ヘッダー画像

医療コラム

T先生!だ液ってどんな働きがあるの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!だ液ってどんな働きがあるの?

🦷 T先生!だ液ってどんな働きがあるの? 💧

たろうくん 「T先生!最近、授業でだ液のことを習ったんだけど、だ液って口の中で何してるの?ただのよだれじゃないよね?」

T先生 「いい質問だね!だ液は『ただのよだれ』なんかじゃなくて、私たちの健康を守るスーパーヒーローみたいな存在なんだよ。実は、健康な大人は1日に約0.5~1.5リットルものだ液を作っているんだ。」

たろうくん 「えっ!そんなにたくさん?500mlのペットボトル1~3本分じゃん!」

🍽️ 食べ物の消化を助ける働き

T先生 「まず、だ液の一番有名な働きは食べ物の消化を助けることだね。だ液の中にはアミラーゼっていう消化酵素が入っているんだ。」

たろうくん 「アミラーゼ?なんか難しい名前だなぁ。」

T先生 「簡単に言うと、ご飯やパンに含まれるでんぷんを分解する『はさみ』みたいなものだよ。ご飯をよく噛んでいると甘く感じることがあるでしょ?」

たろうくん 「あっ!たしかに!お米をずっと噛んでると甘くなるよね!」

T先生 「それは、アミラーゼがでんぷんを麦芽糖(マルトース)っていう甘い糖に変えているからなんだ。だから、食べ物をよく噛むことで、胃や腸の負担を減らせるんだよ。」

🛡️ 口の中を守るバリア機能

T先生 「だ液のもう一つの大切な働きは、口の中を守ることだよ。だ液にはリゾチームラクトフェリンIgA(免疫グロブリンA)という抗菌物質が含まれているんだ。」

たろうくん 「なんだか強そうな名前ばっかり!それってどんな働きをするの?」

T先生 「これらは口の中に入ってくる悪い菌をやっつける働きがあるんだ。実は、1ミリリットルのだ液には約1億個(10⁸個)の細菌がいるけど、だ液の抗菌作用のおかげで悪い菌が増えすぎないようになっているんだよ。」

たろうくん 「うわぁ、1億個も!?でも、だ液が守ってくれてるんだね。」

🦷 歯を守る大切な役割

T先生 「それから、だ液は歯を虫歯から守る重要な役割も持っているよ。」

たろうくん 「えっ、だ液が虫歯を防ぐの?」

T先生 「そうなんだ!食事をすると口の中が酸性になって、pH(ペーハー)が5.5以下になると歯が溶け始めるんだけど、だ液には重炭酸イオンという物質が入っていて、口の中を中性(pH7.0前後)に戻す働きがあるんだ。」

たろうくん 「へぇ〜!だ液ってすごいんだね!」

T先生 「それだけじゃないよ。だ液にはカルシウムやリンも含まれていて、初期の虫歯を修復する『再石灰化』という働きもあるんだ。ただし、酸性の食べ物や飲み物(オレンジジュースやスポーツドリンクなど)を摂った後は、30分くらい歯を磨かない方がいいんだよ。」

たろうくん 「えっ、どうして?」

T先生 「酸性のものを摂ると歯が一時的に柔らかくなるから、すぐに磨くと歯を傷つけちゃうんだ。だ液が口の中を中性に戻してくれるのを待ってから磨く方がいいんだよ。でも、普通の食事の後なら、すぐに磨いても大丈夫だよ。」

👅 味を感じるための大切な役割

T先生 「実は、だ液がないと味を感じることができないって知ってた?」

たろうくん 「えっ!?だ液と味って関係あるの?」

T先生 「食べ物の味の成分は、だ液に溶けることで初めて舌の味蕾(みらい)に届くんだ。だから、口が乾いていると味を感じにくくなるんだよ。」

たろうくん 「なるほど!風邪で口が乾いてるときって、たしかに味がよくわからないもんね。」

😰 だ液が少なくなると起こる問題

T先生 「じゃあ、だ液が少なくなると、どんな問題が起こると思う?」

たろうくん 「う〜ん、虫歯になりやすくなる?」

T先生 「その通り!ドライマウス(口腔乾燥症)という状態になると、虫歯のリスクが大幅に増えるんだ。他にも、口臭がひどくなったり、口内炎ができやすくなったり、飲み込みにくくなったりすることがあるよ。」

たろうくん 「それは大変だ!どんな人がドライマウスになりやすいの?」

T先生ストレスを感じているときや、薬の副作用口呼吸の習慣がある人、水分不足の人などがなりやすいね。実は成人の約20%(5人に1人)がドライマウスの症状を持っているという報告もあるんだ。」

💪 だ液を増やす方法

たろうくん 「じゃあ、だ液を増やすにはどうしたらいいの?」

T先生 「いい質問だね!まず一番簡単なのは、よく噛んで食べること一口30回を目標にするといいよ。それから、水分をこまめに取ることも大切だね。」

たろうくん 「他にもある?」

T先生ガムを噛むのも効果的だよ。特にキシリトール入りのガムなら、虫歯予防にもなるね。あとは、酸っぱいものを想像するだけでもだ液が出るし、舌を動かす運動耳の下のマッサージも効果があるんだ。」

たろうくん 「へぇ〜!想像するだけでも出るんだ!梅干しとか想像したら、たしかにだ液が出てくる!」

📝 まとめ!

だ液は1日に約0.5~1.5リットルも作られ、食べ物の消化を助ける!
抗菌物質が含まれていて、口の中の悪い菌から守ってくれる!
歯を虫歯から守り、初期の虫歯を修復する働きもある!
味を感じるためにも、だ液は欠かせない存在!
酸性の食べ物・飲み物の後は30分待ってから歯を磨こう!
よく噛む、水分を取る、ガムを噛むなどで、だ液を増やすことができる!

 

たろうくん 「すごいなぁ!だ液って、ただのよだれじゃなくて、こんなにたくさんの働きがあったんだね。これからは、ご飯をよく噛んで、だ液をたくさん出すようにするよ!」

T先生 「その意気だね!だ液は24時間365日、休みなく私たちの健康を守ってくれているんだ。大切にしていこうね!」

たろうくん 「うん!ありがとう、T先生!だ液のこと、友達にも教えてあげよっと!」😊