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医療コラム

T先生!コレステロールの薬って肝臓にもいいの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!コレステロールの薬って肝臓にもいいの?

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Choi J, Nguyen VH, Przybyszewski E, Song J, Carroll A, Michta M, Almazan E, Simon TG, Chung RT. Statin Use and Risk of Hepatocellular Carcinoma and Liver Fibrosis in Chronic Liver Disease. JAMA Intern Med. 2025 Mar 17:e250115. doi: 10.1001/jamainternmed.2025.0115. Epub ahead of print. PMID: 40094696; PMCID: PMC11915111.

 

📢 **T先生!コレステロールの薬って肝臓にもいいの?**💊


たろうくん

「ねぇ、T先生!コレステロールを下げる『スタチン』っていうお薬があるって聞いたんだけど、あれって肝臓にはどうなのかな? 肝臓の病気を持っている人が飲んだら、何か良いこととか、逆に悪いこととかあるの?」 🤔

T先生

「おっ、たろうくん、いいところに気がついたね! 実はね、スタチンが肝臓の病気にどう影響するのかを調べた大きな研究が最近発表されたんだよ。アメリカで行われた研究で、慢性的な肝臓の病気(CLD)を持っている40歳以上の人たち、なんと16,501人ものデータを分析したんだ。」 👨‍⚕️

たろうくん

「へぇ〜、1万6千人以上も!すごいね!それで、どんなことが分かったの?」


🔬 研究の目的と参加した人たち

T先生

「この研究では、長い間肝臓の病気を持っている人たちの中で、**スタチンを使っている人(3,610人)と使っていない人(12,891人)**を比べて、その後の肝臓の状態がどう変わるかを10年くらい追跡したんだ。」

たろうくん

「ふむふむ。何を比べたの?」

T先生

「主に2つのことを見たんだ。一つは、**肝臓がん(肝細胞がん、HCC)**になるリスク。もう一つは、**肝臓の働きがすごく悪くなってしまう状態(肝不全)になるリスクだよ。それと、肝臓が硬くなっていく『肝線維化』**っていう状態が、スタチンを使うことでどう変わるかも詳しく調べたんだ。」


スタチンが肝臓を守る? 驚きの結果!

T先生

「結果はね、かなり興味深いものだったよ! スタチンを使っている人たちは、使っていない人たちと比べて、10年間のうちに肝臓がんになる確率がかなり低かったんだ。」

たろうくん

「えっ、そうなの!? どれくらい低かったの?」 😮

T先生

「うん。具体的には、スタチンを使っていない人では10年間で**約8.0%の人が肝臓がんになったのに対して、スタチンを使っている人では約3.8%**だったんだ。つまり、リスクが半分近くに減っていたことになるね。数字で言うと、**リスク差は-4.2%**だったんだ。」

たろうくん

「半分近くも!? それはすごいね! 肝臓の働きが悪くなる方はどうだったの?」

T先生

「そっちも良い結果が出たよ。肝不全になるリスクも、スタチンを使っていない人では10年間で**約19.5%だったのが、使っている人では約10.6%に減っていたんだ。こっちはリスク差が-9.0%**もあった。これもかなり大きな違いだよね。」 😊

T先生

「さらに詳しく分析すると、スタチンを使っている人は、使っていない人に比べて肝臓がんになるリスクが約33%低く(リスク比0.67)、**肝不全になるリスクが約22%低い(リスク比0.78)**という結果だったんだ。」


💪 肝臓が硬くなるのを防ぐ効果も?

たろうくん

「へぇ〜、スタチンって肝臓がんや肝臓が悪くなるのを防いでくれる可能性があるんだね! 肝臓が硬くなる『肝線維化』についてはどうだったの?」

T先生

「それも良いニュースがあったよ! この研究では『FIB-4スコア』っていう、肝臓の硬さ(線維化の進み具合)を見るための点数も調べているんだけどね。」

たろうくん

「うんうん。」

T先生

「スタチンを使っている人たちは、使っていない人たちと比べて、肝臓の硬さが進みにくくて、むしろ少し改善する傾向が見られたんだよ。例えば、もともと肝臓の硬さが中くらい(中リスク)だった人で、もっと硬く(高リスク)なっちゃった人の割合は、スタチンを使っている人の方が少なかったんだ(14.7% vs 20.0%)。」

たろうくん

「進みにくいんだね!」

T先生

「さらに、もともと肝臓がかなり硬かった(高リスク)人でも、スタチンを使っている人の方が、硬さが少し和らいで中くらい(中リスク)や、もっと軽い状態(低リスク)に戻る人の割合が多かったんだよ(中リスクへ:31.8% vs 18.8%、低リスクへ:7.0% vs 4.3%)。」 ✨

たろうくん

「すごい! スタチンって、肝臓が硬くなるのを防いだり、少し柔らかくしてくれたりする効果もあるかもしれないんだね!」


💊 どんなスタチンが、どれくらい使うと良いの?

T先生

「研究では、**油に溶けやすいタイプのスタチン(親油性スタチン)**を使っていたり、長い期間(例えば、合計で600日分以上)スタチンを使っていたりすると、肝臓がんや肝不全のリスクがさらに低くなる傾向も見られたんだ。」

たろうくん

「へぇ〜、薬の種類や使う期間も関係あるんだね。」

T先生

「そうだね。ただ、どのスタチンが良いか、どれくらい使うべきかは、一人ひとりの体の状態によって違うから、必ずお医者さんと相談することが大切だよ。」 👍


📝 まとめ!

✅ 慢性的な肝臓病を持つ人がスタチンを使うと、肝臓がんや肝臓の機能が悪くなるリスクが低くなる可能性があるよ。

✅ スタチンは、肝臓が硬くなる(線維化)のを防いだり、少し改善させたりする効果も期待できるかもしれないね。

✅ 特に、油に溶けやすいタイプのスタチンや、長期間の使用で、より良い効果が見られるかもしれないよ。

✅ 今回の研究結果は、スタチンが肝臓の病気の進行を抑えるのに役立つ可能性を示しているよ。

✅ ただし、スタチンを使うかどうかは、必ずお医者さんとよく相談して決めようね!


たろうくん

「なるほど〜! スタチンってコレステロールだけじゃなくて、肝臓にも良い影響があるかもしれないんだね! すごく勉強になったよ!」 😄

T先生

「そうだね。もちろん、これは一つの研究結果だから、これからもっと色々な研究が必要だけど、肝臓の病気を持っている人にとっては希望の持てる話かもしれないね。スタチンは、お医者さんの指示通りに正しく使うことが何より大切だよ。」

たろうくん

「うん!分かった! T先生、今日も分かりやすく教えてくれてありがとう!」 😊