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医療コラム

TENSを用いた生理痛緩和デバイスを導入してみます|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

TENSを用いた生理痛緩和デバイスを導入してみます

皆さんこんにちは。つじファミリークリニックの院長です。

生理痛に悩む女性は多く、さまざまな対処法が試されています。(T先生!生理痛を和らげるには、薬以外にもどんな方法があるの?

 

そんな中、近年注目されているのが『TENS(経皮的電気刺激療法)を用いた、月経痛の緩和をするデバイス』です。

このデバイスは、下腹部にパッチを貼り、電気刺激を送ることで生理痛を和らげるという仕組みです。

この技術に関する研究は以前から行われており、論文でもその有意な効果が示されています(下記文献を参照)

 

そこで当院でも、このデバイスを導入してみることにしました。

使用方法は簡単で、1時間ほどパッチを貼って電気刺激を送るだけで生理痛が和らぐとのことです(資料はこちら)。

 

従来の生理痛対策としては、鎮痛薬や漢方薬、ピルなどが使用されてきました。しかし、これらの方法が効果的でない場合や、薬の服用に抵抗がある方もいらっしゃいます。

このデバイスは、そのような方にとって新たな選択肢になると思いますので、ぜひ当院にお気軽にご相談ください。

皆さんに合った生理痛の緩和方法を一緒に検討していきましょう。

 

※まずは試してみたいという方は、1ヶ月3,000円でレンタルします。その後、ご自身に合っているということでしたら、デバイスを購入していただく流れです(デバイス代として約30,000円)

 

※TENS(経皮的電気刺激療法)デバイスの有効性について

1. 一般的な有効性:
– 高周波TENSはプラセボTENSよりも月経痛を軽減するのに効果的であることが示されており、低周波TENSはプラセボと有意差がありませんでした ([Proctor et al., 2002])。
– 新しいTENSデバイスを使用した研究では、21人の月経中の女性において痛みのスコアが大幅に低下し、鎮痛薬の使用も減少しました ([Schiøtz et al., 2007])。

2. 比較研究:
– TENSをイブプロフェンおよびプラセボと比較した研究では、TENSが有意な痛みの軽減を提供し、イブプロフェンの必要性を遅らせることが示されました。TENSとイブプロフェンを組み合わせた場合、最も効果的な痛みの管理ができました ([Dawood & Ramos, 1990])。

3. 思春期の女性:
– 思春期の女性を対象とした研究では、TENSが月経困難症の痛みや関連する症状(吐き気、めまい、うつなど)を有意に軽減し、日常生活の活動を改善しました ([Ibrahim et al., 2021])。

4. 系統的レビュー:
– 系統的レビューでは、TENSと温熱療法の両方が月経痛を軽減する可能性を示しているが、結論的な推奨を行うためには高品質の試験が必要であることが強調されました ([Igwea et al., 2016]。

5. 子宮内膜症:
– 深部子宮内膜症の女性に対して、TENSは慢性的な骨盤痛、深部性交痛、および生活の質を有意に改善しました ([Mira et al., 2015])。