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医療コラム

T先生!帯状疱疹が認知症に関係してるって本当?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!帯状疱疹が認知症に関係してるって本当?

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Polisky V, Littmann M, Triastcyn A, Horn M, Georgiou A, Widenmaier R, Anspach B, Tahrat H, Kumar S, Buser-Doepner C, Geldsetzer P, Van Duijn CM, Schwab P. Varicella-zoster virus reactivation and the risk of dementia. Nat Med. 2025 Oct 6. doi: 10.1038/s41591-025-03972-5. Epub ahead of print. PMID: 41053450.

 

📢 T先生!水ぼうそうが認知症の原因になるって本当? 🧠


たろうくん

「T先生!こないだニュースで見たんだけど、昔かかった「水ぼうそう」のウイルスが、将来「認知症」に関係あるって本当?」

T先生

「お、たろうくん、すごいところに目をつけたね!それは今、医学の世界でとても注目されている話なんだ。全く関係ないわけじゃないんだよ。」

たろうくん

「えー!そうなの?水ぼうそうって、ほとんどの人が子供のころにかかるやつだよね?」


🧠 神経に隠れるウイルス「VZV」

T先生

「その通り。水ぼうそうは「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」っていうウイルスが原因なんだけど、治った後もウイルスが体からいなくなるわけじゃないんだ。」

たろうくん

「えっ、どこかにいるの?」

T先生

「うん。体の「神経節」っていう、神経の集まっているお部屋みたいなところに、じーっと**静かに隠れている(潜伏している)**んだよ。ほとんどの成人の体にいるんだ。」

たろうくん

「うわ、ちょっと怖いね… 😱」

T先生

「普段は悪さをしないんだけど、年をとったり、疲れたりして**免疫力(体を守る力)が下がると、このウイルスが復活(再活性化)**することがあるんだ。これが「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」っていう、痛い水ぶくれができる病気なんだよ。」


📊 1億人の記録が示した「リスク」

たろうくん

「その帯状疱疹が、認知症と関係あるの?」

T先生

「そうなんだ。最近、アメリカで1億人以上というとてつもない数の医療記録(電子カルテ)を調べた、大きな研究が発表されたんだよ。2007年から2023年までの長い期間、追跡調査したんだ。」

たろうくん

「1億人!すごい数だね。何がわかったの?」

T先生

「まず、帯状疱疹になったことがある人は、なったことがない人と比べて、将来、認知症と診断されるリスクが高いことがわかったんだ。」

たろうくん

「ええー!やっぱり…。」

T先生

「しかもね、帯状疱疹を2回以上繰り返した人は、1回だけだった人と比べても、認知症のリスクが7%から9%も高かったんだ。ウイルスが何度も復活すると、それだけ脳への負担も大きいのかもしれないね。」


希望の光!「ワクチン」の効果

たろうくん

「そっかぁ…。じゃあ、どうしようもないの?」

T先生

「いや、ここからが大事な話だよ!その研究では、帯状疱疹を予防するワクチンを打った人のことも調べているんだ。」

たろうくん

「ワクチンの効果は?」

T先生

「ワクチンを打った人は、打っていない人と比べて、認知症のリスクが明らかに低かったんだ!特に、日本でも今使われている「シングリックス」っていう新しい不活化ワクチンを2回打った場合、認知症のリスクがなんと27%も低減していたんだよ。🎉」

たろうくん

「27%!?それはすごいね!なんでワクチンが認知症にも効くの?」

T先生

「いい質問だね。昔使われていた生ワクチン(効果がだんだん弱くなるタイプ)のデータも分析していてね。ワクチンの帯状疱疹を防ぐ効果が薄れてくると、認知症を減らす効果も一緒になくなっていったんだ。」

たろうくん

「なるほど!つまり、ワクチンでしっかりウイルスが復活するのを抑えることが、認知症の予防にもつながってるってことなんだね!」

T先生

「たろうくん、その通り!そういう可能性がすごく高いことが分かってきたんだ。特に、帯状疱疹になりやすい高齢の人や女性では、ワクチンの効果がもっと大きい傾向も見られたんだよ。」


⚠️ 知っておくべきこと

T先生

「ただ、一つ大事な注意点があるよ。これは「観察研究」といって、「帯状疱疹」と「認知症」に強い関連があることを見つけた研究なんだ。」

たろうくん

「関連?「原因」とは違うの?」

T先生

「鋭いね。ワクチンが「直接」認知症を防いだと100%証明(因果関係の証明)したわけじゃないんだ。でも、これだけ大規模なデータで強い関連が示されたのは、とっても大きな発見なんだよ。帯状疱疹は「自分で対策できる認知症リスクの一つ」かもしれないってことだからね。」

たろうくん

「そっか。じゃあ、おじいちゃんやおばあちゃんにも教えてあげたほうがいいね!」

T先生

「そうだね。日本では50歳以上の人は帯状疱疹のワクチンが打てるから、帯状疱疹そのもの(あの痛い神経痛)を防ぐためにも、そして将来の認知症リスクを下げるかもしれないっていう点からも、お医者さんに相談してみる価値はすごく高いと思うよ。」


📝 まとめ!

✅ 水ぼうそうのウイルス(VZV)は、治った後も神経に隠れている!

✅ VZVが復活して「帯状疱疹」になると、将来の認知症リスクが上がるかもしれない!

✅ 特に帯状疱疹を2回以上繰り返すと、リスクが7~9%高まるというデータがあるよ。

✅ 帯状疱疹ワクチン(特にシングリックス)を打つと、認知症リスクが27%も下がる可能性があるんだ!

✅ 50歳以上の人は、帯状疱疹予防と認知症リスク対策のためにワクチンを相談してみよう!


たろうくん

「なるほどー!ウイルスが関係してるなんて知らなかったよ。昔の病気も油断できないんだね。ありがとう、T先生!」 😊

T先生

「どういたしまして!健康は、こういう新しい知識を知って、できることから対策していくのが大事だからね。」