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医療コラム

T先生!乗り物酔いに効く音楽ってあるの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!乗り物酔いに効く音楽ってあるの?

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Li Y, Li Y, Li Y, Luo B, Tang B, Yue Q. A study on the mitigating effect of different music types on motion sickness based on EEG analysis. Front Hum Neurosci. 2025 Sep 3;19:1636109. doi: 10.3389/fnhum.2025.1636109. PMID: 40969721; PMCID: PMC12440958.

 

📢 T先生!乗り物酔いに効く音楽ってあるの? 🚗🎵


たろうくん

「T先生!僕、車やバスに乗るとすぐに気持ち悪くなっちゃうんだ… 🤢 乗り物酔いって本当につらいよ。お母さんが『音楽でも聴いたら?』って言うんだけど、本当に効果あるのかな?もしあるなら、どんな音楽がいいんだろう?」

T先生

「お、たろうくん、いいところに気がついたね!乗り物酔いはつらいよね。医学的には『動揺病(どうようびょう)』とも言うんだけど、多くの人が悩んでいるんだ 1。実は最近、乗り物酔いを和らげる音楽の効果について、脳波(EEG)を使って詳しく調べた、とても興味深い研究が発表されたんだよ 。」

たろうくん

「えっ、脳波!?なんだかすごい難しそう!どんな実験だったの?」


🧠 脳波で乗り物酔いが分かる?ハイテクな実験!

T先生

「うん、研究者たちはね、まず30人の人たちに協力してもらったんだ 33。本物の車で実験すると危ないから、安全な運転シミュレーターを使ったんだよ 。このシミュレーターは、本物みたいに揺れたり景色が動いたりして、乗り物酔いをうまく引き起こせるように作られているんだ 。」

たろうくん

「なるほど、ゲームみたいだけど、ちゃんと酔っちゃうんだね 💦」

T先生

「そうなんだ。そして、みんなにシミュレーターに乗ってもらいながら、頭にたくさんの小さなセンサーをつけて脳波(EEG)をずっと記録したんだ 。その集めた脳波のデータをAI(機械学習っていう技術だよ)にたくさん勉強させて、『こういう脳波の時は、乗り物酔いのレベルがこれくらい』っていうのを自動で当てるモデル(認識モデル)を作ったんだ 。」

たろうくん

「えー!脳波を見たら、その人がどれくらい酔ってるかバレちゃうの!?」

T先生

「その通り!特にね、頭の後ろ側にある『後頭部(こうとうぶ)』っていう場所の脳波に注目してモデルを作ったら、なんと85.6%という高い確率で、その人の乗り物酔いの状態を正しく当てることができたんだよ 。すごいよね!」


🥇 乗り物酔いに一番効いた音楽、ベスト2はこれだ!

たろうくん

「後頭部かぁ、覚えた!それで、いよいよ音楽だね!そのハイテクなモデルを使って、何が分かったの?」

T先生

「うん!乗り物酔いになってもらった後で、4つのタイプの音楽を1分間聴いてもらって、どれが一番酔いを和らげるかを比べたんだ 。その4つは、①楽しい音楽、②悲しい音楽、③高揚する(情熱的な)音楽、④柔らかい(ソフトな)音楽だよ 。」

たろうくん

「わくわく…!結果はどうだったの?ドキドキする!」

T先生

「結果はね、とってもはっきり出たんだ。乗り物酔いの不快感が、どれくらい軽くなったか、その減少率を見ると…

  • 🥇 1位:楽しい音楽! なんと平均57.3%も不快感が減ったんだ! 

  • 🥈 2位:柔らかい音楽! これもすごくて、平均56.7%も減った! 

この2つが、他の音楽と比べてダントツで効果が高かったんだよ。」

たろうくん

「おー!やっぱり!明るくて楽しい曲や、ゆったりリラックスできる曲がいいんだね!なんとなく分かる気がする!楽しい気分になったり 、落ち着いたりするからかな? 」

T先生

「たろうくんの言う通りだね。楽しい音楽はポジティブな気分を引き出して、脳の報酬系(ごほうびを感じる部分)を活発にし 、不快な酔いの感覚から気をそらしてくれるんだろうね。柔らかい音楽は、神経の興奮を抑えてリラックスさせることで、酔いの症状を軽くしてくれる 。どっちも素晴らしい効果だ!」


😥 まさかの結果!?「何もしない」よりダメだった音楽

たろうくん

「じゃあ、他の2つはダメだったの?アップテンポな『高揚する音楽』とか、効きそうなのに!」

T先生

「うん、高揚する(情熱的な)音楽も悪くなくてね、平均48.3%軽くなったんだ 17。これも十分効果があると言えるね。だけどね、問題は『悲しい音楽』だったんだ。」

たろうくん

「え、どうしたの?」

T先生

「まず、基準として『音楽を聴かずに、静かに目をつむって自然に回復するのを待つ』グループ(コントロール群)の結果を見たんだ。このグループは、平均43.3%不快感が軽くなった 。ところが…」

たろうくん

「ごくり…。」

T先生

「悲しい音楽を聴いたグループは、平均40%しか軽くならなかったんだ 。」

たろうくん

「えええーーっ!? 😱 それって、何もしない方がマシだったってこと!?」

T先生

「そういうことになるね。研究者たちも、悲しい音楽のメロディーや雰囲気が、乗り物酔いで感じている『気持ち悪い』『つらい』といったネガティブな感情と結びついちゃって、逆に不快感を強めてしまったのかもしれないって考えているんだ 。」

たろうくん

「うわぁ…、乗り物酔いの時に悲しい曲を聴くのはやめておくよ…。」


📉 酔うほど「脳波」は単純になる?

たろうくん

「それにしても、なんで『後頭部』の脳波がそんなに乗り物酔いと関係してるの?」

T先生

「それはね、後頭部が、主に『目から入ってきた情報』を処理する大事な場所だからなんだ 。乗り物酔いの大きな原因は、『目から入ってくる景色(例えば、車の中であまり動いてない)』と『耳の奥(前庭)で感じる体の揺れ』の情報がズレることだと言われているよね 。」

たろうくん

「うんうん、聞いたことある!」

T先生

「だから、その『情報のズレ』の影響が、視覚情報を処理する後頭部の脳波に、とても強く現れるんだろうね 。この研究ではもう一つ面白い発見があってね、『KC複雑性(けーしーふくざつせい)』っていう脳波のパターンの”複雑さ”を測る指標も調べたんだ 。」

たろうくん

「脳波の複雑さ?」

T先生

「そう。健康で落ち着いている時の脳波は、パターンが複雑でランダムなんだ。でも、この研究では、乗り物酔いのレベルがひどくなればなるほど、このKC複雑性の数値が下がっていく(=脳の活動パターンが単純になっていく)ことが分かったんだよ 。その関係の強さは『-0.625』っていう数字で示されていて 、これは『かなり強いマイナスの関係がある』ってことを意味するんだ。」

たろうくん

「へぇ~!乗り物酔いの時は、脳の活動もシンプルになっちゃうんだね。面白い!」


📝 まとめ!

✅ 乗り物酔いを和らげるには、「楽しい音楽」や「柔らかい(ソフトな)音楽」がとっても効果的!

✅ 「楽しい音楽」は平均57.3%、「柔らかい音楽」は平均56.7%も不快感を減らしてくれたよ 。

✅ 逆に「悲しい音楽」は、平均40%しか軽減せず、何もしない(平均43.3%)よりも効果が低かった!

✅ 乗り物酔いの状態は、「後頭部」の脳波(EEG)を調べると、85.6%という高い精度で分かったよ 。

✅ 乗り物酔いがひどくなるほど、後頭部の脳波の「KC複雑性(複雑さ)」は低下する(単純になる)傾向があったよ 。


たろうくん

「なるほどー!すごくよく分かったよ!今度から車に乗る時は、絶対『楽しくて明るい曲』か『リラックスできる柔らかい曲』を聴くようにするね!悲しい曲は聴かないぞー!ありがとう、T先生!」 😊

T先生

「どういたしまして!この研究を活かして、たろうくんの乗り物酔いが少しでも楽になるといいな。自分に合ったお気に入りの『酔い止めソングリスト』を作っておくのもいいね! 」