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医療コラム

T先生!腎臓を守る薬について教えて!|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!腎臓を守る薬について教えて!

 

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Neuen BL, Fletcher RA, Anker SD, Bhatt DL, Butler J, Cherney DZI, Docherty KF, Inzucchi SE, Jardine MJ, Mahaffey KW, McCausland FR, McGuire DK, McMurray JJV, Neal B, Packer M, Patel SM, Perkovic V, Sabatine MS, Sardell RJ, Solomon SD, Vaduganathan M, Wanner C, Wheeler DC, Zannad F, Haynes R, Staplin N, Herrington WG, Heerspink HJL; SGLT2 Inhibitor Meta-Analysis Cardio-Renal Trialists’ Consortium (SMART-C). SGLT2 Inhibitors and Kidney Outcomes by Glomerular Filtration Rate and Albuminuria: A Meta-Analysis. JAMA. 2025 Nov 7:e2520834. doi: 10.1001/jama.2025.20834. Epub ahead of print. PMID: 41203232; PMCID: PMC12595549.

 

📢 T先生!腎臓を守る薬について教えて! 💊


たろうくん
「T先生!最近『SGLT2阻害薬』っていう薬が、腎臓の病気を防ぐのにすごく効果があるって聞いたんだけど、本当なの?」

T先生
「よく知ってるね!その通りだよ。最近発表された大規模な研究で、SGLT2阻害薬が腎臓の機能がどんな状態でも、慢性腎臓病(CKD)の進行を抑えられることがわかったんだ。」

たろうくん
「へぇ〜!でも、SGLT2阻害薬って何?それに、CKDってどんな病気なの?」


🏥 慢性腎臓病(CKD)ってどんな病気?

T先生
「まず、CKDについて説明するね。腎臓は体の中の老廃物や余分な水分をおしっことして外に出してくれる大事な臓器なんだけど、この腎臓の働きが弱くなってしまう病気がCKDなんだ。」

たろうくん
「腎臓の働きが弱くなると、どうなっちゃうの?」

T先生
「体に悪いものがたまってしまって、最終的には腎不全といって、人工透析が必要になることもあるんだよ。だから、腎臓の働きを守ることはとても大事なんだ。」


💊 SGLT2阻害薬ってどんな薬?

T先生
「SGLT2阻害薬は、もともと糖尿病の治療薬として使われてきた薬なんだ。カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジンっていう名前の薬があるよ。」

たろうくん
「糖尿病の薬なのに、腎臓にも効くの?」

T先生
「そうなんだ!この薬は余分な糖分を尿と一緒に外に出す働きがあるんだけど、それが腎臓を守る効果もあることがわかってきたんだよ。」


🔬 すごく大規模な研究で証明されたんだよ!

T先生
「今回の研究は、10個の大きな臨床試験を集めて分析したメタ解析っていう方法で行われたんだ。合計で7万361人もの患者さんのデータを調べたんだよ。」

たろうくん
「7万人以上!?それはすごい人数だね!」

T先生
「うん!平均年齢は64.8歳で、女性が35%含まれていたよ。これだけ多くの人を調べたから、結果がとても信頼できるんだ。」


📊 どれくらい効果があったの?

T先生
「結果はとても良かったよ!SGLT2阻害薬を飲んだグループは、CKDが悪化するリスクが38%も減ったんだ。」

たろうくん
「38%も!?それってすごくない?」

T先生
「具体的に言うと、1,000人の患者さんを1年間観察した場合、プラセボ(偽薬)を飲んだグループでは40.3人がCKDが悪化したのに対して、SGLT2阻害薬を飲んだグループでは25.4人しか悪化しなかったんだ。」

たろうくん
「じゃあ、約15人くらいの人がCKDの悪化を防げたってこと?」

T先生
「その通り!すごいよね。」


🌟 どんな腎臓の状態でも効果があるの?

T先生
「ここが今回の研究の一番大事なポイントなんだ!実は、腎臓の機能がどんな段階でも効果があったんだよ。」

たろうくん
「どういうこと?」

T先生
「腎臓の働きはeGFRっていう数値で測るんだけど、この数値が高い人(腎臓が比較的元気な人)でも、低い人(腎臓の働きがかなり弱っている人)でも、みんなに効果があったんだ。」

たろうくん
「へぇ〜!腎臓がかなり悪くなっている人にも効くんだね!」

T先生
「そうなんだ!eGFRが30未満っていう、かなり腎臓の機能が落ちているステージ4のCKD患者さんにも、29%のリスク減少効果があったよ。」


💧 尿のタンパク質の量も関係ないの?

T先生
「もう一つ重要なのが、尿中のアルブミン(タンパク質)の量によっても効果が変わらなかったことなんだ。」

たろうくん
「尿にタンパク質が出るってどういうこと?」

T先生
「腎臓が弱ると、本来は体に必要なタンパク質が尿に漏れ出てしまうんだ。この量が多いほど、腎臓の状態が悪いっていうサインなんだよ。」

たろうくん
「なるほど!でも、その量が多くても少なくても、この薬は効いたんだね?」

T先生
「その通り!微量アルブミン尿といって、ほんの少ししかタンパク質が出ていない人にも、たくさん出ている人にも、どちらにも効果があったんだ。」


🛡️ 腎不全になるのも防げるの?

T先生
「うん!この研究では、腎不全になるリスクも34%減ったという結果が出ているよ。」

たろうくん
「腎不全になっちゃうと、人工透析っていうのをしないといけないんだよね?」

T先生
「よく知ってるね!腎不全になると、週に何回も病院に通って、何時間もかけて血液をきれいにする治療(透析)が必要になることが多いんだ。だから、腎不全を防ぐことができるのはすごく大きな意味があるんだよ。」


🌱 腎臓の機能低下スピードも遅くなる!

T先生
「それから、SGLT2阻害薬は腎臓の機能が落ちていくスピードを遅くする効果もあることがわかったんだ。」

たろうくん
「それって、腎臓が長持ちするってこと?」

T先生
「まさにその通り!eGFRの年間低下率が改善されたから、腎臓の働きをより長く保つことができるんだ。」


📝 まとめ!

SGLT2阻害薬は、腎臓の機能がどの段階でも、CKDの進行を38%抑える!
尿中のタンパク質の量に関係なく、すべての患者さんに効果がある!
腎不全になるリスクを34%減らし、透析が必要になるのを防ぐ可能性がある!
腎臓の機能が落ちていくスピードを遅くして、腎臓を長持ちさせる!
7万人以上の大規模研究で証明された、信頼性の高い結果!


たろうくん
「すごいね!腎臓の状態がどんな段階でも、この薬が効くなんて!じゃあ、腎臓が悪くなり始めた人は、早めにこの薬を使った方がいいってことだね?」

T先生
「そうだね!この研究結果は、2型糖尿病やCKD、心不全の患者さんに、腎臓の機能のどの段階でもSGLT2阻害薬を使うことを支持する内容なんだ。もちろん、薬を使うかどうかは、主治医の先生とよく相談して決めることが大事だよ。」

たろうくん
「わかった!腎臓を守るって本当に大事なんだね。ありがとう、T先生!」 😊