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医療コラム

T先生!肺炎の予防接種、今年から中身が変わったって本当?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!肺炎の予防接種、今年から中身が変わったって本当?

📢 T先生!肺炎の予防接種、今年から中身が変わったって本当? 🏥

(下記の公的資料・学会文書を元に一部AIを用いて作成しました)
出典: 日本呼吸器学会 感染症・結核学術部会ワクチンWG/日本感染症学会ワクチン委員会/日本ワクチン学会 合同委員会「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第8版・令和8年4月1日)」厚生労働省 高齢者の肺炎球菌ワクチン厚生労働省 65歳以上に実施している予防接種第74回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 資料1「高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて」(令和7年12月19日)大野城市 65歳以上の高齢者肺炎球菌予防接種(更新日 2026年4月3日)

この記事のまとめ
2026年4月から、公費で受ける肺炎球菌ワクチンが23価から20価に変わりました。
数字は減りましたが、種類そのものが違い、含まれる型に対してはより高い効果が期待されています。
公費で受けられるのは原則「65歳の1年間」だけ。打ち忘れに要注意です。


たろうくん
「T先生!おじいちゃんが『肺炎の注射、今年から変わったらしい』って言ってたんだ。前は23で今は20って、数が減ったんでしょ? 弱くなったんじゃないの?」

T先生
「たろうくん、それは今いちばん多い質問だよ。そして答えは『数が減った=弱くなった』ではないんだ。数字は減ったけど、中身の仕組みそのものが違うんだよ。」

たろうくん
「えっ、どういうこと!?」

T先生
「順番に説明するね。まず何が変わったかから。」

📌 2026年4月1日からの変更点
・これまで: PPSV23(ニューモバックスNP・23価)
・これから: PCV20(プレベナー20・20価結合型)
・決定したのは 2025年10月23日の厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会
・カバーする型の割合・有効性・安全性・費用対効果をもとに結論された


💉 「23」と「20」は、そもそも別の種類のワクチン

T先生
「ここがとても大事なところなんだけど——23価と20価は、数の大小を比べていい相手じゃないんだ。」

たろうくん
「別のものなの?」

T先生
「うん。PPSV23は”ポリサッカライドワクチン”、PCV20は”結合型ワクチン”といって、免疫の付き方の仕組みが違うんだ。結合型のほうが、体がしっかり覚えてくれる。実際の数字を見てみようか。」

📊 これまでのPPSV23(23価)の効きめ
・肺炎球菌による肺炎全体に対して 27.4%
・ワクチンに含まれる型の肺炎に対して 33.5%
ワクチンに含まれる型による重い感染症(侵襲性肺炎球菌感染症=IPD)に対して 42.2%
 └ 65歳以上に限ると 39.2%、20〜64歳では 59%

📊 結合型ワクチンの効きめ(PCV13・オランダの大規模試験=CAPiTA)
・65歳以上を対象にしたプラセボ対照二重盲検試験(最も信頼性の高い形)
・ワクチンに含まれる型による市中肺炎を45.6%予防
・ワクチンに含まれる型によるIPDを75.0%予防
 └ ※これはPCV13(13価)の成績。PCV20そのものの臨床的な有効性を調べた試験はまだなく、国の審議会は「PCV13の知見を準用することは妥当」と整理している

たろうくん
「じゃあ、20価のほうが2倍近く効くってこと?」

T先生
「そこは慎重にね。この2つは別々の試験の数字だから、そのまま引き算して比べることはできないんだ。国の説明も『含まれる型に対しては、結合型のほうが高い有効性が期待できる』という言い方をしている。実際、アメリカで実際に接種した人を追いかけた研究では、PCV20の重い感染症への有効性は65〜74歳で35.4%、85歳以上では16.6%という報告もあるよ(まだ査読前の段階の研究だけどね)。」

たろうくん
「思ったより控えめな数字だね……。じゃあ、守ってくれる範囲は狭くなってない?」

T先生
「そこも大事な質問だ。厚生労働省は『各ワクチンに含まれる血清型の割合も概ね同等程度』と説明しているよ。日本の2022〜2024年のデータでは、20価が約50%、23価が約51%。数は減っても、守備範囲はほぼ同じなんだ。」

たろうくん
「なるほど! “価数=強さ”じゃないんだね。」

T先生
「そう。ここが今回いちばん誤解されているところだよ。」


⏳ いちばん大事な話——チャンスは「65歳の1年間」だけ

T先生
「でもね、たろうくん。実はもっと大事な話があるんだ。誰がタダ同然で受けられるのか、という話。」

🔹 国の定期接種(公費)の対象
65歳の人(=定期接種の機会は65歳の1年間
・60〜64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能に障がいがあり、身の回りの生活が極度に制限される
・60〜64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障がいがあり、日常生活がほとんど不可能な

たろうくん
「66歳になっちゃったら?」

T先生
「今回、国は65歳を超えた人への経過措置を設けなかったんだ。審議会の資料に挙げられている理由は4つあってね。①以前のワクチンで5年間の経過措置が2回、合わせて10年分の機会がすでにあったこと、②年齢が上がるほど効果が下がっていくこと、③2026年度は他にも複数のワクチンが変わるため、市町村の事務負担がさらに増えること、④新しいPCV21の定期接種化の議論がこれから始まる見込みであること——この4つだよ。報道では、③の自治体の事務負担が『主な理由』として紹介されていたね。」

たろうくん
「じゃあ、うっかり忘れた人はもうダメなの?」

T先生
そうとも限らないんだ。まず、この経過措置については『今後PCV21の定期接種化を検討する際に、その必要性を含めてあらためて検討する』とされている。しかも10月の部会では『70歳で接種機会を設けることを軸に、あらためて検討する』とも整理されているんだよ。」

たろうくん
「じゃあ、また機会が来るかもしれないんだ!」

T先生
「可能性はある、というところまでだね。それと、もうひとつ。長い療養が必要な病気にかかっていて、対象年齢のうちに受けられなかったと認められた場合には、『長期療養特例』として定期接種を受けられる仕組みもあるんだ。該当するかどうかは医学的な判断が必要だから、市に相談してほしい。」

T先生
「そしてね、ここは市によって違うんだ。大野城市には今、猶予があるよ。

📌 福岡県大野城市の案内(更新日 2026年4月3日)
・使用ワクチン:沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20:プレベナー20)
66歳以上で、肺炎球菌の予防接種を自費も含めて一度も受けたことがない人は、令和8年度末(令和9年3月31日)まで、市の予防接種を受けられる
・自己負担額:5,800円(市民税非課税世帯・生活保護世帯は無料
事前の申請が必要(電子申請・窓口・郵送)

たろうくん
「令和9年3月31日って…あと8か月くらい?」

T先生
「そう。まだ一度も打っていない大野城市のご高齢の方は、今年度が最後のチャンスということになるね。ただし制度は変わることがあるから、受ける前に必ず市の案内で確認してほしい。」


🩺 とくに打つ価値が高いのは「持病のある人」

たろうくん
「元気な人は打たなくてもいいの?」

T先生
「いい質問だね。どんな人が重い肺炎球菌感染症になっているかを、実際に日本で調べたデータがあるんだ。」

📊 日本のIPD(重い肺炎球菌感染症)調査 2013〜2022年
・患者 2,483例のうち、65歳以上が1,740例=70.0%
・そのうち基礎疾患があった人は1,011例=58.1%
 └ 糖尿病 309例(17.8%) ← 最多
 └ 慢性の肺の病気 257例(14.8%)
 └ アルコール依存症 256例(14.7%)
 └ 慢性の心臓の病気 255例(14.7%)
・免疫が落ちている人は 543例(31.2%)(固形がん11.4%、抗がん剤治療8.0% など)

たろうくん
「糖尿病が一番なんだ!」

T先生
「そうなんだ。毎月、血圧や血糖の薬をもらいに通っている方こそ、いちばん打つ価値が高い。学会も『医療者が医学的な観点からきちんとお勧めすること』が必要だと、はっきり書いているよ。」

たろうくん
「みんなちゃんと打ってるの?」

T先生
「それがね……」

🔹 これまでの定期接種率
・2014〜2018年度で 36.3〜39.5%
・65歳相当の接種率は 概ね40%前後

T先生
「つまり定期接種で受けた方は4割前後にとどまっている(自費で受けた方は含まれない数字だよ)。これが今回いちばん伝えたい数字かもしれないな。」


🤔 「もう打った気がする」人はどうすれば?

たろうくん
「おじいちゃん、前にも打った気がするって言ってた。もう1回打つの?」

T先生
「そこも整理しておこう。」

📌 すでに接種したことがある人(学会「考え方」第8版)
・PPSV23またはPCVを受けたことがある人は、定期接種(公費)の対象外
・前の接種から1年以上あければ、任意接種としてPCV20またはPCV21を受けることはできる
PPSV23の”打ち直し”は、原則として選択肢としない(第8版での変更点)

たろうくん
「じゃあ、結合型を1回打てばもう一生安心?」

T先生
「そこも第8版で新しく踏み込んだところなんだ。PCV20やPCV21の効果が続くのは5年くらいと考えられるので、免疫の観点からは5年より後の再接種が必要と考えられる、と書かれている。ただし、再接種したときの効果や安全性のデータはまだないので、『こうしましょう』と決まったわけではないんだよ。」

たろうくん
「まだ研究の途中なんだね。」

T先生
「うん。だからまず、『いつ・何を打ったか』を確認するところからなんだ。予防接種済証や、市からの通知、お薬手帳に挟んである記録を探してみてほしい。わからなければ、そのまま持ってきてくれれば一緒に確認するよ。

たろうくん
「わからないまま打っちゃうのはダメなんだね。」

T先生
「うん。それと、PCV21(キャップバックス)という新しいワクチンも2025年8月に承認されているけれど、定期接種にするかどうかは今まさに検討中「決まった」わけではないから、そこは正確にね。」


📝 まとめ!

2026年4月から公費のワクチンが23価→20価に変わった
数字は減ったが「ポリサッカライド型」から「結合型」への変更で、仕組みそのものが違う。守備範囲(血清型のカバー率)は概ね同等で、日本の2022〜24年データでは20価が約50%、23価が約51%

含まれる型に対しては、結合型のほうが高い効果が期待されている
従来のPPSV23はワクチン型のIPDに42.2%(65歳以上39.2%)。結合型はPCV13の大規模試験でワクチン型のIPD 75.0%・市中肺炎45.6%。ただし直接比較した試験はなく、PCV20自体の臨床的有効性の試験もまだない(PCV13の知見を準用)

公費のチャンスは原則「65歳の1年間」だけ
国は65歳超への経過措置を設けなかった(理由は接種機会の提供済み・加齢による効果低下・自治体の事務負担・PCV21の議論開始見込みの4つ)。ただし今後「70歳での接種機会」を軸に再検討される見込み。長期療養特例もある。大野城市は未接種者に限り令和9年3月31日まで猶予あり(自己負担5,800円・事前申請が必要)

持病のある人ほど打つ価値が高い
日本の重症例2,483例のうち65歳以上が70.0%、その58.1%に基礎疾患。最多は糖尿病(17.8%)

定期接種で受けた方は4割前後
接種率は概ね40%前後(自費接種は含まない)。「打ったかどうか分からない」人は、まず記録の確認から


🏥 受診の目安

65歳の誕生日を迎える年度の方、60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器やHIVによる免疫の機能に重い障がいがある方は、公費の対象です。福岡県大野城市のつじファミリークリニックでも接種を行っています。「前に打ったか分からない」「持病があるけれど受けていいのか」といったご相談も含めて、秋のインフルエンザ・新型コロナのワクチンと合わせてご相談ください。大野城市の方は、当院を予約する前に市への事前申請(決定通知書の取得)が必要ですので、早めの準備をおすすめします。対象者・自己負担額・申請方法・任意接種の料金は、当院の予防接種のページにまとめています。


たろうくん
「20より23のほうが多いから強い、って思ってたよ。おじいちゃんに教えてあげる!」 😊

T先生
「いつでも聞いてね!」


📚 参考文献

日本呼吸器学会 感染症・結核学術部会ワクチンWG/日本感染症学会ワクチン委員会/日本ワクチン学会 合同委員会「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第8版)」令和8年4月1日(PDF全文)/第74回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 資料1「高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて」令和7年12月19日(PDF)/厚生労働省「高齢者の肺炎球菌ワクチン」「65歳以上に実施している予防接種」/大野城市「65歳以上の高齢者肺炎球菌予防接種」(更新日 2026年4月3日)