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医療コラム

T先生!枕って高い方がいいの?低い方がいいの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!枕って高い方がいいの?低い方がいいの?

📢 T先生!枕って高い方がいいの?低い方がいいの? 🛏️


たろうくん
「T先生!ぼくのお母さんが最近”枕が合わない”って言って肩こりがひどいんだけど、枕って高い方がいいの?低い方がいいの?」

T先生
「おっ、いい質問だね!結論から言うと、枕は低い方がいいんだよ。もちろん個人差はあるんだけどね。特にこだわりがなければ、低い枕をおすすめするよ。」

たろうくん
「えっ、低い方がいいんだ!なんで?」

T先生
「実はね、整形外科・脳神経・眼科の3つの観点から、低い枕の方がいいって言えるんだ。ひとつずつ説明していくね!」


🦴 首の骨(頸椎)のカーブを守ろう!

T先生
「まず最初は首の骨の話。頸椎(けいつい)って聞いたことある?」

たろうくん
「首の骨のことだよね!」

T先生
「そのとおり!正常な頸椎は、横から見ると前方にゆるやかなカーブを描いているんだ。胸椎と合わせるとS字カーブになっていて、これが衝撃を吸収してくれるんだよ。」

たろうくん
「じゃあ、高い枕だとどうなるの?」

T先生
「高い枕を使って仰向けに寝ると、頭が持ち上げられて、S字カーブが崩れてしまうんだ。レントゲンで『ストレートネックですね』って言われたことがある人もいると思うけど、まさにそういう状態をつくりだしてしまうんだよ。」

たろうくん
「ストレートネックって聞いたことある!スマホの使いすぎでなるやつだよね?」

T先生
「そうそう!ストレートネックは肩こりや頭痛の原因になるんだ。S字カーブを保つためには、枕は低ければ低いほどいい。極端に言えば、枕を使わない方がいいくらいなんだよ。」


🔄 寝返りと枕の関係

T先生
「次は寝返りの話。たろうくん、寝相が悪いって言われたことある?」

たろうくん
「よく言われるよ!朝起きたら反対向いてたりする😅」

T先生
「実はそれ、いいことなんだよ!同じ姿勢のまま長時間寝ていると、体の同じ部分に力がかかり続けて、皮膚や神経にダメージを与えてしまう。褥瘡(じょくそう)、いわゆる”床ずれ”は、寝返りをしないことが原因なんだ。」

たろうくん
「じゃあ寝返りをうつのは大事なんだね!」

T先生
「そう!でも高い枕だと、寝返りをうったときに枕から”落ちる“ことになる。すると首や頭に衝撃がかかってしまうんだよ。低い枕なら、スムーズに寝返りがうてるよね。」


🧠 右を下にして寝ると脳にいい!

T先生
「ここでクイズ!仰向け、うつ伏せ、右を下、左を下。脳に一番いい寝姿勢はどれだと思う?」

たろうくん
「うーん…仰向け?」

T先生
「実は、右を下にして寝る(右側臥位)が正解なんだ!」

たろうくん
「えー!なんで?」

T先生
「脳にはグリンパティックシステムという老廃物を洗い流す仕組みがあるんだ。2020年に発表された研究(Reddy & van der Werf, Brain Sciences)によると、右側臥位のとき脳内の血管や神経がほどよく伸ばされて、このシステムが最も活性化するんだよ。」

たろうくん
「脳のお掃除システムってこと?」

T先生
「まさに!グリンパティックシステムが活性化すると、脳内の老廃物が効率よく洗い流されて、認知症の予防にもつながるんだ。もちろんずっと右を下にし続ける必要はなくて、適度に寝返りをうちながら、右側臥位もじゅうぶんに取り入れるのがベストだよ。」

たろうくん
「それと枕の高さは関係あるの?」

T先生
「大ありだよ!低い枕の方が、寝返りがスムーズにできるから、いろんな姿勢を自然にとりやすくなるんだ。」


👁️ 高い枕は緑内障にもよくない!

T先生
「最後は眼科の話。医学誌『British Journal of Ophthalmology』の2026年1月号に発表された研究で、枕の高さと眼圧(がんあつ)の関係が調べられたんだ。」

たろうくん
「眼圧って目の圧力のこと?」

T先生
「そうだよ!144人の緑内障患者を対象に、枕を2つ重ねて頭を20〜35度高くしたグループと、枕をまったく使わないグループを比べたんだ。」

たろうくん
「結果はどうだったの?」

T先生
「枕を2つ重ねたグループでは、眼圧が有意に高かったんだよ!メカニズムはこういうこと。枕を重ねて首の位置が変わると、頸静脈が圧迫されて、眼球内の液体(房水)の自然な排出が妨げられるんだ。」

たろうくん
「首の血管と目がつながってるんだ!」

T先生
「さらに、枕を高くすると眼灌流圧(OPP)が有意に低下することもわかった。眼灌流圧は目の微細な血管に血液を送る圧力のことで、これが低下すると緑内障のリスクが上がるんだ。」


📝 まとめ!

頸椎のS字カーブを保つには、枕は低い方が良い(ストレートネック予防)
低い枕の方が寝返りがスムーズで、褥瘡や首・頭への衝撃を防げる
右側臥位が脳のグリンパティックシステムを最も活性化させ、認知症予防に
高い枕は頸静脈を圧迫し、眼圧上昇・緑内障リスクにつながる可能性あり
こだわりがなければ低い枕を。オーダーメイド枕も一つの選択肢


たろうくん
「なるほど〜!整形外科にも脳にも目にも、低い枕がいいんだね!お母さんに教えてあげよう!」 😊

T先生
「そうだね!“高い枕””固い枕””枕の重ね使い”は避けるのがポイントだよ。睡眠は健康の土台だから、自分に合った枕をじっくり選んでみてね!」 🛏️


📚 参考文献

1. Reddy OC, van der Werf YD. The Sleeping Brain: Harnessing the Power of the Glymphatic System through Lifestyle Choices. Brain Sciences. 2020;10(11):868. doi:10.3390/brainsci10110868
2. Association of high-pillow sleeping posture with intraocular pressure in patients with glaucoma. British Journal of Ophthalmology. 2026. doi:10.1136/bjo-2025-328037