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医療コラム

T先生!高血圧の新しい目標ってどう変わったの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!高血圧の新しい目標ってどう変わったの?

📢 T先生!高血圧の新しい目標ってどう変わったの? 💓


たろうくん
「T先生!ニュースで高血圧の新しいガイドラインが出たって聞いたけど、何が変わったの?」

T先生
「おっ、いいところに気づいたね!2025年の高血圧管理・治療ガイドライン(JSH2025)では、一番大きな変更として、降圧目標が年齢や病気に関係なく一律で130/80mmHg未満になったんだよ。」

たろうくん
「へぇ〜、お年寄りも同じなの?前は違ったんじゃなかったっけ?」


📉 75歳以上も同じ目標に!

T先生
「そう、前の2019年版では75歳以上や脳や腎臓に特別な病気がある人は140/90mmHg未満だった。でも今は75歳以上でも130/80mmHg未満を目指すようになったんだ。理由は、新しい研究で少し厳しめに下げたほうが心臓や脳の病気を防げることが分かってきたから。」

たろうくん
「でも、下げすぎるとフラフラしちゃうとかないの?」

T先生
「そこが大事なところ!ガイドラインにも症状が出ない範囲でって書いてあるよ。たとえば高齢の人は転倒リスクもあるから、薬の量や種類はその人に合わせて調整するんだ。」


💊 薬は1カ月以内にスタート!

たろうくん
「ほかに変わったことってあるの?」

T先生
「薬の始め方も早くなったよ。診断されてから生活習慣の改善だけで3カ月様子を見るケースが多かったけど、今回は1カ月以内に効果がなければ薬を始めるように勧められているんだ。」

たろうくん
「そんなに早く?」

T先生
「うん、早く始めたほうが血圧の安定が早く、将来の病気の予防につながるってデータがあるんだ。」


🧪 薬の選び方もアップデート

T先生
「薬は大きく3つのグループ(G1〜G3)に分けられたよ。最初に使うのはG1っていうグループで、

  • Ca拮抗薬

  • ARBやACE阻害薬

  • 少量の利尿薬

  • β遮断薬

この4つがメイン。特に利尿薬やβ遮断薬はもっと積極的に使おうってなったんだ。」

たろうくん
「なんで積極的に?」

T先生
「心臓に負担がかかっている人や、体に水分がたまりやすい人には効果的なんだけど、日本ではあまり使われてなかったんだ。今回の改訂で見直されたんだよ。」


🥗 お薬だけじゃない!「自分で管理」が新常識

T先生
そしてもう一つ、とても大事なことがあるんだ。ガイドラインの名前が、前の『高血圧治療ガイドライン』から、新しい『高血圧管理・治療ガイドライン』に変わったんだ。

たろうくん
「『管理』って言葉が増えたんだね。どういう意味があるの?」

T先生

「これはね、『お医者さんにお薬をもらって治療はお任せ』という考え方から、『患者さん自身が主役になって、日々の生活から血圧を良くしていく(管理していく)』という考え方が、もっともっと大事だよ、という意味が込められているんだ。

たろうくん

「自分の体だもんね!自分で頑張ることも大切なんだ!」

T先生
「例えば、

  • 塩分は1日6g未満

  • BMIは25未満

  • 毎日30分くらいの運動

  • お酒は控えめ(男性20〜30mLエタノール、女性はその半分)

  • 禁煙

  • 睡眠やストレス管理

あと、最近はスマホアプリやデジタル機器で記録すると効果的ってことも書いてあるよ。」

たろうくん
「なんだか、薬だけじゃなくて“チーム戦”って感じだね!」

T先生
「そう、その通り!患者さんも医療者も一緒にゴールを目指すことが大事なんだ。」


📝 まとめ!

降圧目標は全員一律で130/80mmHg未満に統一
診断後1カ月以内に薬物治療を検討、早期にステップアップ
利尿薬・β遮断薬の積極的な活用を推奨
生活習慣の改善(減塩・運動・禁煙など)が治療の土台
デジタル技術も活用して血圧を「管理」する時代へ


たろうくん
「なるほど!新しいガイドラインは早く動くのと、ちゃんとみんなで管理するってことがポイントなんだね!」

T先生
「そうだね。血圧は“静かな爆弾”みたいなものだから、早く見つけて、早くコントロールするのが未来の健康への投資だよ。」