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医療コラム

T先生!運動でアルツハイマー病を予防できるの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!運動でアルツハイマー病を予防できるの?

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Yau WW, Kirn DR, Rabin JS, Properzi MJ, Schultz AP, Shirzadi Z, Palmgren K, Matos P, Maa C, Pruzin JJ, Schultz SA, Buckley RF, Rentz DM, Johnson KA, Sperling RA, Chhatwal JP. Physical activity as a modifiable risk factor in preclinical Alzheimer’s disease. Nat Med. 2025 Nov 3. doi: 10.1038/s41591-025-03955-6. Epub ahead of print. PMID: 41184638.

 

📢 T先生!運動でアルツハイマー病を予防できるの? 🧠💪


たろうくん
「T先生!うちのおじいちゃん、最近物忘れが増えてきたんだ。運動するとアルツハイマー病の予防になるって聞いたんだけど、本当なの?」

T先生
「いい質問だね!実は最近、とても興味深い研究が発表されたんだ。296人の高齢者を対象に、歩数計で毎日の歩数を測定して、脳の変化や認知機能との関係を調べたんだよ。」

たろうくん
「へぇ~!どんな結果だったの?」


🚶 身体活動が脳を守るメカニズム

T先生
「この研究では、参加者の脳の中にあるアミロイドβ(Aβ)という物質とタウ蛋白を、PETスキャンという特殊な検査で測定したんだ。これらはアルツハイマー病に関係する物質なんだよ。」

たろうくん
「アミロイドベータ?タウ蛋白?難しそう…」

T先生
「簡単に説明すると、アミロイドβは脳に溜まる”ゴミ”のようなもので、タウ蛋白はそのゴミが原因で神経細胞を傷つける”毒”のようなものなんだ。アルツハイマー病では、まずアミロイドβが溜まって、次にタウ蛋白が増えて、最後に認知機能が低下していくんだよ。」

たろうくん
「なるほど!それで、運動するとどうなるの?」

T先生
「研究の結果、身体活動量が多い人は、タウ蛋白の蓄積が遅くなることがわかったんだ。特に、すでにアミロイドβが溜まっている人で、この効果が顕著だったんだよ。」


🧪 研究の詳しい内容

T先生
「この研究では、平均年齢72歳の認知機能が正常な高齢者を対象に、最長14年間追跡調査したんだ。参加者には7日間連続で歩数計をつけてもらって、1日の平均歩数を測定したよ。」

たろうくん
「14年も追跡したんだ!すごいね!」

T先生
「そうなんだ。そして、定期的に脳のPETスキャンと認知機能テストを行ったんだよ。その結果、身体活動量が多いほど、タウ蛋白の蓄積が84%抑制され、認知機能の低下が遅くなることがわかったんだ。」

たろうくん
「84%も!それってすごくない?」

T先生
「その通り!さらに興味深いのは、アミロイドβの蓄積には影響がなかったことなんだ。つまり、運動はアミロイドβが溜まった後の、タウ蛋白による脳へのダメージを抑えるということがわかったんだよ。」


📊 どれくらい歩けばいいの?

たろうくん
「じゃあ、どれくらい歩けば効果があるの?1日1万歩とかよく聞くけど…」

T先生
「実はね、この研究では4つのグループに分けて調べたんだ:非活動的(1日3,000歩以下)低活動(3,001~5,000歩)中活動(5,001~7,500歩)、**高活動(7,501歩以上)**の4つだよ。」

たろうくん
「それで、どのグループが一番効果があったの?」

T先生
「驚くべきことに、中活動レベル(5,001~7,500歩)で効果が頭打ちになることがわかったんだ。つまり、無理に1万歩歩く必要はなくて、1日6,000歩くらいを目標にするだけで十分な効果が期待できるんだよ。」

たろうくん
「6,000歩なら、おじいちゃんでも頑張れそう!」

T先生
「その通り!特に、非活動的な人と比べると:低活動で認知機能低下が40%遅い中活動で54%遅い高活動で51%遅いという結果だったんだ。低活動から中活動への移行で最も大きな効果が得られるということだね。」


⏱️ 具体的な効果の大きさ

T先生
「もっと具体的に説明すると、アミロイドβが溜まっている人の場合、非活動的な人は6.5年で認知機能が低下する基準に達するけど、低活動の人は9.6年、中活動の人は13.6年、高活動の人は12.7年かかるんだよ。」

たろうくん
「ええっ!7年も差が出るの!?」

T先生
「そうなんだ。つまり、毎日少し歩くだけで、認知機能の低下を数年遅らせることができる可能性があるんだよ。これは本人にとっても家族にとっても、とても大きな意味があるよね。」


💡 なぜ運動が効果的なの?

たろうくん
「でも、どうして運動するとタウ蛋白が減るの?」

T先生
「正確なメカニズムはまだ研究中だけど、いくつかの可能性が考えられているよ。血流の改善炎症の抑制脳由来神経栄養因子(BDNF)の増加などが関係していると言われているんだ。」

たろうくん
「難しい言葉がいっぱい出てきたけど、要するに運動すると脳に良いことがたくさん起こるってことだね!」

T先生
「その理解でバッチリだよ!さらに、この研究は観察研究だから、今後は運動介入試験(実際に運動してもらう実験)で効果を確認する必要があるけど、とても有望な結果だと言えるね。」


📝 まとめ!

1日平均5,000~7,500歩(中程度の活動量)で、アルツハイマー病の進行を遅らせる効果が期待できる!

身体活動はタウ蛋白の蓄積を抑制することで、認知機能低下を遅らせる!

特に座りがちな人が少し歩くようになるだけで、大きな効果が得られる!

296人を最長14年間追跡した大規模研究で、運動の効果が科学的に示された!

1日6,000歩程度を目標にするだけで、認知機能低下を数年遅らせる可能性がある!


たろうくん
「すごいね!おじいちゃんに毎日6,000歩歩くように勧めてみるよ!無理に1万歩歩かなくていいなら、続けられそう!」

T先生
「それはいいアイデアだね!大切なのは、無理なく続けられる範囲で毎日歩く習慣をつけることだよ。特に、すでにアミロイドβが溜まり始めている人にとっては、今から運動を始めることがとても重要なんだ。将来的には、運動と薬物療法を組み合わせた予防戦略も考えられているよ。」

たろうくん
「わかった!僕もおじいちゃんと一緒に散歩することにするよ!ありがとう、T先生!」😊