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医療コラム

T先生!糖尿病とアルツハイマー病って関係あるの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!糖尿病とアルツハイマー病って関係あるの?

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Yoon JH, Hwang J, Son SU, Choi J, You SW, Park H, Cha SY, Maeng S. How Can Insulin Resistance Cause Alzheimer’s Disease? Int J Mol Sci. 2023 Feb 9;24(4):3506. doi: 10.3390/ijms24043506. PMID: 36834911; PMCID: PMC9966425.

 

📢 T先生!糖尿病とアルツハイマー病って関係あるの? 🧠


たろうくん

「T先生!この前テレビで、アルツハイマー病と糖尿病が関係あるって見たんだけど、本当なの?甘いものを食べすぎると、頭の病気にもなっちゃうのかなって心配で…」

T先生

「たろうくん、いいところに気が付いたね!実は、アルツハイマー病と糖尿病、特に『インスリン抵抗性』という状態は、とても深い関係があることが分かってきているんだ。 あまりに特徴が似ているから、研究者の間ではアルツハイマー病のことを『3型糖尿病』と呼ぶこともあるくらいなんだよ。」

たろうくん

「えぇっ!3型糖尿病!?なんだか難しそうだけど、どういうことなのか教えて!」


🧠 脳はものすごい大食い!

T先生

「まず、僕たちの脳について知っておこう。脳は、体重のわずか2%くらいの重さしかないのに、体全体のエネルギーのなんと25%も使ってしまう、ものすごい大食いな臓器なんだ。」

たろうくん

「体重の2%しかないのに、4分の1もエネルギーを使うの!?すごい燃費が悪いんだね!😲」

T先生

「その通り!そして、脳の主なエネルギー源は『ブドウ糖(グルコース)』なんだ。 脳はブドウ糖をたくさん蓄えておけないから、常に血液から新しいブドウ糖を補給してもらう必要があるんだよ。」


🤔 インスリン抵抗性ってなんだろう?

たろうくん

「ブドウ糖を血液から取り込むのに、インスリンが関係してるんだよね?」

T先生

「その通り!インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞に取り込むための『鍵』のような働きをするホルモンだね。この鍵のおかげで、細胞はドアを開けてブドウ糖をエネルギーとして使えるんだ。」

たろうくん

「ふむふむ。じゃあ、インスリン抵抗性っていうのは…?」

T先生

「いい質問だね。インスリン抵抗性というのは、その『鍵』であるインスリンが効きにくくなってしまう状態のことなんだ。 鍵がうまく働かないから、細胞はブドウ糖を取り込めずに、血液の中にブドウ糖が溢れてしまう。これが高血糖、つまり糖尿病につながるんだ。」


 😱 脳に起こる2つの大問題!

T先生

「そして、このインスリン抵抗性が、脳に2つの大きな問題を引き起こすことが、アルツハイマー病と関係しているんだ。」

たろうくん

「2つの問題?なんだろう、ドキドキする…」

T先生

「一つ目は『脳のエネルギー不足』だよ。インスリンが効きにくくなると、脳細胞へのブドウ糖の供給が減ってしまう。 実際、アルツハイマー病の症状が出る10年以上も前から、脳のブドウ糖の利用が減っていることが分かっているんだ。」

たろうくん

「お腹が空くと力が出ないみたいに、脳もエネルギー不足で元気がなくなっちゃうんだね。」

T先生

「まさにその通り。脳がエネルギー不足になると、いくつかの悪いことが起きる。まず、アミロイドβという、アルツハイマー病の原因となる“脳のゴミ”のようなものが作られやすくなってしまうんだ。 さらに、神経細胞の骨組みを支えるタウタンパク質という大事なものが、異常に変化して骨組みを壊してしまう。」 このゴミの蓄積と骨組みの崩壊が、アルツハイマー病の大きな特徴なんだよ。

たろうくん

「うわぁ…エネルギーが足りないだけで、そんな大変なことになるんだ。」

T先生

「そして二つ目の問題は『脳でのインスリンの働きの低下』だ。脳では、インスリンはブドウ糖の取り込みだけでなく、記憶や学習を助けたり、神経細胞を守ったりする、とても重要な働きもしているんだ。」

たろうくん

「インスリンって、血糖値を下げるだけじゃないんだね!」

T先生

「そうなんだ。特に大事なのが、インスリンは“脳のゴミ”であるアミロイドβを分解してくれるお掃除酵素(インスリン分解酵素)を元気にする働きがあること。 でも、インスリン抵抗性で脳のインスリンが不足すると、このお掃除酵素の働きが弱まって、アミロイドβがどんどん脳に溜まってしまうんだ。」


✨ 予防のためにできること

たろうくん

「なるほど…。インスリンがちゃんと働くことが、脳の健康にとってもすごく大事なんだね。じゃあ、僕たちに何かできることはあるの?」

T先生

「もちろん!インスリン抵抗性は、食べ過ぎや運動不足といった生活習慣と深く関わっている。だから、バランスの良い食事を心がけたり、適度に運動したりして、インスリンが効きやすい体にしておくことが、将来のアルツハイマー病の予防にもつながる可能性があるんだ。」

たろうくん

「そっか!甘いものの食べ過ぎに気をつけたり、外で元気に遊んだりすることが、頭のためにもなるんだね!ありがとう、T先生!」


📝 まとめ!

✅ アルツハイマー病は、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」と深く関係していて、「3型糖尿病」と呼ばれることもある。

✅ インスリン抵抗性になると、脳がエネルギー不足に陥り、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβ(脳のゴミ)が作られやすくなる。

✅ 脳ではインスリンが記憶を助けるだけでなく、アミロイドβを掃除する酵素を元気にする働きもしている。

✅ インスリン抵抗性で脳のインスリンが不足すると、ゴミ掃除の機能が低下し、アミロイドβが脳に蓄積してしまう。

✅ 健康的な食事や運動を心がけてインスリンの効きを良くすることが、アルツハイマー病の予防につながるかもしれない。