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健康診断の数値異常を指摘された方へ

健診結果の数値異常を指摘された方へ

健康診断の目的・結果を理解し健康維持のために有効活用しましょう

「健康診断で良くない結果が出てしまった」「基準を超える検査値がいくつかあった」等で病院の受診や治療を進められると、不安になってしまいますよね。
しかし、健康診断は病気の早期発見と予防が目的であり、異常を早期に発見し適切に対処することで、重篤化を防ぐことが可能です。

つじファミリークリニックでは、健康診断の結果を丁寧にわかりやすく説明し、必要に応じて専門的な検査や治療へとスムーズにつなげるサポート体制を整えています。
健診結果に不安を抱えたまま放置せず、医療機関を受診し、医師のサポートを受けることで、より安心できる健康管理を実現することができます。

脂質(コレステロール値)が高い 血液検査結果の異常
(赤血球・白血球・血小板)
血圧が高い・低い 腎機能の低下・腎不全
血糖値や糖代謝の異常
糖尿病の疑い
尿たんぱくが多い
血が混ざっている
(尿蛋白・尿潜血)
肝機能の障害・異常値 便に血が混ざっている(便潜血)

健康診断の結果の種類と見方

健康診断の結果はいくつかの段階に分かれています。それぞれの判定基準や内容を正しく理解し、ご自身の健康状態がどの段階にあるのかきちんと把握することが大切です。
必要に応じて医療機関を受診し、重篤な病気を予防しましょう。

異常なし(A判定)

現在の健康状態に問題がなく安心して生活できる状態です。今後もこの状態を維持するために、バランスの取れた食事・適度な運動・規則正しい生活を心がけましょう。

軽度異常(B判定)

すぐに治療が必要な状態ではありません。ただし、生活習慣の見直しは必要です。バランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠を心がけることで、健康状態を改善させることができます。

要経過観察(C判定)

生活習慣の見直し・医師の指導に基づく定期的な健康管理が必要な状態です。食生活や運動習慣の見直しを行い、定期的に再検査を受けることをおすすめします。

要精密検査(D判定)

自覚症状がない場合でも、重大な疾患が見つかる可能性もあるため、速やかに再検査を受けましょう。

要治療(E判定)

既に病気が進行している可能性があり、専門医による診察・治療が必要な状態です。放置すると命に係わる合併症に繋がる場合もあります。

健康診断の判定基準についてご理解いただけましたでしょうか。
ここからは、具体的にそれぞれの検査項目と結果の見方についてみていきましょう。

脂質(コレステロール値)が高い

コレステロール値が正常値より高い場合「脂質異常症」と診断されます。
脂質異常症を放置すると、心血管疾患のリスクが高まる可能性があります。

脂質(コレステロール)の検査項目と正常値

正常値

総コレステロール

140-199mg/dL

LDLコレステロール

60-119mg/dL

HDLコレステロール

40mg/dL

中性脂肪(TG)

30-149mg/dL

脂質異常症は自覚症状がありません。LDLコレステロールの増加に伴い、静かに動脈硬化が進行し、気づかないうちに脳や心臓の重大な疾患に繋がる可能性があります。 つじファミリークリニックでは生活指導や西洋薬による治療に加えて、漢方薬も併用した肥満改善も行っております。気になることがある場合は、お気軽にご相談ください。

血圧が高い(高血圧)・低い(低血圧)

血圧が高すぎる・低すぎる状態が続くと、命に係わる疾患を引き起こす可能性があります。

血圧の正常値

正常値

収縮期(最大) 129mmHg以下
拡張期(最小) 84mmHg以下

高血圧

常に血圧が高い状態が続くと、血管には絶えず大きな負担がかかってしまいます。血管に負担がかかると、動脈硬化を起こしやすくなり、脳出血・脳梗塞、心筋梗塞の発症リスクが高まります。ただし、高血圧は1度の計測のみでは診断が難しいため、高血圧かどうかを判断するためには、家庭内や医療機関で定期的に計測する必要があります。

低血圧

低血圧の場合、甲状腺機能低下症・副腎不全・糖尿病・パーキンソン病等の疾患が隠れている可能性があります。また、めまいやふらつき等で日常生活に支障がある場合は、お早めに医療機関を受診しましょう。

血糖値や糖代謝の異常・糖尿病の疑い

血糖値や糖代謝が正常範囲外の数値の場合、糖尿病だけでなく様々な病気のリスク要因となります。

血糖値・糖代謝の正常値

正常値

空腹時血糖(BS、BG、Glu) 99mmHg以下
HbAlc 5.5%以下

血糖値が高い・糖代謝に異常がある場合、自覚症状がなくても糖尿病になりかけているまたは既に糖尿病になっている可能性があります。 当院では、健康診断の結果だけでなく普段の食生活や運動習慣も考慮して、その人に合ったアドバイスや治療プランをご提案いたします。お気軽にご相談ください。

肝機能の障害・肝機能の異常

肝機能障害は健康診断で指摘されることが比較的多いですが、肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれており、異常が進行するまで症状が現れにくいです。 「過剰な飲酒」だけに留まらない原因や疾患がある可能性もあるため、症状が現れる前に治療を受けましょう。

肝機能の検査項目と正常値

正常値

AST(GOT) 30U/L以下
ALT(GPT) 30U/L以下
γ-GPT 50U/L以下

肝機能検査の結果に異常がある場合、以下のような病気が疑われます。

  • ALTよりASTが高値:急性肝炎、アルコール性肝炎 等
  • ASTよりALTが高値:肝硬変 慢性肝炎、脂肪肝 等
  • ASTのみ高値:心筋梗塞、多発性筋炎、溶血性貧血 等

早期治療や生活習慣の改善によって、大きな病気へと繋がることを防ぐことができるため、気になることや不安なことがある場合はお気軽にご相談ください。

血液検査の異常(赤血球・白血球・血小板)

血液は私たちの体全体を巡っています。貧血や血球異常は、体内の酸素の運搬や免疫機能に関係するため、血液の異常は体全体の不調に繋がります。

貧血

貧血の指標

正常値

ヘモグロビン(Hb) 男性:13.1-16.3g/dL
女性:12.1-14.5g/dL

貧血には、栄養不足による貧血・病気による貧血・出血による貧血・免疫の異常による貧血等、様々な原因があります。「貧血くらい」と症状を放置していると、重大な病気を見逃してしまう可能性があるため、自覚症状に乏しい場合でも数値に異常があれば、早期に医師の診察を受けましょう。

貧血以外の血液異常

血球数の正常値

正常値

白血球数 3100-8900/μL
血小板数 14.5-32.9万/μL

白血球数や血小板数が正常範囲外の場合、体内で何らかの疾患が進行している可能性があります。白血球数が多い場合、細菌感染や骨髄の病気が疑われます。また、血小板数が多い場合、血栓ができやすくなるため、脳梗塞や心筋梗塞などのリスク要因となります。 症状がない場合でもお早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。

腎機能の低下・腎不全

腎臓の機能が低下すると体内に老廃物が溜まり、体内の環境を維持することが難しくなります。そのため、食欲不振や全身倦怠感といった症状が出てきます。腎機能障害は一度進行すると元にはもどらないため、特に早めの対応が重要です。

腎機能の主な検査項目と正常値

正常値

血性クレアチニン 男性:1.0mg/dL以下
女性:0.7mg/dL以下
eGFR 60以上

腎機能障害が進行すると人工透析や腎移植が必要になります。軽度の腎機能障害でも、さまざまな病気を引き起こすリスクがあるため、定期的に検査を受け正しい対応をすることが必要です。気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。

尿たんぱくが多い・血が混ざっている(尿蛋白・尿潜血)

尿に血が混じる・尿潜血陽性

尿潜血とは、尿の中に微量の血液が混ざっている状態のことをいいます。血液が混ざっていると言っても、目視での確認が難しいため健康診断の尿検査で指摘されることが多いです。

尿潜血陽性で疑われる病気

  • 結石
  • 悪性腫瘍(膀胱がんなど)
  • 膀胱炎
  • 腎臓の病気

尿にたんぱくが混じる・尿蛋白陽性

尿蛋白とは、腎臓が正常に機能していない場合に、尿中に大量に蛋白が排出される状態を指します。尿蛋白が陽性の場合、腎臓系の疾患が疑われます。

尿蛋白陽性で疑われる病気

  • 糖尿病性腎症
  • 腎炎
  • ネフローゼ症候群

尿潜血・尿蛋白のいずれの異常も体からの重要なサインです。「検査結果が心配」「再検査が必要と言われた」など、不安を感じる場合はお気軽にご相談ください。

便に血が混ざっている(便潜血)

便に血が混ざっている、いわゆる便潜血が陽性の場合、痔による出血の可能性もありますが、重篤な病気のサインかもしれません。

便潜血で疑われる病気

  • 痔(いぼ痔、切れ痔)
  • 大腸ポリープ
  • 潰よう性大腸炎
  • 大腸がん
  • 大腸憩室症
  • 虚血性大腸炎

健康診断で便潜血が陽性となった場合、早めに再検査・治療等の対応することが健康を維持する上で大切です。つじファミリークリニックでは、診断結果の確認から患者様への聞き取りを通して、適切な治療や医療機関への紹介を行います。(※当院での内視鏡検査はおこなっておりません)