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医療コラム

T先生!なんで熱が出るの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!なんで熱が出るの?

T先生!なんで熱が出るの?


たろうくん
「T先生!風邪ひいたときに体が熱くなるけど、あれって体が壊れちゃってるの?」

T先生
「いい質問だね。まず結論から言うと、熱は体が壊れているサインというより、『体が病気と戦っている』合図なんだよ。ウイルスや細菌などが体に入ると、体の中で作られる信号が脳の体温調節をつかさどる視床下部に働きかけて、体温の『セットポイント』を上げるんだ。これにより体が『少し高めの温度』で動くようになり、免疫が働きやすくなるんだよ。


熱って何の役に立つの?

たろうくん
「熱が出るといいこともあるの?」

T先生
「うん!熱にはいくつか良い働きがあるんだ:
・免疫細胞の一部の働きが高まる(ウイルスや細菌に対する攻撃が強くなる)
・多くの病原体は高温を苦手にするので増えにくくなる
・体に休むよう促すから安静になり、回復に集中できる。
ただし、熱そのものが常に有益というわけではなく、高すぎたり長く続いたりすると害になることもあるから注意が必要だよ。」


何度から“発熱”なの?

たろうくん
「何度くらいから熱って言うの?」

T先生
「国や測り方で差はあるけど、日本の基準では37.5℃以上を発熱、38.0℃以上を高熱とすることが多いよ。普段の平熱が低めの人は『普段より約1℃高い』という見方も大切なんだ。測り方(腋下・口腔・直腸)でも数値が少し違うことがあるから、いつもと比べてどうかを見るのが良いよ。」


熱は下げたほうがいいの? ➡️

たろうくん
「つらいときは薬で下げていいの?」

T先生
「基本的には熱は体の防御反応だから、必ずしも無理に下げる必要はないんだ。ただし、熱が高くてつらいとき、眠れないとき、あるいは持病があって心配なときは解熱薬(アセトアミノフェンやイブプロフェンなど)で楽にしてあげて良いよ。薬は用法・用量を守ってね。」


⚠️ どんなときに病院に行くべき?(大人・子ども)

たろうくん
「やばいサインってどんなの?」

T先生
「次のようなときは早めに受診や救急相談をしてね:
・意識がもうろうとしている、ひどくぐったりしている
・呼吸が苦しい、胸の痛みがある
・激しい頭痛や首の固さ(髄膜炎を疑う)・持続する嘔吐や脱水傾向
・発疹が急に広がる/けいれんが起きる
また、乳幼児(特に生後3か月以内)では、体温が高いだけでも早急に受診が必要な場合があるので注意してね。」 


子どもの熱はどう違うの?

たろうくん
「子どもって熱を出しやすいの?」

T先生
「うん、子どもは免疫の“経験”が少ないから、初めて遭遇するウイルスに対してよく熱を出すんだ。多くは数日で治ることが多いけれど、年齢(特に新生児)や症状の重さで判断が変わるから、心配なら医師に相談してね。子どもが飲み物を飲めない・ぐったりしている・熱が長く続く場合は受診の目安だよ。」 


家庭でできるケア(簡単)

  • 十分な水分補給(こまめに飲ませる)
  • 無理のない安静(休ませる)
  • 寒ければ掛け物で温め、汗をかきすぎて苦しそうなら軽く体を冷ます(冷やし過ぎに注意)
  • つらければ解熱薬をラベル通りに使用(年齢・体重に合わせて)
  • 赤ちゃんや基礎疾患のある人は、自己判断せず医師に相談

まとめ!

熱は多くの場合『体が病原体と戦っている』サインで、必ずしも“体が壊れている”わけではない。 
日本では37.5℃以上を発熱、38.0℃以上を高熱の目安(ただし個人差あり)。普段の平熱より約1℃上昇が目安。 
熱は無理に下げる必要はないが、つらいときは解熱薬で楽にして良い(用法・用量を守る)。
次のサイン(意識障害、呼吸困難、脱水、激しい頭痛、発疹、乳幼児の発熱など)は早めに受診を。 


たろうくん
「へぇ〜!熱って悪いことばかりじゃないんだね。ちょっと安心したよ、T先生!」

T先生
「そうだよ。でも自分や家族の様子が普段と違うと感じたら、早めに相談してね。必要ならお医者さんに見てもらおう。