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医療コラム

T先生!膝の痛みって「歩き方」で和らぐの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!膝の痛みって「歩き方」で和らぐの?

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Uhlrich SD, Mazzoli V, Silder A, Finlay AK, Kogan F, Gold GE, Delp SL, Beaupre GS, Kolesar JA. Personalised gait retraining for medial compartment knee osteoarthritis: a randomised controlled trial. Lancet Rheumatol. 2025 Oct;7(10):e708-e718. doi: 10.1016/S2665-9913(25)00151-1. Epub 2025 Aug 12. PMID: 40816302.

 

📢 T先生!膝の痛みって「歩き方」で治るの? 🦵


たろうくん

「T先生!最近、僕のおばあちゃんが『膝の内側が痛い』ってよく言ってるんだ。歩くのも辛そうで…。なんとかならないのかな?」

T先生

「そっか、おばあちゃん心配だね。それはもしかすると『変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)』かもしれないね。膝の関節にある軟骨(なんこつ)っていうクッションがすり減って、特に内側に痛みが出やすいんだ。」

たろうくん

「やっぱり。それって、お薬を飲んだり、手術したりしないとダメなの?」

T先生

「そんなことないよ。もちろんそういう治療もあるけど、最近、手術や薬に頼らない、新しい治療法のすごく興味深い研究が発表されたんだ。なんと『歩き方』を変える練習をするんだよ。」

たろうくん

「えっ、歩き方で膝の痛みが治るの!? 😮」


👟 「オーダーメイドの歩き方」って?

T先生

「そうなんだ。人によって歩く時の『つま先の向き』って違うよね。少し内股(うちまた)気味の人もいれば、がに股気味の人もいる。」

たろうくん

「確かに!僕はちょっと内股かも。」

T先生

「アメリカのスタンフォード大学で、膝の内側が痛い68人(平均年齢は64.4歳)を集めて、その人にとって一番膝に負担がかからない『つま先の角度』を探したんだ。」

たろうくん

「人によって違うんだね!」

T先生

「その通り。その人専用の『オーダーメイドの角度』(例えば、今より5度だけ外向き、とか)を決めて、モニターで自分の足の角度を見ながら正しく歩く練習(バイオフィードバックっていうよ)を、全部で6回くらい行ったんだ。」


🔬 練習したら、どうなったの?

たろうくん

「その練習、効果はあったの?」

T先生

「うん!びっくりするくらい効果があったんだ。1年間続けた結果、この練習をしたグループは、練習しなかったグループ(実際は『あなたの今の歩き方で歩いてください』っていう偽物の練習をしたんだ)と比べて、膝の痛みがすごく減ったんだよ。(専門的な数字だと -1.2ポイント の差が出たんだ)」

たろうくん

「すごい!歩き方だけで痛みが減るんだ!」

T先生

「それだけじゃないんだ。膝の内側にかかる**物理的な負担(専門用語で『膝関節内反モーメント』って言うよ)**も、ちゃんと減っていることが確認されたんだ。(こちらは -0.26%BW*H の差だね)」


膝のクッションも守れた!

たろうくん

「負担が減るってことは…もしかして、あのクッション(軟骨)も長持ちするの?」

T先生

「たろうくん、大正解! 🎯 そこが一番すごいところなんだ。特別なMRI(T1ρっていう検査)を使って、軟骨がどれくらい健康か調べたんだよ。」

たろうくん

「どうだった?どうだった?」

T先生

「練習しなかったグループは、1年で軟骨の状態が少し悪くなってしまったんだけど、ちゃんと練習したグループは、軟骨が傷んでいくスピードが明らかにゆっくりになっていたんだ!(専門的な数字で -3.74ms の差だよ)」

たろうくん

「うわー!痛みを取るだけじゃなくて、病気の進行そのものもゆっくりにできる可能性があるんだね!」

T先生

「そういうこと!手術以外の治療法として、すごく期待されているんだよ。」


⚠️ 気をつけることはある?

たろうくん

「でも、その練習、みんなができるの?途中で痛くなったりしない?」

T先生

「いいところに気がついたね。実は、練習をしたグループ34人のうち2人(約6%)は、練習が原因で逆に膝が痛くなってしまって、途中で研究をやめてしまったんだ。」

たろうくん

「そっか。やっぱり自分勝手にやっちゃダメなんだね。」

T先生

「その通り。人によって『内股にした方がいい』か『がに股にした方がいい』かは全然違う。だから、専門のお医者さんや理学療法士(りがくりょうほうし)さんにちゃんと見てもらって、自分に合った『歩き方』を見つけることがすごく大事なんだよ。」


📝 まとめ!

✅ 膝の内側が痛い「変形性膝関節症」は、「歩き方」を変える練習で良くなる可能性がある!

✅ その人に合った「つま先の角度」で歩く練習をすると、1年後に痛みが減ることがわかったよ。

✅ 痛みだけじゃなく、膝の内側にかかる「負担」そのものも減らすことができるんだ。

✅ さらに、軟骨(クッション)がすり減っていくのを遅らせる効果も期待できるよ!

✅ ただし、自己流は危険!専門家と相談して、自分に合った方法を見つけることが大切だよ。


たろうくん

「なるほどー!歩き方って本当に大事なんだね。おばあちゃんにも教えてあげよう!」

T先生

「そうだね。ぜひ、『お医者さんやリハビリの先生に、歩き方の相談もしてみたら?』って優しく伝えてあげてね。」

たろうくん

「うん!ありがとう、T先生!すごく勉強になったよ!」 😊