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医療コラム

T先生!熱中症が怖くて水を飲むと、夜中に何度もトイレに起きるんだけど?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!熱中症が怖くて水を飲むと、夜中に何度もトイレに起きるんだけど?

📢 T先生!熱中症が怖くて水を飲むと、夜中に何度もトイレに起きるんだけど? 🚻

(下記の診療ガイドライン・一次情報を元に一部AIを用いて作成しました)
出典: 日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会 編『夜間頻尿診療ガイドライン[第2版]』同[第2版]修正・追加2024総務省消防庁 熱中症による救急搬送状況(令和8年 速報値)厚生労働省 令和6年「国民健康・栄養調査」の結果

この記事のまとめ
夜中のトイレを減らしたいなら、減らすのは「水」ではなく「塩」です。
塩分を1日9.2g以上とっている人は、夜間頻尿になりやすいことが診療ガイドラインに書かれています。
熱中症予防の水分は続けたまま、夕食の塩分と寝る前1時間の飲み物を見直すのが正解です。


たろうくん
「T先生!おばあちゃんがね、『熱中症になるから水を飲みなさい』って言われるのに、飲むと夜中に3回もトイレに起きちゃうんだって。どっちを我慢すればいいの?」

T先生
「うん、それはこの季節、診察室でいちばん多く聞く困りごとかもしれないね。でもね、どっちも我慢しなくていいんだよ。実は多くの人が、減らす場所を間違えているんだ。」

たろうくん
「え、間違えてる?」

T先生
「そう。減らすべきなのは『水』じゃなくて、『塩』なんだ。


🥵 まず、水を減らすのがいちばん危ない

T先生
「今年の夏の数字を見てみようか。」

🚑 熱中症の救急搬送(2026年7月20日〜26日の1週間)
・全国で 18,591人 が運ばれた
・年齢別では 高齢者が57.9%
・発生場所別では 住居(家の中)が最多で約41%
(総務省消防庁 速報値)

たろうくん
「えっ、家の中がいちばん多いの!?外で作業してる人じゃないんだ!」

T先生
「そうなんだよ。運ばれた人の6割近くが高齢者で、発生場所は住居がいちばん多い。この2つは別々の集計だから『家にいる高齢者がいちばん多い』と言い切ることはできないけれど、どちらも見過ごせない数字だよね。だからね、夜のトイレが嫌だからといって夕方から水を飲まないでいると、いちばん危ない選択になってしまうんだ。」


🧂 犯人は「水」ではなく「塩」だった

T先生
「でもね、ここがとても大事なところなんだけど——夜のトイレの回数は、塩と深く関係していることが分かっているんだ。」

🧂 診療ガイドラインに書かれていること
・推定の塩分摂取量が 1日9.2g以上 の人は、それ未満の人に比べて 夜のトイレの回数・夜の尿の量が、はっきり多かった
・統計で他の条件をそろえても、9.2g以上の塩分は夜間頻尿の「独立したリスク因子のひとつ」だった
(夜間頻尿診療ガイドライン[第2版])

たろうくん
「9.2グラムって、多いの?少ないの?」

T先生
「いい質問だね。日本人の平均は、男性で1日10.5g、女性で8.9g(全体では9.6g)なんだ。」

たろうくん
「えっ!じゃあ男の人は、普通に食べてるだけでもう超えちゃってるってこと!?」

T先生
「そうなんだ。男性の平均は9.2gを超えているね。女性の平均は8.9gだから少しだけ下だけれど、血圧のためにすすめられている目標は1日6g未満だから、男女とも目標からは大きく離れているんだよ。塩をたくさんとると、体はそれを薄めて外に出そうとして、夜のあいだに尿がどんどん作られる。だから水を減らしても、塩がそのままなら夜のトイレは減らないんだ。」


🦴 夜中のトイレは「転ぶリスク」でもある

T先生
「そしてね、これは年のせいだから仕方ない、で済ませてほしくない理由があるんだ。」

🦴 国内の70歳以上を追いかけた研究(ガイドライン掲載)
夜のトイレが 2回以上 の人は、1回以下の人に比べて…
・すべての骨折のリスクが 2.01倍
・転んでの骨折のリスクが 2.2倍

たろうくん
「2倍!?ただトイレに行くだけなのに!」

T先生
「暗い中を、寝ぼけたまま歩くからね。75歳以上では、事故による死亡の70%が転倒によるものという報告もあるんだ。だから僕たち医師は、夜のトイレの回数を『生活の困りごと』であると同時に、骨折を防ぐための大事なサインとして聞いているんだよ。」


💡 今夜からできる4つのこと

T先生
「ガイドラインで実際に試されている方法を、そのまま紹介するね。」

📌 夜のトイレを減らす行動のコツ
1️⃣ 1日の水分は1.5〜2.0Lを目安に(減らすのではなく”適正化”する)
2️⃣ 寝る前1時間は飲まない(日中にしっかり前倒しで飲む)
3️⃣ 寝る直前のお酒を減らす
4️⃣ カフェインの入った飲み物(コーヒー・緑茶)を控える

たろうくん
「水を減らすんじゃなくて、飲む時間をずらすんだね!」

T先生
「そういうこと。しかもね、この方法を試した研究では、脱水などの困った出来事は起きていないとガイドラインにはっきり書かれているんだ。だから安心して試していい。日中にしっかり飲んで、夜にずらさない——これが夏の正解だよ。」


🏥 こんな時は相談してほしい

T先生
「ただし、正直に言っておくね。塩を減らすと夜のトイレが減る、という研究はまだ2つしかなくて、証拠としては強くないんだ。それに『夜のトイレが多いと寿命が縮む』とまでは言えない——死亡率が上がるという報告もあれば、関係しないという報告もあって、結論は一致していないんだよ。ガイドラインの疫学の章にも『死亡との関係は明らかではない』と書かれているんだ。」

たろうくん
「へぇ、ちゃんと分からないことは分からないって書いてあるんだね。」

T先生
「そう、そこが大事なんだ。でもね、夜間頻尿には高血圧・糖尿病・心臓の病気・睡眠時無呼吸などが隠れていることがある。つまり体からのお知らせかもしれない。だから『年のせい』で片付けずに、一度かかりつけ医に話してみてほしいんだ。」


📝 まとめ!

減らすのは「水」ではなく「塩」
熱中症予防の水分はやめない。日本人の平均塩分は男性10.5g・女性8.9gで、目標の6g未満を大きく超えている

1日9.2g以上の塩分は、夜間頻尿の独立したリスク因子のひとつ
診療ガイドラインに明記されている。まず夕食の汁物・漬物・干物を見直す

夜のトイレ2回以上で、骨折リスクは2.01倍
70歳以上の国内研究より。転んでの骨折は2.2倍。生活の困りごとであると同時に、骨折予防の課題でもある

水は「減らす」のではなく「時間をずらす」
1日1.5〜2.0Lを日中に前倒しし、寝る前1時間・寝る直前のお酒・カフェインを控える。この方法で脱水は起きていない

背景に病気が隠れていることがある
高血圧・糖尿病・心臓の病気・睡眠時無呼吸など。「年のせい」で終わらせず、一度相談を


たろうくん
「おばあちゃんに教えてあげる!水はちゃんと飲んで、お味噌汁をちょっと薄くしてみようって!」 😊

T先生
「うん、それが今年の夏のいちばん賢い作戦だよ。いつでも聞いてね!」


📚 参考文献

日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会 編.夜間頻尿診療ガイドライン[第2版].リッチヒルメディカル
日本排尿機能学会.夜間頻尿診療ガイドライン[第2版](修正・追加2024)
総務省消防庁.熱中症による救急搬送状況(令和8年 週別 速報値)
厚生労働省.令和6年「国民健康・栄養調査」結果の概要