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医療コラム

T先生!糖尿病の薬がアルツハイマー病にも効くの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!糖尿病の薬がアルツハイマー病にも効くの?

 

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Erichsen JM, Register TC, Sutphen C, Ma D, Gaussoin SA, Rudolph M, Rundle M, Bateman JT, Lockhart SN, Sai KKS, Whitlow C, Craft S. A phase 2A/B randomized trial of metabolic modulators intranasal insulin and empagliflozin for MCI and early AD. Alzheimers Dement. 2025 Oct;21(10):e70704. doi: 10.1002/alz.70704. PMID: 41057918; PMCID: PMC12504051.

 

📢 T先生!糖尿病の薬がアルツハイマー病にも効くの? 🧠💊


たろうくん
「T先生!この前ニュースで、糖尿病の薬がアルツハイマー病にも効くかもしれないって聞いたんだけど、本当なの?」

T先生
「おっ、いいところに気づいたね!実は最近、アメリカで42人の軽度認知障害や初期アルツハイマー病の方を対象にした研究が行われたんだ。糖尿病の薬であるエンパグリフロジンと、鼻から吸い込むインスリンを使った治療が試されたんだよ。」

たろうくん
「へぇ〜!糖尿病の薬なのに、なんでアルツハイマー病に効くの?」


🔬 研究の内容について

T先生
「この研究では、参加者を4つのグループに分けて、4週間治療を続けたんだ。1つ目はエンパグリフロジンだけのグループ、2つ目は鼻からインスリンだけのグループ、3つ目は両方を併用するグループ、そして4つ目は**偽薬(プラセボ)**のグループだよ。」

たろうくん
「4週間か。短いような気もするけど、どんな結果だったの?」

T先生
「短期間の研究だけど、とても興味深い結果が出たんだ。まず一番大事なのは、両方の薬とも安全だったということ。副作用はほとんど軽いもので、鼻の違和感が5人、酵母感染が4人いたけど、すぐに回復したんだよ。」


💊 エンパグリフロジンって何?

たろうくん
「エンパグリフロジンって、どんな薬なの?」

T先生
「これはSGLT2阻害薬という種類の糖尿病の薬でね。腎臓で糖分が再吸収されるのを防いで、尿として出してしまうことで血糖値を下げる薬なんだ。でもね、それだけじゃなくて、血管の健康を良くしたり、脳の炎症を抑えたりする効果もあることが分かってきたんだよ。」

たろうくん
「へぇ〜!血糖値を下げるだけじゃないんだね。」

T先生
「そうなんだ。この研究では1日10mgを飲んでもらったんだけど、糖尿病じゃない人でも安全に使えることが確認されたんだよ。実際、15,000人以上を対象にした別の研究でも、副作用はプラセボとほぼ同じだったんだ。」


👃 鼻から吸い込むインスリン?

たろうくん
「鼻からインスリンって、どういうこと?注射じゃないの?」

T先生
「いい質問だね!普通インスリンは注射で使うんだけど、この研究では鼻から吸い込む方法を使ったんだ。特殊な装置を使って、1日4回、食事の30分前と寝る前に、合計160IUのインスリンを鼻から吸い込んでもらったんだよ。」

たろうくん
「なんで鼻から?」

T先生
「鼻から吸い込むと、直接脳に届きやすいんだ。インスリンは脳の神経細胞を元気にしたり、血管を健康に保ったり、炎症を抑えたりする大切な役割があるんだよ。参加者の満足度も5点満点中4.6点と高くて、使いやすかったみたいだね。」


安全性の結果

T先生
「まず大事なのは安全性だね。この研究では、治療に関連した副作用がインスリングループで6件、非インスリングループで10件あったけど、統計的な差はなかったんだ。エンパグリフロジンでも同様で、7件対9件で差はなかったよ。」

たろうくん
「じゃあ、安全に使えるってことだね!」

T先生
「そうだね。すべての副作用は軽度で、完全に回復したんだ。これは、より大きな研究を行う価値があることを示しているね。」


🧠 認知機能への効果

たろうくん
「で、肝心の頭の働きには効果があったの?」

T先生
「インスリングループでは、mPACC5という認知機能を測るテストで改善が見られたんだ。インスリンを使ったグループは+0.10ポイント改善したのに対して、使わなかったグループは-0.08ポイント悪化していたんだよ。」

たろうくん
「おお!じゃあインスリンは頭の働きを良くするんだね!」

T先生
「特に記憶のテストで良い結果が出たんだ。過去の研究でも、インスリンは記憶力を改善することが分かっていたから、今回の結果も納得できるね。ただし、4週間という短い期間での結果だから、長期的な効果はまだ分からないんだよ。」


🔬 脳への具体的な効果

たろうくん
「脳の中で何が起きてるの?」

T先生
「いくつか興味深い変化が見られたよ。インスリン治療では、血液中のGFAPというタンパク質が減少したんだ。これはアストロサイトという脳の細胞が活性化しているときに増えるマーカーで、アルツハイマー病では高くなるんだけど、インスリンがそれを抑えたということなんだ。」

たろうくん
「エンパグリフロジンは?」

T先生
「エンパグリフロジンは、脳脊髄液の中のタウタンパク質を減らしたんだ。タウタンパク質はアルツハイマー病で増えて、神経細胞を傷つけるから、これが減るのはとても良いことなんだよ。」

たろうくん
「脳の画像でも変化があったの?」

T先生
「MRIで調べたところ、インスリン治療では前頭葉と頭頂葉の白質の構造が改善していたんだ。これは脳の神経線維がより健康になったことを示しているんだよ。また、両方の治療で脳の血流にも良い変化が見られたんだ。」


🔍 どうして効くの?

たろうくん
「でも、どうして糖尿病の薬が脳に効くの?」

T先生
「実はね、糖尿病とアルツハイマー病には共通点があるんだ。どちらも、インスリンの働きが悪くなること血管が傷つくこと炎症が起きることが関係しているんだよ。」

たろうくん
「へぇ〜!」

T先生
「エンパグリフロジンは、血管を健康に保ち炎症を抑え脳のエネルギー代謝を改善する働きがあるんだ。実際、糖尿病の患者さん11,000人以上を調べた研究では、SGLT2阻害薬を使っている人は認知症のリスクが42%も低かったんだよ。」

たろうくん
「インスリンは?」

T先生
「鼻からのインスリンは、脳に直接届いて、神経細胞を元気にしたり血管を保護したり炎症を抑えたりする働きがあるんだ。さらに、鼻と脳をつなぐ特別な経路を通って、免疫システムも活性化されることが最近分かってきたんだよ。」


⚠️ まだ研究段階であることに注意

たろうくん
「じゃあ、もう使えるの?」

T先生
「ちょっと待って。これはまだ初期段階の研究なんだ。参加者は42人と少なく、治療期間も4週間と短かったからね。」

たろうくん
「そっか、まだこれからなんだね。」

T先生
「そうなんだ。研究者たちも、もっと多くの人でもっと長い期間の研究が必要だと言っているよ。でも、この結果はとても希望が持てるものだから、今後の大規模な研究が期待されているんだ。」

たろうくん
「どのくらいの期間の研究が必要なの?」

T先生
「過去の研究では、12ヶ月から18ヶ月インスリンを使った研究もあって、そこでも良い結果が出ているんだ。だから、今回の良い結果を確かめるには、少なくとも半年から1年以上の研究が必要だと考えられているよ。」


🌟 今後の可能性

T先生
「この研究の素晴らしいところは、すでに使われている安全な薬で効果が見られたことなんだ。新しい薬を一から開発するより、ずっと早く患者さんに届けられる可能性があるんだよ。」

たろうくん
「それはいいね!他の治療と組み合わせることもできるの?」

T先生
「いい質問だね!実は、最近承認された抗アミロイド抗体薬という新しいアルツハイマー病の薬があるんだけど、効果が限定的で副作用もあるんだ。そこで、今回のような代謝や血管に働きかける薬を組み合わせることで、より効果的な治療ができる可能性があるんだよ。」


📝 まとめ!

糖尿病の薬エンパグリフロジンと鼻から吸うインスリンは、42人の初期アルツハイマー病患者に4週間使っても安全だった!

インスリン治療で認知機能テストの成績が改善し、脳の炎症マーカーが減少した!

エンパグリフロジンは脳のタウタンパク質を減らし、脳血管に良い影響を与えた!

両方の薬とも、脳の炎症や免疫システムに良い影響を与えることが分かった!

まだ初期段階の研究なので、より多くの人で、より長い期間の研究が必要だが、将来の治療法として期待されている!


たろうくん
「なるほど!すぐに使えるわけじゃないけど、すでにある安全な薬で効果が見られたのは大きな前進だね。これからの研究が楽しみだな!」

T先生
「その通り!特に、代謝や血管の健康を保つことがアルツハイマー病の予防や治療に大切だということが、この研究からも分かるね。普段から適度な運動バランスの良い食事を心がけることも、脳の健康にとってとても重要なんだよ。」

たろうくん
「よし!今から脳に良い生活を心がけるね。T先生、ありがとう!」 😊