- 職場や学校に応じた基準に従う
- 周囲への感染予防の観点からも検討
Q3:市販薬はどう選びますか?
- アセトアミノフェンが最も安全
- NSAIDs(ロキソニン、イブプロフェンなど)は慎重に
- 1日の最大服用回数を守る
- 持病がある場合は医師に相談
- 症状に合わせて選択する
Q4:回復の目安は?
- 多くは1~3週間で自然治癒
- 原因により回復期間は異なる
- 3週間以上続く場合は精密検査が必要
- 年齢や体力により個人差あり
- 基礎疾患があると長引く可能性も
Q5:再発防止のコツは?
- 十分な睡眠(7~8時間)
- バランスの良い食事
- 適度な運動習慣
- ストレス管理
- 定期的な健康診断