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医療コラム

T先生!アブリスボというワクチンについて教えて!|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!アブリスボというワクチンについて教えて!

※次のコラムもご参照ください「T先生!赤ちゃんのRSウイルス予防ワクチンができたの?

 

たろうくん「T先生、アブリスボってなに?最近ニュースで聞いたんだけど」

 

T先生「おや、たろうくん。アブリスボに興味があるんだね。アブリスボは、赤ちゃんをRSウイルスから守るための新しいワクチンなんだよ」

 

たろうくん「へー、そうなんだ。でも、赤ちゃんにワクチン打つの?」

 

T先生「実はね、このワクチンは赤ちゃんじゃなくて、お母さんのおなかの中にいるときに打つんだ。赤ちゃんが生まれる前のお母さんに接種するんだよ」

 

たろうくん「え?どうしてなの?」

 

T先生「それはね、お母さんの体の中で作られた抗体という守り手が、赤ちゃんに渡されるからなんだ。そうすることで、生まれてきたばかりの赤ちゃんをRSウイルスから守ることができるんだよ」

 

たろうくん「へー、すごいね!じゃあ、いつ打つの?」

 

T先生「お母さんのおなかの中に赤ちゃんがいる期間のうち、24週から36週の間に打つんだ。日本では28週から36週の間に打つところが多いかな。」

 

たろうくん「そっか。でも、なんで赤ちゃんを守らなきゃいけないの?」

 

T先生「RSウイルスは、赤ちゃんにとってとても危険なウイルスなんだ。特に生まれたばかりの赤ちゃんや、生後6ヶ月未満の赤ちゃんが感染すると、重い症状になることがあるんだよ」

 

たろうくん「えー、こわいね。じゃあ、このワクチンを打てば大丈夫なの?」

 

T先生「完全に防ぐことはできないけど、かなり効果があるんだ。臨床試験の結果では、RSウイルス感染症にかかるのを半分くらい防げて、重症化するのを8割くらい防げるって分かっているんだ」

 

たろうくん「すごい!でも、副作用とかはないの?」

 

T先生「良い質問だね。他のワクチンと同じように、注射したところが痛くなったり、赤くなったり、腫れたりすることがあるよ。頭痛や筋肉痛が出ることもあるけど、数日で治まることが多いんだ。また、早産のリスクも心配されているけど、研究の結果は問題ないとされたよ。ただ、アメリカでは念のため32週から36週の間に接種するようになっているよ。」

 

たろうくん「なるほど。じゃあ、効果はどのくらい続くの?」

 

T先生「このワクチンの効果は、赤ちゃんが生まれてから約6ヶ月くらい続くと考えられているんだ。生後3ヶ月の時点で57%くらい、6ヶ月の時点でも51%くらいの効果があるって分かっているよ」

 

たろうくん「へー、けっこう長く続くんだね」

 

T先生「そうなんだ。赤ちゃんは生まれてから数ヶ月の間は自分の免疫システムがまだ十分に発達していないから、この期間を守るのがとても大切なんだよ」

 

たろうくん「なるほど!でも、お金はかかるの?」

 

T先生「そうだね、このワクチンは任意接種っていって、希望する人が自分でお金を払って受けるものなんだ。だいたい3万円から3万8千円くらいかかるよ」

 

たろうくん「えー、高いね」

 

T先生「そうだね。でも、赤ちゃんを守るためには大切な投資かもしれないね。接種を希望する人は、妊婦健診の先生に相談したり、病院に直接問い合わせてね。」

 

たろうくん「そっか。ありがとう、T先生!アブリスボのこと、よく分かったよ」

 

T先生「よかったね、たろうくん。医学はどんどん進歩していて、新しいワクチンで赤ちゃんを守れるようになってきているんだ。これからも興味を持ち続けてね」

 

【参考資料】

ファイザー社からの情報はこちら

日本小児科学会からの情報はこちら

日本産婦人科学会からの情報はこちら

 

※重要

当院でも上記アブリスボの接種を開始しました。諸事情を考慮し、妊娠32週~36週の方を対象とします。費用は30,000円(税込)です。接種希望の方は、かかりつけの産婦人科で接種許可をもらったうえで、当院にお問い合わせください。(接種許可が無い場合は、当院での接種はおこなえません)