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医療コラム

T先生!暑い日に「常位胎盤早期剥離」がおきやすくなるってホント?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!暑い日に「常位胎盤早期剥離」がおきやすくなるってホント?

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Terada S, Nishimura H, Miyasaka N, Fujiwara T. Heat Stress and Placental Abruption: A Space-Time Stratified Case-Crossover Study. BJOG. 2025 Apr 10. doi: 10.1111/1471-0528.18163. Epub ahead of print. PMID: 40207567.

 

📢 **T先生!暑い日に「常位胎盤早期剥離」がおきやすくなるってホント?**🌡️🍼


たろうくん
「T先生!この前ニュースで“暑さが妊婦さんに悪い影響を与える”って見たんだけど、もしかして“胎盤がはがれちゃう”こともあるの?怖くない?」😰

T先生
「うん、たろうくん、それはとっても良い質問だよ。実はね、2025年に日本の研究チームが、暑さ(熱ストレス)と“常位胎盤早期剥離”との関係を調べたんだよ。」


🔍 熱ストレスと“常位胎盤早期剥離”って?

たろうくん
「“常位胎盤早期剥離”ってなんのこと?」

T先生
「これは本来なら赤ちゃんが生まれたあとにはがれるはずの胎盤が、お腹の中にいるうちにはがれちゃう状態のことなんだ。とっても危険で、お母さんにも赤ちゃんにも大きなリスクがあるんだよ。」

たろうくん
「えぇ…じゃあ、どれくらいの人がなるの?」

T先生
「日本では、約1%の妊娠で起こるって言われてるんだ。でも、この研究では、暑い日にそのリスクが上がることがわかったんだよ。」


🌡️ “暑さ”ってどうやって調べたの?

T先生
「この研究では、暑さの指標として**WBGT(湿球黒球温度)**というものを使ったんだ。これは、気温、湿度、風、日差しなどを全部まとめて、体がどれだけ暑さを感じるかを表す数値なんだよ。」

たろうくん
「気温だけじゃなくて、風とか日差しも関係あるんだね!」

T先生
「そうそう!で、日本中の11の地域の**2011年から2020年までの6〜9月(夏の時期)のデータを使って、WBGTがその地域の上位5%(つまりすごく暑い日)**を超えた日を“熱ストレスの日”ってしたんだよ。」


📈 熱ストレスの日は、剥離が増えるの?

T先生
「研究の結果、暑い日の翌日(1日後)に胎盤早期剥離のリスクが1.23倍に増えることが分かったんだ。特に、妊娠高血圧症候群(HDP)や赤ちゃんが小さめ(SGA)の妊婦さんはもっとリスクが高くて、それぞれ1.57倍1.47倍だったよ。」

たろうくん
「うわぁ…すごい上がってる…。でも、どうして“次の日”なの?」

T先生
「これは“短期的な前倒し効果(ハーベスティング効果)”って言われていてね、暑さで体に負担がかかって、本来もう少しあとに起こる予定だった剥離が早まって起きちゃうって考えられてるんだ。」


🧠 どうして暑さで胎盤がはがれちゃうの?

T先生
「妊婦さんの体は、赤ちゃんを守るために体温調節が難しくなるんだ。暑いと、体温が上がって脱水になったり、血流が減ったり、炎症が起きたり、熱ショックたんぱく質(HSP)が出てくることがあるんだよ。そうすると、胎盤にも負担がかかってしまうんだ。」

たろうくん
「へぇ~、体の中でそんなことが起きてるんだね…!」


🚑 気をつけるべき人と対策は?

T先生
「特に妊娠高血圧症候群赤ちゃんが小さいと言われてる妊婦さんは注意が必要だよ。暑い日は、

  • 外出を控える

  • クーラーを使って部屋を涼しく保つ

  • 水分をしっかりとる

  • 少しでもお腹が張ったり、出血したらすぐ病院へ!

っていうのがとっても大事なんだ😊」


📝 まとめ!

✅ 暑い日の翌日は、常位胎盤早期剥離のリスクが1.23倍に上がる!
妊娠高血圧症候群(HDP)やSGAの妊婦さんは特にリスクが高い!
✅ WBGTは「気温+湿度+日差し+風」を考慮した体の感じる暑さの指標
✅ 暑さで体が脱水・炎症・血流低下を起こし、胎盤に悪影響が出ることがある
✅ 暑い日は室内で涼しく過ごし、水分をたっぷりとることが大切!


たろうくん
「暑い日って、ただ“つらい”だけじゃなくて、こんな大変なこともあるんだね…。ぼくも、お母さんとか妊婦さんがいたら、“涼しいところにいこう”って言ってあげるよ!」

T先生
「それはすごく優しい心がけだね✨ 妊娠中は、家族やまわりの人のサポートがとても大切なんだよ。たろうくん、ありがとう😊」