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医療コラム

T先生!なんで血が止まるの? |つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!なんで血が止まるの? 

📢 T先生!なんで血が止まるの? 🩸


たろうくん
「T先生!この前転んで膝をすりむいちゃったんだけど、最初は血が出てたのに、しばらくしたら止まったよ。なんで血って勝手に止まるの?」

T先生
「それはいい質問だね!実は、私たちの体には血を止める仕組みが3つも備わっているんだよ。それぞれが協力して働くことで、ケガをしても血が止まるようになっているんだ。」

たろうくん
「へぇ〜、3つもあるんだ!どんな仕組みなの?」


🩸 血管がギュッと縮まる仕組み

T先生
「まず最初に起こるのは、血管の収縮だよ。ケガをすると、傷ついた血管が数秒から数分で自動的にギュッと縮まるんだ。」

たろうくん
「血管が縮まるの?どうして?」

T先生
「血管の壁には平滑筋っていう筋肉があってね、ケガをすると反射的に縮むんだよ。ホースの先をつまむと水の出が少なくなるでしょ?それと同じで、血管が細くなることで血の流れが遅くなるから、血が出にくくなるんだ。」

たろうくん
「なるほど!体って賢いんだね。でも、それだけじゃ完全には止まらないよね?」


🔵 血小板がくっつく仕組み

T先生
「その通り!次に活躍するのが血小板っていう血液の成分なんだ。血小板は普段は血の中をただ流れているだけなんだけど、血管に傷ができると、そこにくっついて栓をするんだよ。」

たろうくん
「血小板ってどんな形なの?」

T先生
「普段は円盤みたいな形をしているんだけど、傷口を見つけると形を変えて、イガイガした形になるんだ。そして、お互いにくっつきあって、30秒から3分くらいで傷口に血小板の栓を作るんだよ。」

たろうくん
「すごい!まるでレスキュー隊みたいだね!」

T先生
「本当にそうだね!しかも血小板は、傷口に集まるときに仲間を呼ぶ物質を出すから、どんどん血小板が集まってきて、しっかりした栓ができるんだ。でも、この栓はまだ仮の栓で、簡単に取れちゃうんだよ。」


🕸️ フィブリンの網で固める仕組み

T先生
「そこで最後に登場するのが、血液凝固っていう仕組みだよ。これはフィブリンっていう糸みたいなタンパク質が、網目状になって血小板の栓をがっちり固めるんだ。」

たろうくん
「フィブリン?それってどうやってできるの?」

T先生
「血の中には凝固因子っていう、全部で13種類のタンパク質があってね、これらが順番に働くことで、最終的にフィブリンができるんだ。ドミノ倒しみたいに、1つが活性化すると次が活性化して…という感じで進むんだよ。」

たろうくん
「13種類も!?それって全部必要なの?」

T先生
「うん、どれか1つでも足りないと血が止まりにくくなっちゃうんだ。この反応は5分から15分くらいで完成して、しっかりした血餅(けっぺい)っていう血の塊ができるんだよ。」


⚖️ 血が固まりすぎないための仕組み

たろうくん
「でも待って!そんなに血が固まりやすいなら、体の中で勝手に固まっちゃわないの?」

T先生
「すごくいい質問だね!実は体には血が固まりすぎないようにする仕組みもあるんだ。健康な血管の内側はツルツルしていて血小板がくっつきにくいし、抗凝固物質っていう血を固まりにくくする物質も常に作られているんだよ。」

たろうくん
「へぇ〜!バランスが大事なんだね。」

T先生
「その通り!さらに、傷が治ってきたらプラスミンっていう酵素が、フィブリンの網を溶かして、かさぶたが自然に取れるようにもなっているんだ。」


💊 血が止まりにくい病気

たろうくん
「じゃあ、この仕組みがうまく働かない人もいるの?」

T先生
「残念ながらいるんだ。例えば血友病っていう病気では、凝固因子の第8因子か第9因子が生まれつき少ないから、血が止まりにくいんだよ。日本には約6,500人の血友病の患者さんがいるんだ。」

たろうくん
「そういう人はどうするの?」

T先生
「今は、足りない凝固因子を注射で補充する治療があるから、普通の生活ができるようになっているよ。それから、血小板が少ない病気や、薬の影響で血が止まりにくくなることもあるんだ。」


📝 まとめ!

 血が止まるのは、血管収縮・血小板の栓・フィブリンの網の3つの仕組みが協力するから!
 血管は数秒で縮み、血小板は30秒〜3分で栓を作り、フィブリンは5〜15分で固める!
 13種類の凝固因子がドミノ倒しのように働いて、最終的にフィブリンができる!
 体には血が固まりすぎないようにする仕組みもあって、バランスが保たれている!
 血友病など血が止まりにくい病気もあるけど、今は治療法があるから安心!


たろうくん
「なるほど!血が止まるって、こんなにすごい仕組みがあったんだね。体の中でいろんなものが協力して働いてるなんて、まるでチームワークだね!」

T先生
「本当にその通りだね!私たちの体は、ケガから自分を守るために、とても精巧な仕組みを持っているんだ。だから、小さなケガなら自然に治るけど、大きなケガや血が止まりにくいときは、すぐに病院に行くことが大切だよ。」

たろうくん
「うん!これからは転ばないように気をつけるけど、もし転んじゃっても、体が頑張って血を止めてくれるんだね。ありがとう、T先生!」 😊

体の仕組みを知ると、ケガの手当ても上手にできるようになります。血が止まる仕組みを理解して、適切な応急処置ができるようになりましょう!