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医療コラム

T先生!歩くことでアルツハイマー病を予防できるの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!歩くことでアルツハイマー病を予防できるの?

 

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Yau WW, Kirn DR, Rabin JS, Properzi MJ, Schultz AP, Shirzadi Z, Palmgren K, Matos P, Maa C, Pruzin JJ, Schultz SA, Buckley RF, Rentz DM, Johnson KA, Sperling RA, Chhatwal JP. Physical activity as a modifiable risk factor in preclinical Alzheimer’s disease. Nat Med. 2025 Nov 3. doi: 10.1038/s41591-025-03955-6. Epub ahead of print. PMID: 41184638.

 

📢 T先生!歩くことでアルツハイマー病を予防できるの? 🚶‍♂️


たろうくん
「T先生!最近おじいちゃんが物忘れを心配してるんだけど、運動するとアルツハイマー病の予防になるって本当?」

T先生
「いい質問だね!実は、アメリカで296人の高齢者を対象に、最長14年間も追跡した大規模な研究があるんだ。その結果、毎日の歩数が多い人ほど、認知機能の低下が遅いことがわかったんだよ。」

たろうくん
「へぇ〜!でも、どのくらい歩けばいいの?1万歩とか無理そう…」


🎯 1日5,000〜7,500歩が目安!

T先生
「そこが今回の研究の素晴らしいところなんだ。1日5,000〜7,500歩くらいで、認知機能を守る効果がしっかり出ることがわかったんだよ。」

たろうくん
「えっ、それくらいでいいの?1万歩じゃなくても?」

T先生
「うん!研究では、ほとんど歩かない人(1日3,000歩以下)と比べて、少し歩く人(3,000〜5,000歩)でも認知機能の低下が40%遅くなったんだ。そして、中程度歩く人(5,000〜7,500歩)では54%も遅くなったんだよ。」

たろうくん
「すごい!じゃあ、もっと歩いたらもっと効果があるの?」

T先生
「実はね、7,500歩以上歩いても、効果はあまり変わらなかったんだ。つまり、ある程度歩けば十分で、無理して1万歩を目指さなくてもいいってことなんだよ。」


🧠 脳の中で何が起きてるの?

たろうくん
「でも、なんで歩くと認知機能が守られるの?」

T先生
「アルツハイマー病では、脳にアミロイドβタウという”脳のゴミ”がたまっていくんだ。このゴミがたまると、記憶や思考の力が落ちてしまう。」

たろうくん
「歩くと、そのゴミが減るの?」

T先生
「アミロイドβ自体は減らないんだけど、興味深いことにタウというゴミがたまるスピードが遅くなることがわかったんだ。特に、もともとアミロイドβが多い人で、よく歩く人はタウのたまり方が遅かったんだよ。」

たろうくん
「じゃあ、歩くことで脳のゴミがたまりにくくなるんだね!」


📊 どのくらい効果があるの?

T先生
「具体的な数字で説明すると、認知機能の追跡期間の中央値は9年だったんだけど、アミロイドβが高い人の場合、ほとんど歩かない人は認知機能のスコアが2.5ポイント下がったのに対して、中程度歩く人は1.1ポイントしか下がらなかったんだ。」

たろうくん
「半分以下になってる!それってすごいことだよね?」

T先生
「そうなんだ。さらに、日常生活の能力についても、中程度歩く人は低下が45%遅かったという結果が出ているよ。」


⚠️ 注意点もあるよ

たろうくん
「じゃあ、みんな歩けばアルツハイマー病にならないの?」

T先生
「いい質問だね。ここが大事なポイントなんだけど、この研究はあくまで観察研究なんだ。つまり、『歩く人は認知機能の低下が遅い』という関係は見つかったけど、『歩くことが直接の原因で認知機能が守られる』とまでは証明されていないんだよ。」

たろうくん
「どういうこと?」

T先生
「例えば、もともと健康な人がよく歩いているだけかもしれないよね。だから、完全に証明するには、将来の臨床試験が必要なんだ。ただ、この研究は歩数計で客観的に測定して、14年間も追跡した質の高い研究だから、かなり信頼できる結果だと言えるよ。」


💡 今日からできること

たろうくん
「おじいちゃんに何を伝えたらいい?」

T先生
「まず、今あまり歩いていない人が、少し歩き始めるだけでも効果があるということを伝えてあげて。いきなり1万歩を目指さなくても、1日5,000〜7,500歩を目標にするといいよ。これは、だいたい30〜40分のウォーキングに相当するんだ。」

たろうくん
「それなら続けられそうだね!」

T先生
「そうだね。特に、脳にアミロイドβがたまり始めている人、つまりアルツハイマー病のリスクが高い人にとって、身体活動はとても大切な予防法になる可能性があるんだよ。」


📝 まとめ!

1日5,000〜7,500歩で、認知機能低下が50%以上遅くなる可能性がある!
少し歩くだけでも効果があり、3,000〜5,000歩でも40%の効果!
7,500歩以上歩いても効果は横ばいになるので、無理は不要!
脳のゴミ(タウ)がたまるスピードを遅くする効果がある!
観察研究なので、今後の臨床試験でさらに検証が必要!


たろうくん
「よーし!おじいちゃんに『一緒に散歩しよう』って誘ってみるね!無理せず、楽しく続けられる範囲で歩くのが大事だよね。」

T先生
「その通り!継続が一番大事だからね。それに、一緒に歩くことで会話も増えて、それも脳にいい刺激になるよ。素晴らしい提案だね、たろうくん!」😊