あちこちの関節が痛む(多関節痛・多関節炎)
- 2024年12月2日
- よくある症状とお悩み
あちこちの関節が痛む(多関節痛・多関節炎)
この症状について
関節痛は、関節に感じる痛みや不快感のことです。単なる痛みだけの場合と、腫れや熱を伴う炎症がある場合があります。
どんな状態か
関節を動かすと痛む、じっとしていても痛む、関節が腫れている、熱をもっているなど、様々な症状が現れます。朝に指が曲げにくい「朝のこわばり」を感じることもあります。
どんなときに起こりやすいか
– 運動や作業の後
– 天候の変化(特に低気圧や雨の時)
– 長時間同じ姿勢を続けた後
– 年齢とともに徐々に
– 感染症の後
症状の種類と特徴
1. 炎症性の関節痛
– 腫れ、熱感、発赤を伴う
– じっとしていても痛む
– 朝のこわばりが強い
2. 非炎症性の関節痛
– 腫れや熱感は少ない
– 動かすと痛む
– 使い過ぎで悪化
年齢や性別による特徴
– 若い方:スポーツや外傷による急性の痛み
– 中年以降:徐々に進行する変形性関節症
– 高齢者:複数の関節に症状が出やすい
– 女性:ホルモンの影響で更年期以降に増加
受診の目安
すぐに救急車を呼ぶべき症状
– 強い痛みと共に38度以上の発熱がある
– 関節が著しく腫れて動かせない
– 事故や転倒後に激しい痛みがある
– 関節が明らかに変形している
できるだけ早く受診すべき症状
– 痛みで眠れない
– 複数の関節が同時に腫れる
– 原因不明の発熱が続く
– 体重が急に減少する
– 皮膚に原因不明の発疹がある
通常の受診が必要な場合
– 2週間以上痛みが続く
– 徐々に症状が悪化している
– 市販薬で改善しない
– 日常生活に支障がある
様子を見ても良い場合
– 運動後の一時的な痛み
– 軽い違和感程度
– 休息で改善する
– 市販薬で対応できる
受診する診療科
– 整形外科:外傷や変形性関節症
– リウマチ科:複数の関節痛や炎症
– 内科:原因不明の関節痛
– 救急科:急性の激しい痛み
考えられる主な原因
よくある原因
1. 変形性関節症
– 年齢とともに軟骨が擦り減る
– 負担のかかる関節に多い
– じわじわと進行する
2. 関節リウマチ
– 免疫系の異常で関節が炎症
– 複数の関節が同時に痛む
– 早期発見が重要
3. 痛風
– 尿酸値が高くなることで起こる
– 突然の激痛が特徴
– 主に足の親指の付け根に起こる
生活習慣との関連
– 肥満:関節への負担増加
– 運動不足:筋力低下で関節負担
– 偏った姿勢:特定の関節に負担
– 食生活:痛風などのリスク上昇
注意が必要な原因
– 感染症による関節炎
– 自己免疫疾患
– 骨折や靭帯損傷
– がんの転移
自宅でのケア方法
すぐにできる対処法
– 冷やす:発症直後の腫れている場合(1日目まで)
– 温める:慢性的な痛みの場合
– 痛む部分を休ませる
– 市販の湿布を貼る
生活上の注意点
1. 負担を減らす工夫
– 正しい姿勢を心がける
– 重いものを持ちすぎない
– 適度な休憩をとる
2. 環境の調整
– 寝具や椅子の高さ調整
– 滑り止めマットの使用
– 手すりの設置
市販薬の使用方法
– 消炎鎮痛剤:炎症を抑える
– 湿布:局所的に使用
– 飲み薬:医師に相談して選ぶ
よくある質問(Q&A)
Q1:どんな場合に救急受診が必要ですか?
A:以下の症状がある場合は、すぐに受診してください。
– 38度以上の熱と激しい関節痛がある
– 関節が著しく腫れて真っ赤になっている
– 動かすことができないほどの激しい痛みがある
– 事故や転倒後に激しい痛みがある
Q2:市販薬の使い方で気をつけることは?
A:以下の点に注意して使用してください。
– 説明書の用量・用法を守る
– 胃が弱い人は食後に服用する
– 長期使用は避ける(2週間以上の使用は要注意)
– 他の薬との併用に注意する
Q3:仕事や学校生活はどうすれば良いですか?
A:症状の程度に応じて以下の対応を検討してください。
– 激しい痛みがある場合は休養をとる
– デスクワークの場合は1時間ごとに軽い運動をする
– 重い物を持つ作業は避ける
– 必要に応じて上司や学校に相談する
Q4:予防のために気をつけることは?
A:日常生活で以下の点に気をつけましょう。
– 適度な運動で筋力をつける
– 正しい姿勢を保つ
– 十分な休憩をとる
– バランスの良い食事を心がける
– 適正体重を維持する