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医療コラム

T先生!認知症予防のためには、どのくらいの聴こえから補聴器が必要なの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!認知症予防のためには、どのくらいの聴こえから補聴器が必要なの?

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Nishiyama T, Kimizuka T, Kataoka C, Tazoe M, Sato Y, Hosoya M, Shimanuki MN, Wakabayashi T, Ueno M, Ozawa H, Oishi N. Relationship between hearing thresholds and cognitive function in hearing aid non-users and long-term users post-midlife. NPJ Aging. 2025 Feb 24;11(1):14. doi: 10.1038/s41514-025-00203-6. PMID: 39994290; PMCID: PMC11850821.

 

たろうくん
「T先生!最近おじいちゃんが耳が聞こえづらくなってきたみたいなんだ。でも補聴器を使うのを嫌がってるんだよね。難聴って認知機能に影響があるって聞いたんだけど、本当なの?」

T先生
「たろうくん、それはとても大切な質問だね!実は最近の研究で、難聴は認知機能の低下と深い関係があることがわかってきているんだよ。」

たろうくん
「へぇ〜、そうなんだ!詳しく教えてほしいな。」


🧠 難聴と認知機能の関係

T先生
「実は、難聴は中年期以降に発症する認知症の最も大きな『予防可能なリスク要因』の一つと考えられているんだ。難聴があると、脳に入ってくる音の情報が減るから、脳の活動が低下していくんだよ。」

たろうくん
「脳の活動が低下するってことは、考えたり覚えたりする力も弱くなっちゃうってこと?」

T先生
「そうなんだ。研究によると、難聴のある人は、ない人と比べて認知機能の低下が早くなることがわかっているんだよ。特に注目すべきは、38.75デシベル以上の難聴がある人は認知機能への悪影響が出やすいという研究結果もあるんだ。」


👂 補聴器の効果について

たろうくん
「じゃあ、おじいちゃんは補聴器をつけたほうがいいのかな?補聴器って効果あるの?」

T先生
「いい質問だね!最近の研究では、3年以上補聴器を使っている人は、難聴があっても認知機能への悪影響が見られなくなるという結果が出ているんだよ。長期間補聴器を使うことで、脳への音の入力が維持され、認知機能の低下を防ぐ効果があるみたいなんだ。」

たろうくん
「へぇ〜!でも、どのくらいの難聴だと補聴器が必要なの?」

T先生
「先ほども話したように、38.75デシベル以上の難聴がある場合は特に注意が必要なんだ。これは会話がやや困難になる程度の難聴だよ。研究では、この値を超える難聴があって補聴器を使用していない人は、認知機能の検査で低いスコアが出る傾向があったんだ。」


🎧 補聴器の使用時間と効果

たろうくん
「補聴器は一日中つけておく必要があるの?」

T先生
「実は、必ずしも一日中つける必要はないみたいだよ。研究では、補聴器の使用時間と認知機能の間に強い相関関係は見られなかったんだ。研究に参加した人の平均使用時間は1日約11時間だったけど、大切なのは生活の中で必要なときにしっかり使うことみたいだね。」

たろうくん
「それなら、おじいちゃんも最初は少しずつ使ってみればいいのかな?」

T先生
「そうだね!最初は短時間から始めて、徐々に慣れていくのがいいかもしれないね。補聴器に慣れるには数か月かかることもあるから、焦らず続けることが大切だよ。」


👴 中年期以降の難聴と認知症予防

T先生
「ちなみに、この研究は55歳以上の人を対象にしているよ。中年期以降に難聴対策をすることが、将来の認知症予防に重要だと考えられているんだ。」

たろうくん
「おじいちゃんは75歳だから、ちょうど研究の対象になる年齢だね!」

T先生
「そうだね。実はこの研究では、55歳から93歳までの人が参加していて、平均年齢は約75歳だったよ。ちょうどおじいちゃんの年齢と近いね。」

たろうくん
「補聴器を使うと、他にも良いことがあるの?」

T先生
「うん!補聴器を使うことで、会話がしやすくなるから社会的な交流が維持できるし、脳への刺激も増えるんだ。これらも認知機能を維持するのに大切な要素だよ。」


📞 おじいちゃんを説得するには

たろうくん
「でも、おじいちゃんが補聴器をつけたがらないのはどうしたらいいかな?」

T先生
「研究によると、難聴がある人の多くが補聴器の使用を避けたがる傾向があるんだ。この研究でも、38.75デシベル以上の難聴がある人の約**27.6%**が補聴器の使用を希望しなかったそうだよ。」

たろうくん
「そんなに多いんだね!」

T先生
「そうなんだ。でも、大切なのは難聴が認知機能に与える影響をきちんと説明することだよ。研究では、多くの人が難聴と認知機能の関係について知らなかったそうだ。おじいちゃんに、難聴を放置すると将来の認知機能に悪影響があるかもしれないこと、そして補聴器を使うことで予防できる可能性があることを優しく伝えてみるといいかもしれないね。」


📝 まとめ!

難聴は中年期以降の認知症の最も大きな予防可能なリスク要因の一つ!
38.75デシベル以上の難聴がある場合、認知機能への悪影響が出やすい!
3年以上補聴器を使用している人は、難聴があっても認知機能への悪影響が見られなくなる!
補聴器は1日中使う必要はなく、生活の中で必要なときにしっかり使うことが大切!
難聴と認知機能の関係について知ることで、補聴器使用への抵抗感が減る可能性がある!


たろうくん
「わかった!おじいちゃんに難聴と認知症の関係を教えてあげて、少しずつ補聴器に慣れてもらえるようにお願いしてみるね。ありがとう、T先生!」

T先生
「いい心がけだね、たろうくん。おじいちゃんにとって、最初は違和感があるかもしれないけど、徐々に慣れていくと聞こえがよくなって楽しいことがたくさん増えると思うよ。何か困ったことがあったらまた相談してね。」