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医療コラム

T先生!運動すると脳に何が起こるの?頭への衝撃と脳の健康について教えて!|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!運動すると脳に何が起こるの?頭への衝撃と脳の健康について教えて!

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Ryu Y, Maekawa T, Yoshino D, Sakitani N, Takashima A, Inoue T, Suzurikawa J, Toyohara J, Tago T, Makuuchi M, Fujita N, Sawada K, Murase S, Watanave M, Hirai H, Sakai T, Yoshikawa Y, Ogata T, Shinohara M, Nagao M, Sawada Y. Mechanical Regulation Underlies Effects of Exercise on Serotonin-Induced Signaling in the Prefrontal Cortex Neurons. iScience. 2020 Feb 21;23(2):100874. doi: 10.1016/j.isci.2020.100874. Epub 2020 Jan 31. PMID: 32062453; PMCID: PMC7016263.

 

📢 T先生!運動すると脳に何が起こるの?頭への衝撃と脳の健康について教えて! 🧠


たろうくん
「T先生!ランニングとか運動が脳にいいって聞くけど、走るときの『ドスンドスン』っていう衝撃って、脳に影響あるのかな?」

T先生
「おお、いい質問だね!実は日本の研究チームが、まさにその『ドスンドスン』という頭への機械的な衝撃が、脳の働きにどう影響するかを調べたんだよ。」

たろうくん
「へぇ〜!どんな研究だったの?」


🏃 運動と脳内の不思議なメカニズム

T先生
「研究者たちは、マウスやラットを使って実験をしたんだ。トレッドミルで1週間毎日30分走らせたグループと、頭を上下に揺らす装置(受動的頭部運動、PHM)を使ったグループを比較したんだよ。」

たろうくん
「頭を揺らす装置?どんな感じなの?」

T先生
「ランニング中の頭の加速度を測ったら、**重力の約1.0倍(1.0×g)**の衝撃があることが分かったんだ。それと同じ衝撃を再現するために、2Hz(1秒に2回)のペースで頭を5mm上下させる装置を作ったんだよ。」


💧 脳内の液体が動き出す!

T先生
「面白いのはここからだよ。この頭への衝撃で、脳の中の間質液(かんしつえき)という液体が流れ始めることが分かったんだ。」

たろうくん
「間質液?それって何?」

T先生
「脳の細胞と細胞の間にある液体のことだね。この液体が流れることで、神経細胞に**流体せん断応力(りゅうたいせんだんおうりょく)**という力がかかるんだ。研究では、平均0.86〜3.9パスカルという程度の力が神経細胞にかかることが計算されたよ。」

たろうくん
「パスカル?あんまりピンとこないけど、どのくらいの力なの?」

T先生
「そうだね、とても優しい力だよ。でも、この数パスカル程度の力が、細胞の働きを変えるのに十分なんだ。骨の細胞や血管の細胞も、同じくらいの力で健康を保っているんだよ。」


🧪 セロトニン受容体への影響

T先生
「この機械的な力が、脳の**前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)**という部分の神経細胞に作用すると、**セロトニン受容体(5-HT2A受容体)**という、感情や認知に関わる重要な受容体が細胞の中に取り込まれる(内在化する)現象が起きるんだ。」

たろうくん
「セロトニン受容体が細胞の中に入っちゃうの?それって良いこと?」

T先生
「良い質問だね!セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれているけど、多すぎると逆に不安やストレスの原因になることがあるんだ。運動によって受容体が細胞内に取り込まれることで、過剰なセロトニンの刺激から脳を守る働きがあると考えられているよ。」

たろうくん
「じゃあ、運動すると脳のバランスが良くなるってこと?」

T先生
「その通り!実験では、1週間の運動後、ストレスに関連する反応が17%も減少したという結果が出ているんだ。」


🔬 ゼリーで確かめた!

T先生
「研究チームは、本当に間質液の流れが重要なのかを確かめるために、面白い実験をしたんだよ。」

たろうくん
「どんな実験?」

T先生
「マウスの脳にポリエチレングリコール(PEG)というゼリー状の物質を注入して、間質液の流れを止めたんだ。そうしたら、頭を揺らしても効果が出なくなったんだよ。」

たろうくん
「ということは、やっぱり液体の流れが大事ってことだね!」

T先生
「正解!さらに、PKCγ(プロテインキナーゼC γ)という酵素がこのメカニズムに関わっていることも分かったんだ。この酵素の働きを止める薬を使うと、やはり効果が消えてしまったんだよ。」


🎯 実用的な意味

たろうくん
「じゃあ、この研究から何が分かるの?」

T先生
「ウォーキングやジョギングなどの日常的な運動が、足が地面に着くときの衝撃を通じて脳に良い影響を与えている可能性があるってことだね。この研究は、運動の効果が単に筋肉や心臓だけでなく、脳の中の物理的なメカニズムにも関係していることを示した画期的なものなんだ。」

たろうくん
「すごい!じゃあ、激しい運動じゃなくても、普通に歩いたり走ったりするだけで脳にいいんだね!」

T先生
「そうだよ!1週間毎日30分程度の運動でも効果が見られたから、無理なく続けられる運動が大事だね。ただし、この効果は運動をやめて3日後まで続いたけど、7日後には消えていたから、継続することが重要だよ。」


📝 まとめ!

運動中の頭への機械的衝撃(重力の1.0倍程度)が、脳内の間質液を流れさせる!
間質液の流れが神経細胞に数パスカルの優しい力をかけ、セロトニン受容体の働きを調節する!
1週間毎日30分の運動で、ストレス関連反応が17%減少する効果が見られた!
運動の効果は運動停止後3日間は続くが、7日後には消失するため、継続が大切!
激しい運動でなくても、ウォーキングやジョギング程度の頭への衝撃で脳の健康維持に役立つ可能性がある!


たろうくん
「運動って、筋肉だけじゃなくて脳の中の液体まで動かしてるなんて、びっくり!これからは『脳の中で液体が流れてる』って想像しながら走ってみるよ!」

T先生
「いいね!ただし、激しすぎる衝撃は脳に悪いから、無理のない範囲で楽しく続けることが一番大事だよ。毎日コツコツ運動して、脳も体も元気に保とうね!」😊