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医療コラム

T先生!手湿疹に対してのお薬治療ってどんなの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!手湿疹に対してのお薬治療ってどんなの?

たろうくん

「T先生!この間教えてもらった通り、お母さんに『皮膚科に行こう!』って伝えたよ。そしたらお母さんが『友達の介護士さんも、手湿疹がなかなか良くならなくて困ってるんだ』って言ってたの。その人は昔アトピーがあって、病院で『コレクチム』って薬をもらったけど悪化しちゃったんだって。今は『モイゼルト』に変えようか悩んでるみたいなんだけど、どうなのかな?」

T先生

「なるほど、それは大変だね。実は手湿疹の治療には、『治すための順番』と『薬の選び方』という、とても大事な戦略があるんだ。アトピーがあってもなくても、基本的な戦い方は一緒だよ。今日は、その介護士のお友達にも役立つ『しっかり治しきるための作戦』と『最新の薬』について教えるね!」


🔥 ステップ1:まずは「火事」をしっかり消す!(リアクティブ療法)

たろうくん

「作戦? なんだか難しそうだね…。」

T先生

「難しくないよ!治療は大きく2段階あるんだ。最初のステップは『リアクティブ療法』。これは、ステロイドを使って痒みや炎症を『限りなくゼロ』にすることなんだ。」

たろうくん

「えっ、ゼロにするの? ちょっと良くなったら薬をやめちゃダメなの?」

T先生

「そこが一番の落とし穴なんだよ。どんなに手が真っ赤に腫れ上がっていても、適切な強さのステロイドを正しく塗れば、1週間以内には炎症を抑えられるはずなんだ。ここで中途半端にやめると、またすぐにぶり返してしまう(元の木阿弥)んだよ。だから、『あと数日が人生最後のステロイドだ!』と誓うくらいの覚悟で、きっちり火事を消し止めることが大事なんだ。」

たろうくん

「なるほど!火種が残らないように、しっかり消すんだね。」


🛡️ ステップ2:再発させないバリアを張る!(プロアクティブ療法)

T先生

「そして、火が消えてきれいな皮膚になったら、次のステップ『プロアクティブ療法』に移るんだ。これは、『痒くない状態の皮膚に、ステロイド以外の薬を塗り続けて再発を防ぐ』という方法だよ。この維持療法がうまくいけば、良い状態をずっとキープできるから、ステロイドに戻らなくて済むんだ。」

たろうくん

「へぇ〜!それが成功すれば、悩まなくて済むようになるわけだね。じゃあ、その時に使うのが『コレクチム』や『モイゼルト』なの?」

T先生

「そうだよ。この維持療法に使える薬はいくつかあって、それぞれ特徴や値段が違うんだ。ちょっと比較してみようか。(※1gあたりの値段は目安だよ)」

  1. タクロリムス(プロトピック): 約36.7円。一番安くて、効果も優秀!

  2. コレクチム: 約144.9円

  3. モイゼルト: 約152.1円

  4. ブイタマークリーム: 約300.8円。去年出たばかりの新しい薬!(1本15 gで4,512円)

T先生

「お母さんのお友達は『コレクチム』が合わなかったんだよね。正直に言うと、コレクチムでうまくいかなかった場合、モイゼルトに変えても難しい可能性が高いんだ。」

たろうくん

「えっ、どうして?」

T先生

「モイゼルトは副作用が少なくて良い薬なんだけど、炎症を抑える力は他の薬に比べて少しマイルドなんだ。だから手湿疹だと再発しやすいことがあるんだよ。もしコレクチムがダメなら、まずは『塗る量が少なすぎなかったか』を確認して、それでもダメなら一番効果が強いタクロリムス(プロトピック)を試すのが、値段も安くて理想的だと僕は思うよ。」


✨ 最新の「クリーム」がすごいかも!?

たろうくん

「そっかぁ…。じゃあ、もしタクロリムスも合わなかったらどうすればいいの?」

T先生

「そこで登場するのが、4番目の『ブイタマークリーム』だよ!これは比較的新しい薬なんだけど、すごく画期的な特徴があるんだ。」

たろうくん

「どんな薬なの?」

T先生

「まず、これまでの薬はベタベタする『軟膏(なんこう)』が多かったんだけど、これはサラッとした『クリーム』なんだ。手は色々なものを触るから、ベタつかないのは嬉しいよね。それに、『サイトカイン』という炎症を引き起こす悪い物質をブロックしてくれるんだ。」

たろうくん

「使いやすそうだね!でも、値段が一番高いよ…?」

T先生

「たしかに日本でも高い薬なんだけど、実はすごい話があってね。この薬、アメリカで買うと60gで約23万円(1,510ドル)もするんだ!」

たろうくん

「ええっ!? 23万円!? ゲーム機が何台も買えちゃうよ!」

T先生

「でしょう? でも日本では保険が使えるから、3割負担ならもっと安く手に入る。つまり、アメリカの約13分の1以下の値段で使える計算になるんだよ。日本に住んでいて良かったと思える瞬間だね(笑)。」

T先生

「それに、この薬は『炎症』と『酸化』を抑える作用があるから、一部の先生の間では『老化防止クリーム』としての可能性も秘めているんじゃないか、なんて注目されているんだよ。」

たろうくん

「老化防止!? それはお母さんが食いつきそうな情報だね(笑)。」

T先生

「ははは、そうだね。だから、もしお友達が今の治療で行き詰まっているなら、**『まずは塗り方を見直して、ダメならプロトピックか、最新のブイタマーについてお医者さんに相談してみて!』**って伝えてあげるといいかもしれないね。」


📝 まとめ!

  • まずはステロイドで、炎症と痒みを「限りなくゼロ」にすることが最優先!

  • 良くなった後も薬を塗り続ける「プロアクティブ療法」で再発をブロックしよう。

  • 維持療法には「タクロリムス(プロトピック)」が安くて効果も強くておすすめ。

  • 最新薬「ブイタマー」は、ベタつかないクリームタイプで使い心地が良い!

  • ブイタマーはアメリカだと超高額!日本なら保険でお得に使えるすごい薬だよ。


たろうくん

「ありがとうT先生!お母さんとそのお友達に『薬を塗る量を見直してみて、ダメなら新しいクリームのことを聞いてみて!』って詳しく伝えてあげる!」

T先生

「それがいいね!手湿疹は根気が必要だけど、自分に合う薬と正しい戦略が見つかれば、きっと良い状態を保てるようになるから、諦めないように伝えてね。」 😊