T先生!赤い光で脳のダメージが防げるって本当?
- 2026年3月2日
- 認知症,教えて!T先生,最近の研究,男性の健康,東洋医学・代替医療,エイジング・ケア、予防医学,よくある症状とお悩み,脳・神経
📢 T先生!赤い光で脳のダメージが防げるって本当? 🧠
たろうくん
「T先生!アメフトの選手って頭をぶつけすぎると脳がおかしくなっちゃうんでしょ?それが赤い光で防げるって聞いたんだけど、本当なの?」
T先生
「いい質問だね、たろうくん!実はね、2026年1月に医学誌『Journal of Neurotrauma』に発表された論文で、まさにそのことが報告されたんだよ。僕もこの論文を読んで思わず声が出るほどびっくりしたよ!」
🧠 まずは2つのキーワードをおさえよう!
たろうくん
「赤い光の治療って何?それと、頭をぶつけると起きる病気ってどんなの?」
T先生
「順番に説明するね。まずレッドライトセラピーっていうのは、近赤外光(Near Infrared=NIR)という特殊な光を体に当てる施術なんだ。今回の研究では波長810nmの光が使われているよ。医学の世界ではフォトバイオモジュレーション(PBM)と呼ばれていて、エステなんかで肌を若返らせるために使われることもあるんだけど、正直なところ、“本当に効くの?”って疑問視されることも多い民間療法だったんだよ。」
たろうくん
「ふーん、ちょっと怪しい感じなんだね 😅」
T先生
「そうだね(笑)。それからもう一つの慢性外傷性脳症(CTE)は、アメフトやサッカーみたいなコンタクトスポーツで頭に繰り返し衝撃を受けることで起きる、とても怖い脳の病気なんだ。認知症になったり、人格が変わってしまったりするんだよ。」
たろうくん
「えっ、そんなに怖いの!?」
T先生
「うん。オバマ大統領が『自分に息子がいたら、フットボールの選手にはさせない』と言ったぐらいだよ。しかも、有効な治療法がないから、なりたくなければ最初からコンタクトスポーツを避けるしかなかったんだ。」
🔬 どんな研究だったの?
T先生
「この研究では、26人の大学アメフト選手を2つのグループに分けたんだ。」
たろうくん
「どう分けたの?」
T先生
「13人には、16週間のシーズンを通して週3回、1回20分間、近赤外光を出すヘッドセットをかぶってもらったんだ。このヘッドセットには4つのLEDが付いていて、脳の重要なネットワーク(デフォルトモードネットワーク)に光を当てるようになっているんだよ。残りの13人には、まったく同じ形のヘッドセットだけど光が出ないものをかぶってもらったよ。いわゆるプラセボ(偽薬)群だね。」
たろうくん
「選手たちはどっちが本物かわからないってこと?」
T先生
「そのとおり!これを二重盲検試験と言って、研究としてはとても信頼性の高い方法なんだよ。」
📊 驚きの結果!
T先生
「シーズンの前後で全員の脳の拡散MRIを撮ったんだけど、結果がすごかったんだ。この検査では、RDIという神経炎症のマーカーと、QAという軸索(神経の配線)の変化を示すマーカーを測定したんだよ。」
たろうくん
「どうなったの?」
T先生
「まず、光を出さないヘッドセットをかぶっていた13人は、シーズン前と比べて脳全体で神経炎症マーカー(RDI)が有意に上昇していたんだ。シーズン中に何度も頭に衝撃を受けた結果だね。」
たろうくん
「やっぱりコンタクトスポーツは脳にダメージがあるんだね…😰」
T先生
「そうなんだ。でもここからがすごいよ!PBMを受けた13人は、神経炎症マーカーが全体として安定していたんだ!一部の領域では統計的に有意ではないわずかな増加もあったけど、脳の広い範囲で炎症から保護されていたんだよ。さらに一部の領域では、むしろ炎症マーカーが減少していたんだ!」
たろうくん
「えーっ!赤い光だけでそんなことが起こるの!? 😲」
💡 なぜ赤い光で脳が守られるの?
T先生
「いい疑問だね。実は、じゅうぶんな強さの赤い光は頭蓋骨を通り抜けて脳の表面に届くんだよ。」
たろうくん
「骨を通り抜けるの!?」
T先生
「そう!そして脳の細胞に届いた光が、細胞の中にあるミトコンドリアという”発電所“のシトクロムcオキシダーゼという酵素を活性化して、ATP(エネルギー)の産生を高めるんだ。さらに血流を促進して、炎症を引き起こすサイトカインなどの物質を調整し、酸化ストレスを減らすことで脳を守ってくれるというメカニズムなんだよ。」
たろうくん
「ミトコンドリアって、理科の教科書で見たことある!あれが赤い光で元気になるんだね! ⚡」
🔮 これからどうなるの?
T先生
「この研究チームは今、アメリカ国防総省(Department of Defense)から資金をもらって、もっと大きな研究を始めているよ。外傷性脳損傷や脳震盪で症状が続いている300人を対象にした臨床試験なんだ。」
たろうくん
「国防総省ってことは、軍隊の人も頭をぶつけることが多いのかな?」
T先生
「その通り!兵士は訓練や実戦で爆風や衝撃を受けることがあるからね。軍もこの研究にとても注目しているんだよ。300人規模の試験で効果が確認されたら、たくさんの人が救われるかもしれないね。」
📝 まとめ!
✅ PBM(810nm近赤外光)は頭蓋骨を通過し、ミトコンドリアを活性化して神経炎症を抑制する
✅ 大学アメフト選手26人の二重盲検試験で、週3回・20分の使用で脳の炎症マーカー増加を防いだ
✅ プラセボ群は脳全体で神経炎症マーカーが悪化、治療群は広い範囲で安定〜一部減少
✅ 現在、米国国防総省の支援で300人規模の大規模臨床試験が進行中(Health Day報道)
✅ まだ小規模な予備的研究だが、CTEに治療法がなかった中で画期的な可能性を示唆
たろうくん
「赤い光で脳が守れるなんて、SF映画みたいだね!もっと研究が進むといいな!」 😊
T先生
「本当にそうだね!ただ、まだ研究は26人の小規模な試験の段階で、論文でも『予備的で仮説生成的な結果』と書かれているんだ。今後の大規模試験の結果を待つ必要があるよ。でも、これまで治療法がなかったCTEに一筋の光が見えたのは、本当に素晴らしいことだね!」 🌟
📚 参考文献
Lindsey HM, Esopenko C, Jain D, et al. Transcranial Photobiomodulation Promotes Neurological Resilience in Current Collegiate American Football Players Exposed to Repetitive Head Acceleration Events. Journal of Neurotrauma. 2026. doi: 10.1177/08977151251403554.