ヘッダー画像

医療コラム

T先生!ニキビ治療の最新って、何が変わったの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!ニキビ治療の最新って、何が変わったの?

📢 T先生!ニキビ治療の最新って、何が変わったの? 🧴

(文末の参考文献をもとに、一部AIを用いて作成しました)

✅ この記事のまとめ
ニキビは日本人の90%以上が経験する皮膚の病気で、保険の塗り薬で治療できます。受診する人は10%しかいません。
2025年6月に「塗って5〜10分で洗い流す」タイプの過酸化ベンゾイルが発売され、続けやすい選択肢が増えました。
赤いニキビが消えたあとも塗り薬を続けて再発を抑えることが、跡を減らすことにつながります。


たろうくん
「T先生!お兄ちゃんがニキビで悩んでて、ドラッグストアの薬を塗ってるけど良くならないんだ。病院に行くと何か違うの?」

T先生
「よく聞く相談だね。実はね、ニキビで病院に来る人は、ニキビのある人の10%しかいないんだ。」


🩺 ニキビは「病気」。受診する人は10%だけ

📌 日本皮膚科学会のガイドライン(2023年)より
・日本では90%以上の人が経験する
・医療機関を受診する患者は10%にすぎない
・軽症でも跡(瘢痕)が残ることがあり、早く治療すれば跡を防げる可能性を示唆するデータがある

たろうくん
「えっ、10人に1人しか行かないの!?」

T先生
「『青春のシンボル』と軽く見られてきたからね。でもね、ここが大事なところなんだけど、早く治療を始めるほど跡を防げる可能性があるとデータで示唆されているんだ。」


💊 ニキビ治療の基本は、保険の「塗り薬」

T先生
「ガイドラインは治療を『A(強く勧める)』から『D(行わないよう勧める)』までランク付けしていて、赤いニキビにAがついている塗り薬は次の5つだよ。」

🥇 赤いニキビ(炎症性皮疹)にA評価の塗り薬
・アダパレン(毛穴のつまりを取る)
・過酸化ベンゾイル(アクネ菌を減らし、毛穴のつまりも取る)
・アダパレンと外用抗菌薬の併用
・配合剤(アダパレン+過酸化ベンゾイル/クリンダマイシン+過酸化ベンゾイル)
・外用抗菌薬(クリンダマイシン、ナジフロキサシン、オゼノキサシン)
重症度で使い分ける(過酸化ベンゾイル単剤は軽症〜中等症、配合剤は中等症〜重症)。いずれも保険で処方できる

たろうくん
「ドラッグストアの薬と、何が違うの?」

T先生
「アダパレンと過酸化ベンゾイルは、医師の処方が必要な薬なんだ。毛穴のつまり、つまり『次のニキビの芽』に効く。市販薬で良くならない、赤く腫れたニキビが増えている、跡が心配。どれかあれば受診のタイミングだよ。最初は赤みやヒリヒリが出ることがあるけど、保湿剤を一緒に使うと刺激が減ると日本の研究で分かっている。顔全体が腫れる・強い痛みが出たら中止して連絡してね。」


⏳ 飲み薬の抗菌薬は「3か月まで」

たろうくん
「飲み薬はないの?」

T先生
「中等症以上の赤いニキビには、抗菌薬の飲み薬も使うよ。A評価がついているのはドキシサイクリン。ミノサイクリンは効き目は同等だけど、副作用を考えてひとつ下のA*という評価なんだ。ただしね、飲み続けると耐性菌ができる。ガイドラインは『長期間の使用は控えたほうがよい』とし、3か月まで、6〜8週目に再評価という国際的な目安を紹介している。塗り薬と組み合わせ、期間を決めて使う薬なんだ。」


🆕 最新のニキビ治療薬:塗って5〜10分で洗い流す

たろうくん
「で、最新の治療って何が変わったの?」

T先生
「2025年6月に、過酸化ベンゾイルを塗って5〜10分後に洗い流す新しい薬(ベピオウォッシュゲル)が発売されたんだ。ニキビの薬では日本で初めての『短時間接触療法』だよ。」

📌 ベピオウォッシュゲル5%(過酸化ベンゾイル)
・1日1回、洗顔後に塗り、5〜10分後に洗い流す
・12週間の試験で、ニキビ全体(赤ニキビ+白・黒ニキビ)の数が55.9%減少(偽薬では43.9%減少)
・副作用は15.8%。主なものは塗った部分の赤み(5.8%)とヒリヒリ感(4.2%)
・使用中は日光に当たるのを最小限に。日焼けランプや紫外線療法は避ける
(添付文書より)

たろうくん
「洗い流しちゃって、効くの?」

T先生
「効くよ。偽薬との差は12ポイントで、統計的にもはっきりした差だった。過酸化ベンゾイルは髪や衣類に付くと漂白するから、洗い流せるのは助かるね。ただし中身は昔からある成分で、従来のゲルと直接くらべた試験はない。効き目が上がったのではなく、『続けやすくなった』薬だと思ってほしい。」


🌍 海外の新薬と、個人輸入の注意

たろうくん
「外国には、もっと新しい薬があるの?」

T先生
「あるよ。男性ホルモンの受け皿をブロックする別の仕組みの塗り薬(アメリカで2020年承認)などだね。でも日本では未承認(2026年8月時点)。重症のニキビに海外で使われる飲み薬イソトレチノインも、ニキビの薬としては日本では未承認(2026年6月に子どものがんの薬として承認されただけ)。厚生労働省はこの薬(アキュテインやその後発品)を『医師の適切な指導のもとに使用されなければ健康被害のおそれがある』薬として個人輸入の確認対象にしている。妊娠中に飲むと重い先天異常や流産を起こす薬で、妊娠する可能性がある人は使えない。ネットで買うのはやめてほしい。」


🔁 赤いニキビが消えたあとが本番:維持療法

T先生
「そしてね、よくある失敗が『赤いのが消えたから薬をやめる』こと。やめるとしばしば再発する。ガイドラインでは、赤いニキビの治療は最大3か月を目安に、『維持期』の治療に切り替える。」

🔹 維持期にA評価の塗り薬
・アダパレン/過酸化ベンゾイル/アダパレンと過酸化ベンゾイルの配合剤
・抗菌薬(塗り薬・飲み薬)は維持には向かない(耐性菌を作らないため)
・同じ配合剤でも、クリンダマイシン+過酸化ベンゾイルは維持療法には推奨されない

たろうくん
「見えないニキビの芽を、塗り薬で抑え続けるんだね。」

T先生
「そう。続ける期間は肌の状態を見ながら決めるよ。漢方(荊芥連翹湯、清上防風湯など)は赤いニキビに対してC1『選択肢の一つ』で、他の治療が効かない・使えないときの出番。漢方でニキビに保険が使えるのは、この2つだよ。ケミカルピーリングやレーザーは保険がきかないんだ。」


🧼 洗顔の回数と食事の注意

たろうくん
「洗顔は何回がいいの?チョコは食べちゃダメ?」

T先生
「ガイドラインは洗顔は1日2回、化粧品は低刺激でノンコメドジェニック(毛穴をつまらせにくい)なニキビ用のものを勧めている。食べ物は『特定の食べ物を一律に制限することは推奨しない』。人によって関係が疑われる食べ物は個別に見るけれど、チョコを我慢する前に、まず薬だよ。」


📱 オンライン診療の「定期購入」に注意

T先生
「国民生活センターが2026年6月、ニキビのオンライン診療で処方薬が定期購入になっていたトラブルに注意を呼びかけている。『薬代は1年間分で6万円』と言われて断りづらく了承し、キャンセルできなかった相談例もある。副作用の説明と解約の条件を確認してからにしてほしい。」


📝 まとめ!

✅ ニキビは受診する人が10%の「病気」。早い治療で跡を防げる可能性

✅ 基本は保険の塗り薬。アダパレンと過酸化ベンゾイルは処方薬
市販薬で良くならない・赤く腫れたニキビが増えているなら受診を。

✅ 飲み薬の抗菌薬は3か月まで。6〜8週で見直す
耐性菌を防ぐため、塗り薬と組み合わせて使う。

✅ 2025年の新薬は「塗って5〜10分で洗い流す」過酸化ベンゾイル
従来品との直接比較はない。変わったのは「続けやすさ」。

✅ 赤いニキビが消えてからの維持療法が本番
最大3か月を目安に維持期へ。海外の新薬は日本未承認。イソトレチノインの個人輸入はしない。


たろうくん
「お兄ちゃんに教えてあげる!お店の薬で粘らずに、病院で塗り薬をもらおうって!」 😊

T先生
「うん、跡を残さないためにも早めにね。いつでも聞いてね!」


📚 参考文献

日本皮膚科学会『尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023』日本皮膚科学会雑誌 2023;133(3):407-450
マルホ『ベピオウォッシュゲル5% 添付文書』(PMDA 医療用医薬品情報)
マルホ『ディフェリンゲル0.1%(アダパレン)添付文書』(劇薬・処方箋医薬品)
マルホ『尋常性ざ瘡治療剤「ベピオウォッシュゲル5%」製造販売承認取得のお知らせ』2025年3月27日/『同 新発売のお知らせ』2025年6月16日
PMDA『新医薬品の承認品目一覧』(2026年8月24日時点。2026年度分PDFにイソトレチノインの神経芽腫適応での承認〔2026年6月19日〕を掲載)
『Clascoterone cream 添付文書(米国)』DailyMed(本文の「別の仕組みの塗り薬」)
『Isotretinoin capsules 添付文書(米国)』DailyMed
厚生労働省『医薬品等の個人輸入について』/『数量に関わらず厚生労働省の確認を必要とするもの(Accutane・Roaccutane 等を収載)』
国民生活センター『ニキビ、AGA治療や痩身目的等のオンライン診療のトラブルにご注意』2026年6月23日公表

この記事の監修

辻 隆宏(つじ たかひろ)

つじファミリークリニック 院長・医師

  • 日本プライマリ・ケア連合学会認定 家庭医療専門医
  • 日本ペインクリニック学会認定 ペインクリニック専門医
  • 日本内科学会認定 認定内科医

自治医科大学医学部卒業。八女市矢部診療所、宗像市国民健康保険大島診療所の所長として、へき地・離島の地域医療に従事。2022年6月、大野城市につじファミリークリニックを開院。