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医療コラム

発熱について|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

発熱について

 

 

発熱について

#1.この症状について

発熱とは、体温が通常よりも高くなっている状態です。一般的に、朝は37.2℃以上、夕方は37.7℃以上を発熱と呼びます。これは体が病原体と戦っているサインで、むしろ防御反応として重要な役割を果たしています。

発熱時には、以下のような症状を伴うことが多いです:

  • 悪寒(寒気や震え):体温が上がっていく過程でよく起こります
  • 全身のだるさ:体が病気と戦うために多くのエネルギーを使うためです
  • 食欲不振:体が消化よりも病気との戦いを優先するためです
  • 発汗:特に熱が下がり始める時期に多く見られます
  • 頭痛や関節痛:炎症物質の影響で起こることがあります

発熱の種類は大きく2つに分けられます:

  • 通常の発熱:感染症や炎症による正常な体温上昇
  • 高体温症:熱中症などによる異常な体温上昇

年齢による注意点として、以下が重要です:

  • 乳幼児:体温調節が未熟で急な高熱になりやすい
  • 高齢者:重症でも微熱にとどまることがある
  • 免疫不全の方:感染症が重症化しやすい

#2.受診の目安

発熱時の受診については、症状の重さと持病の有無によって判断します。

【救急車を呼ぶべき緊急症状】

  • 意識がもうろうとする、言動がおかしい
  • 激しい頭痛と嘔吐が続く(髄膜炎の可能性)
  • 呼吸が苦しい、胸痛がある
  • 全身にぶつぶつが出て、意識が悪い(敗血症の可能性)
  • けいれんを起こした場合

【すぐに病院で診察を受けるべき症状】

  • 40℃以上の高熱がある
  • 24時間以上続く38.5℃以上の発熱
  • 首が固くて曲がらない
  • 激しい腹痛や胸痛を伴う
  • 飲み込みが極端に困難
  • 尿が半日以上出ない

【基礎疾患がある方の注意点】

  • 糖尿病:38℃以上で受診
  • 心臓病:37.5℃以上で受診
  • がん治療中:37.5℃以上で受診
  • 免疫抑制剤使用:37.5℃以上で受診
  • ステロイド服用中:37.5℃以上で受診

【様子を見ても良い場合】

  • 37.5℃程度の微熱のみ
  • 水分が十分摂取できる
  • 全身状態が良好
  • 元気があり、活動できる
  • 24時間以内の発熱

#3.考えられる主な原因

発熱の原因は非常に多岐にわたりますが、頻度の高いものから重要なものまで整理してお伝えします。

【多い原因Top5】

1. ウイルス性感染症

  • 普通の風邪
  • インフルエンザ
  • 新型コロナウイルス

2. 細菌性感染症

  • 肺炎
  • 尿路感染症
  • 扁桃腺炎

3. 消化器感染症

  • 食中毒
  • 胃腸炎
  • 腸炎

4. 薬剤性

  • 薬の副作用による発熱
  • アレルギー反応

5. 自己免疫疾患

  • リウマチ
  • 膠原病

【年齢層による特徴的な原因】

  • 乳幼児:ウイルス感染が8割
  • 成人:細菌感染、自己免疫疾患
  • 高齢者:尿路感染症が多い

【見逃してはいけない重大な原因】

  • 髄膜炎
  • 敗血症
  • 深部感染症
  • 悪性腫瘍
  • 自己免疫疾患の初期症状

#4.自宅でのケア方法

発熱時の自宅での適切なケアは、回復を早める重要な要素です。

【水分補給】

  • 1日1.5~2リットルを目安に
  • スポーツドリンクやお茶が適している
  • こまめに少しずつ摂取する
  • 喉が渇く前から意識して飲む

【体温管理】

  • 室温:26℃程度が適温
  • 湿度:50~60%を保つ
  • 寝具:薄い布団で調整
  • 衣服:吸湿性の良い素材を選ぶ

【安静の取り方】

  • 必要以上の安静は不要
  • 体調に応じて軽い活動は可
  • 十分な睡眠をとる
  • 無理な活動は避ける

【解熱剤の使用】

  • アセトアミノフェンが第一選択
  • 1回の服用量を守る
  • 服用間隔は4~6時間あける
  • 1日の最大服用回数(4回)を超えない

【注意すべきこと】

  • アルコールは控える
  • 長時間の入浴を避ける
  • 無理な運動や仕事を控える
  • 極端な冷やしすぎに注意

#5.よくある質問(Q&A)

Q1:この症状はうつる病気ですか?

  • 原因が感染症の場合は感染する可能性があります
  • ウイルスや細菌が原因の場合、特に注意が必要です
  • 基本的な予防法:
    • こまめな手洗い
    • マスクの着用
    • 十分な換気
    • 体調管理
    • 清潔な環境維持

Q2:仕事や学校は休んだ方がよいですか?

  • 38℃以上の発熱がある場合は必ず休む
  • 37.5℃以上でも無理は禁物
  • 解熱後24時間は自宅で様子見が推奨
  • 職場や学校に応じた基準に従う
  • 周囲への感染予防の観点からも検討

Q3:市販薬はどう選びますか?

  • アセトアミノフェンが最も安全
  • NSAIDs(ロキソニン、イブプロフェンなど)は慎重に
  • 1日の最大服用回数を守る
  • 持病がある場合は医師に相談
  • 症状に合わせて選択する

Q4:回復の目安は?

  • 多くは1~3週間で自然治癒
  • 原因により回復期間は異なる
  • 3週間以上続く場合は精密検査が必要
  • 年齢や体力により個人差あり
  • 基礎疾患があると長引く可能性も

Q5:再発防止のコツは?

  • 十分な睡眠(7~8時間)
  • バランスの良い食事
  • 適度な運動習慣
  • ストレス管理
  • 定期的な健康診断