T先生!ゲームやスマホの時間、結局どれくらいなら大丈夫なの?
📢 T先生!ゲームやスマホの時間、結局どれくらいなら大丈夫なの? 🏥
(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)
出典: McQuaid F, Skafida V, McQuillan R, Lee B. Screen Use and Emotional, Behavioral, and Social Development in Children. JAMA Netw Open. 2026;9(8):e2626804. doi:10.1001/jamanetworkopen.2026.26804
✅ この記事のまとめ
スクリーンタイムの長さだけで、子どもの心や行動が決まるわけではありませんでした。
親子の関係や家庭の落ち着きを計算に入れると、5歳・10歳では関連が消えました。
注意すべきは「電子ゲームを1日5時間以上」に絞られます。
たろうくん
「T先生!夏休みに入ってからゲームばっかりしてたら、ママに『目も悪くなるし心も荒れるよ』って怒られたんだ。ねえ、結局何時間までならいいの?」
T先生
「たろうくん、それはお母さんたちが日本中で悩んでいることだね。実はちょうどおととい、2026年8月3日に、その常識をひっくり返すような研究が発表されたんだよ。」
たろうくん
「ひっくり返す!?」
T先生
「スコットランドで生まれた子どもたちを、5歳・10歳・15歳と10年間ずっと追いかけた研究なんだ。」
📌 どんな研究?(Growing Up in Scotland/GUS)
・スコットランドの出生コホート(同じ子を長期間追う研究)
・5歳 3,786人/10歳 3,126人/15歳 2,598人
・調査時期は 2009〜10年 → 2014〜15年 → 2019〜20年
・心と行動は「SDQ(子どもの強さと困難さアンケート)」で測定(3時点とも保護者が記入)
・スクリーン時間の申告者は、5歳・10歳が保護者、15歳は本人
📊 意外な結果——「家庭の様子」を計算に入れたら関連が消えた
T先生
「まず、子どもたちの実際のスクリーン時間を見てみようか。」
🔹 1日あたりのスクリーン時間(中央値)
・5歳=2.0時間(四分位範囲 1.2〜3.0時間)
・10歳=3.0時間(四分位範囲 2.1〜4.1時間)
たろうくん
「ぼくと同じくらいだ!」
T先生
「うん。そしてね、ここがとても大事なところなんだけど——研究チームは『親子の関係(温かさと衝突の多さ)』と『家の中の落ち着きのなさ』も一緒に測って、計算に入れたんだ。すると、どうなったと思う?」
たろうくん
「うーん…スクリーンが長い子ほど、やっぱり心が荒れてた?」
T先生
「それがね、5歳でも10歳でも、スクリーン時間と心の困りごとの関係が、統計的に意味のあるものではなくなったんだよ。」
たろうくん
「えっ!? 消えちゃったの!?」
T先生
「そう。つまり『スクリーン時間のせいだ』と見えていたものの多くは、実はその家庭がどんな状態だったかを映していた可能性があるということなんだ。」
🎮 それでも残った”ただ一つ”の注意点
T先生
「ただしね、15歳になったときに一つだけはっきり残ったものがあるんだ。」
📊 15歳での結果(多重比較の補正後も有意)
・電子ゲームを1日5時間以上 → 困りごとスコアが高い
オッズ比 2.61(95%信頼区間 1.49〜4.57、p=0.009)
・SNSやメッセージを1日1〜2時間 → 困りごとスコアが低い
オッズ比 0.57(95%信頼区間 0.39〜0.84、p=0.02)
たろうくん
「あれ? SNSのほうは…いいってこと?」
T先生
「そこも驚きだよね。1〜2時間くらいのやりとりは、友だちとのつながりとして働いていた可能性がある。研究者たちも『思春期のスクリーンは、幼い頃とは意味が違うのではないか』と書いているよ。画面の時間を全部ひとまとめにするのは乱暴、ということだね。」
たろうくん
「じゃあゲームだけ気をつければいいんだ!」
T先生
「そういうこと。しかも“多いほど悪い”というきれいな関係(量反応関係)は見つからなかった。5時間以上という、かなり極端なところでだけ出たんだ。」
👶 「小さい頃に見せすぎた」は取り返しがつく?
たろうくん
「うちの弟、ちっちゃいときにずっとYouTube見てたんだけど…もう手遅れ?」
T先生
「そのお母さんの心配にも、この研究は答えているよ。」
🔹 5歳で1日5時間以上だった子の”その後”
・10歳時点では困りごとスコアが高い方向に
オッズ比 2.68(95%信頼区間 1.25〜5.76、p=0.01)
・15歳時点では、その関連は確認できなかった
オッズ比 0.45(95%信頼区間 0.19〜1.05、p=0.06。該当したのは80人と少人数)
・さらに解析方法を変える(四分位で分ける)と、10歳の関連も消えた
T先生
「つまり『小さい頃にたくさん見せてしまったから、この子はもうダメだ』という根拠にはならないんだ。ここは親御さんに一番伝えたいところだね。ただし『関連が確認できなかった』であって、『影響がないと証明された』わけではないよ。」
たろうくん
「よかった〜!弟に言ってあげよう。」
⚠️ ただし、この研究にも限界がある
T先生
「大事なことだから、正直に言っておくね。」
📌 研究の限界(著者自身が挙げているもの)
・データが2020年まで。TikTokのような短い動画が主役になった今は反映されていない
・スクリーン時間は5歳・10歳が親の申告、15歳は本人の申告で、そのまま比べにくい(SDQはどの年齢も保護者記入)
・参加者の94.5〜96.4%が白人で、日本の子どもにそのまま当てはめられない
・何を見ていたか(勉強か、ぼんやり眺めていたか)は測っていない
T先生
「それと、これは“心と行動”の話であって、目の話ではない。近視については別の研究があって、近くを見続ける時間との関連が報告されているし、いちばんはっきりしているのは外で過ごす時間が長いほど近視になりにくいということなんだ。だから目のためには、時間の管理と、外遊びの時間を増やすことが大事なんだよ。」
たろうくん
「なるほど。心と目は別の話なんだね。」
T先生
「そう。だから『この研究が出たから何時間見てもいい』ではないんだ。」
🏠 で、結局どうすればいいの?
T先生
「この研究をふまえると、おすすめはこの4つかな。」
🔹 今日からできること
1. 合計時間より「何を・誰と・何の代わりに」を見る
2. 電子ゲームの長時間だけは別枠で注意(5時間以上は目安の一つ)
3. 連絡や交流としてのやりとりは、切り分けて考える
4. 画面の時間だけでなく、親子の関係や家の落ち着きも一緒に見る
たろうくん
「4番って、スクリーンの話じゃないじゃん!」
T先生
「その通り。この研究では、親子の関係や家庭の落ち着きを計算に入れたとたん、スクリーン時間との関連が見えなくなったんだ。ただし気をつけてほしいのは、『会話を増やせば心が落ち着く』と証明されたわけではないということ。この研究は家庭の様子を”差し引く材料”として使っただけで、会話の量そのものは測っていないんだ。それでも、時間を数えて叱り合うより、一緒にごはんを食べて話す時間があるほうが、家族としては気持ちよく過ごせるよね。」
📝 まとめ!
✅ 家庭の状態を計算に入れると、スクリーン時間との関連は見えなくなった
親子の関係と家の落ち着きを計算に入れると、5歳・10歳では関連が消えた(3,786人・3,126人)
✅ はっきり残った注意点は「電子ゲーム1日5時間以上」だけ
15歳で困りごとスコアが高い方向に(オッズ比2.61、95%CI 1.49〜4.57)
✅ SNS1〜2時間はむしろ良い方向だった
オッズ比0.57(95%CI 0.39〜0.84)。画面をひとまとめにしないことが大切
✅ 「小さい頃に見せすぎた」は決めつけの根拠にならない
5歳で5時間以上でも、15歳時点では関連が確認できなかった(ただし該当は80人と少数)
✅ ただし”心の話”であって”目の話”ではない
データは2020年まで・参加者の94〜96%が白人。近視の予防には、外遊びの時間を増やすことが別途大切
🏥 受診の目安
イライラや落ち込みが2週間以上続く、学校に行きたがらない、眠れない・朝起きられない、食欲が大きく変わった——こうしたサインが重なるときは、スクリーンの時間だけの問題ではないことがあります。福岡県大野城市のつじファミリークリニックでは、お子さんから大人まで家族ぐるみでご相談をお受けしています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
たろうくん
「時間を数えて怒られるより、いっしょに話す時間があるほうがいいなあ。ありがとうT先生!」 😊
T先生
「いつでも聞いてね!」
📚 参考文献
McQuaid F, Skafida V, McQuillan R, Lee B. Screen Use and Emotional, Behavioral, and Social Development in Children. JAMA Netw Open. 2026;9(8):e2626804. doi:10.1001/jamanetworkopen.2026.26804(原著はこちら)