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医療コラム

T先生!GLP-1のお薬って炎症も抑えてくれるの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!GLP-1のお薬って炎症も抑えてくれるの?

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Wong CK, Drucker DJ. Antiinflammatory actions of glucagon-like peptide-1-based therapies beyond metabolic benefits. J Clin Invest. 2025 Nov 3;135(21):e194751. doi: 10.1172/JCI194751. PMID: 41178710; PMCID: PMC12578379.

 

📢 T先生!GLP-1のお薬って炎症も抑えてくれるの? 💊✨


たろうくん
「T先生!最近、GLP-1受容体作動薬っていうお薬が糖尿病や肥満の治療に使われてるって聞いたんだけど、それって体重を減らすだけじゃないんだって?」

T先生
「よく知ってるね、たろうくん!実はね、GLP-1のお薬は体の中の炎症を抑える働きもあることが、最近の研究でわかってきたんだよ。」

たろうくん
「炎症を抑える?それって、どういうこと?」


🔥 炎症ってなに?GLP-1薬の新しい働き

T先生
「炎症っていうのは、体が病気やケガと戦っているときに起こる反応なんだ。でも、慢性的な炎症、つまり長く続く炎症は、心臓病や腎臓病、肝臓病などいろいろな病気の原因になってしまうんだよ。」

たろうくん
「へぇ〜!じゃあ、その炎症を抑えられたら、いろんな病気を防げるってこと?」

T先生
「その通り!GLP-1薬は、セマグルチドチルゼパチドリラグルチドといった種類があるんだけど、これらはC反応性蛋白(CRP)という炎症マーカーを20〜60%も下げることがわかっているんだ。」


💪 体重が減らなくても効果がある!

たろうくん
「でも、体重が減るから炎症も減るんじゃないの?」

T先生
「いい質問だね!実はね、体重減少とは別の仕組みでも炎症を抑えることがわかってきたんだ。」

たろうくん
「えっ、どういうこと?」

T先生
「例えば、マウスの実験で、1回だけGLP-1薬を注射したところ、数時間以内にTNF-αという炎症を起こす物質が減ったんだ。体重が減る前に効果が出ているから、体重減少以外の仕組みで炎症を抑えていることがわかるよね。」

たろうくん
「すごい!じゃあ、具体的にどんな仕組みなの?」

T先生
「GLP-1薬は、免疫細胞に直接働きかける方法と、脳を通じて間接的に働く方法の2つがあるんだ。特に、脳の神経細胞にあるGLP-1受容体を刺激すると、全身の炎症が抑えられることが研究でわかってきたんだよ。」


🫀 心臓、肝臓、腎臓…いろんな場所で働く!

たろうくん
「GLP-1薬って、体のどこで働いてるの?」

T先生
「実は、心臓、肝臓、腎臓、関節、腸など、いろんな場所で炎症を抑える効果があるんだ。」

たろうくん
「へぇ〜!具体的にどんな効果があるの?」

T先生
「例えば、心臓では、動脈硬化を抑えて心筋梗塞のリスクを減らす効果があるんだ。セマグルチドの臨床試験では、心血管イベントが24%も減少したという結果が出ているよ。」

たろうくん
「24%も!すごいね!」

T先生
「それから、肝臓では、脂肪肝炎(MASH)の改善効果が確認されていて、セマグルチドを使った試験では、63%の人で炎症が改善したんだ。プラセボ群では34%だったから、明らかに効果があるよね。」

たろうくん
「腎臓はどう?」

T先生
腎臓病でも効果があって、FLOWという大規模な臨床試験では、セマグルチドを使うことで腎臓病の進行リスクが24%減少したんだよ。4年間の追跡調査の結果なんだ。」


🦴 関節炎にも効果がある!

たろうくん
「関節炎にも効くって本当?」

T先生
「本当だよ!変形性関節症という膝の痛みを伴う病気で、セマグルチドを68週間使用したところ、痛みのスコアが41.7ポイント改善したんだ。プラセボ群では27.5ポイントだったから、かなり大きな違いだよね。」

たろうくん
「それって、体重が減ったから膝への負担が減ったんじゃないの?」

T先生
「それもあるけど、動物実験では、関節に直接GLP-1薬を注射しても炎症が抑えられることがわかっているから、体重減少以外の効果もあると考えられているんだ。」


🧠 脳や肺でも研究が進んでいる

T先生
「他にも、パーキンソン病やアルツハイマー病などの脳の病気、睡眠時無呼吸症候群などでも効果が研究されているんだよ。」

たろうくん
「へぇ〜!いろんな病気に効くんだね。」

T先生
「そうなんだ。例えば、睡眠時無呼吸症候群の治療では、チルゼパチドを52週間使用したところ、無呼吸の回数が25〜29%も減少したという結果が出ているよ。」


📝 まとめ!

GLP-1薬は、体重減少とは独立して炎症を抑える効果がある!
C反応性蛋白(CRP)などの炎症マーカーを20〜60%低下させる!
心臓、肝臓、腎臓、関節、腸など、多くの臓器で抗炎症作用が確認されている!
免疫細胞への直接作用と、脳を介した間接作用の2つの仕組みがある!
心血管イベント24%減少、腎臓病進行24%抑制など、臨床試験で実証されている!


たろうくん
「GLP-1のお薬って、体重を減らすだけじゃなくて、体の中の炎症も抑えてくれるんだね!いろんな病気の予防や治療に役立ちそう!」

T先生
「その通り!これからも、GLP-1薬がどんな病気に効くのか、どんな仕組みで働いているのか、研究が進んでいくと思うよ。医療の未来がますます楽しみだね!」

たろうくん
「うん!ありがとう、T先生!」😊