皮膚科で1ヶ月治らなかった湿疹の正体 ─ AIが気づかせてくれた「思いがけない病気」の話
こんにちは。つじファミリークリニック院長の辻です。
今日は、最近の診療で経験した少し驚きのエピソードをお話しさせてください。
「皮膚科で治らなかった湿疹の正体が、実は全く別の病気だった」というお話です。
皮膚科で1ヶ月治らなかった湿疹
60代の男性が「湿疹が全然治らない」と来院されました。
1ヶ月ほど前から全身に発疹が出て皮膚科を受診し、ステロイドの飲み薬や塗り薬で治療を受けていたそうです。
でも、良くならない。
「何かおかしい」から始まる
診察してみると、ステロイドを飲んでいるのに皮疹が全く改善していないこと、そして足の裏にも発疹があることに気がつきました。
「ちょっと引っかかるな」と感じた僕は、日頃から活用しているAI(人工知能)の臨床推論ツールに相談してみました。
すると、AIが提示した鑑別診断の中に「梅毒」という病名が含まれていたのです。
梅毒は「過去の病気」ではありません
正直に言うと、僕も梅毒を疑ったのは初めてでした。
「梅毒なんて昔の病気でしょ?」と思われるかもしれませんが、実は近年、日本国内で梅毒の患者数は急速に増加しています。
2023年には報告数が14,000件を超え、過去最多を更新し続けている状況です。
年齢・性別を問わず、誰でもかかる可能性がある感染症なのです。
検査の結果は…
血液検査を行ったところ、結果は陽性でした。
第2期梅毒(梅毒性バラ疹)という診断がつきました。
全身に出ていた「治らない湿疹」の正体は、梅毒による皮膚症状だったのです。
AIは「万能の医者」ではない。でも──
ここで大事なことをお伝えしたいのですが、AIが診断したわけではありません。
AIは「こういう可能性も考えてみては?」というヒントをくれただけです。
最終的に「この検査をしよう」と判断し、患者さんに説明し、診断を確定したのは、あくまで医師である僕自身です。
でも、AIの助けがなければ、梅毒という可能性に思い至るまでにもっと時間がかかっていたかもしれません。
僕はAIを「もう一人の相談相手」として活用しています。
一人で考えていると見落としてしまうことも、別の視点を持つ「相棒」がいることで気づけることがある。
そんな時代になってきたんだなぁと、改めて感じた出来事でした。
「治らない」には理由があるかもしれません
今回のケースのように、ある専門科で治療を続けても良くならないとき、実は全く別の原因が隠れていることがあります。
こんなお悩みはありませんか?
✅ 皮膚科に通っているけれど、湿疹や発疹がなかなか治らない
✅ いくつかの病院を回ったけれど、原因がはっきりしない
✅ 何科に行けばいいか分からない症状がある
僕たち総合診療医・家庭医は、「何科に行けばいいか分からない」「いろいろ受診したけど良くならない」という方の相談窓口になれる存在でありたいと思っています。
体の不調でお困りのことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
一緒に原因を探していきましょう。
つじファミリークリニック
院長 辻 隆宏