T先生!コーヒーを焙煎した時に調子が悪くなるのはなんで?
- 2025年10月24日
- 教えて!T先生,女性の健康,男性の健康,よくある症状とお悩み,呼吸器,アレルギー・リウマチ
☕ T先生!コーヒーを焙煎した時に調子が悪くなるのはなんで?
たろうくん
「T先生!お母さんの友達がコーヒーの仕事をやってるんだけど、焙煎してるとくしゃみが出たり、目がかゆくなったり、頭が痛くなるんだって。これってアレルギーなの?」
T先生
「それは心配だね、たろうくん。実はコーヒーの焙煎には、アレルギーと化学物質による刺激の両方が関係している可能性があるんだ。アメリカの研究機関が調べたところ、コーヒー焙煎の仕事をしている人の健康被害が深刻な問題になっているんだよ。」
たろうくん
「えっ、そんなに危ないの?どんなことが起きるの?」
🔬 焙煎で出てくる危険な物質って?
T先生
「コーヒー豆を200度以上で焙煎すると、いろんな化学物質が出てくるんだ。特に危険なのがジアセチルと2,3-ペンタンジオンという物質なんだよ。」
たろうくん
「なんか難しい名前だね…それってどのくらい危ないの?」
T先生
「これらの物質を長く吸い込むと、『ポップコーン肺(閉塞性細気管支炎)』という大変な病気になることがあるんだ。肺の細い管が硬くなって、息ができなくなっちゃうんだよ。実際にテキサス州のコーヒー工場では、5人の働いていた人がこの病気になって、1人は肺移植が必要なくらい重症になったんだ。」
たろうくん
「うわぁ、それは怖いね!でも、なんで『ポップコーン肺』っていうの?」
T先生
「昔、ポップコーンの工場で働いていた人たちが最初にこの病気になったからなんだ。ポップコーンの香り付けに使われていた物質と同じものが、コーヒーを焙煎するときにも自然に発生しちゃうんだよ。」
😷 アレルギーの可能性もあるの?
T先生
「そうなんだ。特に生の緑色のコーヒー豆には、アレルギーを起こすタンパク質が含まれているんだよ。研究では、コーヒー工場で働く人の約26%、つまり4人に1人くらいがこのアレルギーを持っているんだって。」
たろうくん
「花粉症みたいな感じ?」
T先生
「その通り!くしゃみ、鼻水、目のかゆみは、まさに花粉症と同じようなIgE抗体っていうものが関係するアレルギー反応なんだ。コーヒー工場の調査では、77%の人が目の症状を、85%の人が鼻の症状を訴えていたんだよ。」
💨 一酸化炭素も危険なんだって!
T先生
「それだけじゃないんだ。コーヒーを焙煎すると一酸化炭素も出てくるんだよ。これは車の排気ガスにも含まれている有毒ガスで、頭痛やめまい、疲れやすさの原因になるんだ。」
たろうくん
「えー!じゃあ換気しないとダメだね!」
T先生
「その通り!ある調査では、コーヒーを挽く機械の近くでなんと584ppmという非常に高い濃度が測定されたこともあるんだ。安全基準の35ppmを大きく超えているよね。日本でも、家でコーヒーを焙煎していた女性2人が一酸化炭素中毒になった例が報告されているんだよ。」
🛡️ どうやって身を守ればいいの?
T先生
「一番大切なのは換気だよ!焙煎するときは必ず窓を開けて、換気扇を回すこと。できれば屋外で焙煎るのが理想的だね。」
たろうくん
「他にはどんな対策があるの?」
T先生
「プロの工場では、局所排気装置っていう特別な換気システムを使って、有害物質を60~80%も減らせるんだ。家庭では難しいけど、マスクを着けるのも効果的だよ。ただし、普通の布マスクじゃなくて、N95マスクのような粒子を防げるものがいいね。」
たろうくん
「お父さんに教えてあげなきゃ!症状が出たらどうすればいいの?」
T先生
「息苦しさ、喘鳴(ゼーゼーする音)、続く咳、胸の圧迫感があったら、すぐに呼吸器内科を受診すべきだね。特に焙煎から離れると症状が良くなる場合は、職業性の病気の可能性が高いから、早めの診断と治療が大切なんだ。」
📝 まとめ!
✅ コーヒー焙煎時にはジアセチルなど有害な化学物質が発生し、重篤な肺疾患を引き起こす可能性がある
✅ コーヒー豆アレルギーで、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどの症状が出ることがある
✅ 一酸化炭素も発生するため、頭痛やめまいの原因になる
✅ 最も重要な対策は換気!必ず窓を開けて換気扇を回しながら焙煎する
✅ 症状が続く場合は早めに医療機関を受診し、適切な診断を受けることが大切
たろうくん
「なるほど!コーヒーの焙煎って、美味しいコーヒーが飲めるけど、ちゃんと対策しないと危ないんだね。お母さんのお友達に換気の大切さを伝えて、マスクもプレゼントしようかな!」
T先生
「それはいいアイデアだね!趣味を楽しみながら、健康もしっかり守ることが大切だよ。特に症状が出たら無理をしないで、早めに対処することを忘れないでね。」😊
※今回はこのコラムをもとに解説動画を作ってみました。一部、音声の間違いありますがご容赦くださいませ。