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医療コラム

T先生!補聴器をつけると認知症になりにくいって本当?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!補聴器をつけると認知症になりにくいって本当?

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Cribb L, Moreno-Betancur M, Pase MP, Wolfe R, Britt C, Zhou Z, Shah RC, Rance G, Sheets KM, Chong TT, Woods RL, Murray AM, Owen A, Ryan J. Treating Hearing Loss With Hearing Aids for the Prevention of Cognitive Decline and Dementia. Neurology. 2026 Feb 10;106(3):e214572. doi: 10.1212/WNL.0000000000214572. Epub 2026 Jan 14. Erratum in: Neurology. 2026 Apr 28;106(8):e214912. doi: 10.1212/WNL.0000000000214912. PMID: 41534012; PMCID: PMC13038394.

 

📢 T先生!補聴器をつけると認知症になりにくいって本当? 🦻


たろうくん
「T先生!おじいちゃんが最近テレビの音量がすごく大きくてさ。お母さんが『補聴器つけたら?』って言ってるんだけど、補聴器って認知症予防にもなるって聞いたんだ。本当なの?」

T先生
「いい質問だね、たろうくん!実はね、2026年2月にオーストラリアのモナシュ大学からNeurologyという有名な医学雑誌に発表された研究で、まさにそのことが調べられたんだよ。」


🔬 どんな研究だったの?

T先生
「この研究はASPREE研究という、オーストラリアの70歳以上の高齢者約2,777人を対象にした大規模な調査のデータを使ったんだ。難聴があるけど補聴器を使っていない人たちを7年間追跡して、補聴器を処方された人とされなかった人でどんな違いが出るかを調べたんだよ。」

たろうくん
「7年間も!すごく長い研究だね!」

T先生
「そうだね。以前のACHIEVE試験というアメリカの研究は3年間の追跡だったから、認知症のリスクまでは十分に調べられなかったんだ。だからこの研究チームは、もっと長い期間で補聴器の効果を確かめようとしたんだよ。」


📊 どんな結果が出たの?

T先生
「結果は2つの面で見る必要があるよ。まず認知機能テストの点数の変化は、補聴器ありでもなしでもほとんど差がなかったんだ(差は0.03 SD)。」

たろうくん
「えっ、じゃあ効果ないってこと?」

T先生
「ところがね、ここからが面白いんだ。認知症になるリスクを見ると、大きな差が出たんだよ!」


🧠 認知症リスクが33%も低下!

T先生
「7年後の認知症リスクは、補聴器を処方された人が5.0%、処方されなかった人が7.5%だったんだ。つまり、補聴器を使うことで認知症のリスクが約33%低下したということだよ(リスク比 0.67、95%信頼区間: 0.37-0.97)。」

たろうくん
「33%も!それってすごくない?」

T先生
「すごいよね!さらに、認知機能障害(認知症を含むもっと広い範囲の脳の衰え)のリスクも、補聴器があると36.1%、なしだと42.4%で、約15%の低下が見られたんだ。」


📈 たくさん使うほど効果的!

T先生
「もう一つ大事なことがあるよ。この研究では補聴器の使用頻度による違いも調べているんだ。」

たろうくん
「毎日使った方がいいってこと?」

T先生
「その通り!認知症のリスクを見ると…

🔹 補聴器を使わない人: 認知症リスク 7.3%
🔹 たまに使う人: 認知症リスク 6.8%
🔹 よく/いつも使う人: 認知症リスク 4.8%

T先生
「つまり、使う頻度が高いほど認知症になりにくいという傾向がはっきり出たんだ。補聴器は買って引き出しにしまっておくんじゃなくて、毎日しっかり使うことが大切だね。」

たろうくん
「なるほど~!使わないともったいないんだね!」


🤔 なぜ認知テストの点数は変わらないのに、認知症は減るの?

たろうくん
「でもT先生、テストの点数は変わらないのに認知症は減るって、なんか不思議だよね?」

T先生
「とても鋭いね!いくつかの仮説があるよ。一つは、難聴があると脳に余計な負担がかかって、もともと脳に溜まっていたアルツハイマー病の病変を悪化させる可能性があるんだ。補聴器で聞こえを改善すれば、この悪影響を抑えられるかもしれないんだよ。」

たろうくん
「脳の負担が減るってことか!」

T先生
「そう!あと、今回の対象者はもともと認知機能が比較的良い人たちだったから、テストの点数に差が出にくかった可能性もあるんだ。以前のACHIEVE試験でも、もともと認知機能が低めの人のほうが補聴器の効果が大きかったという結果が出ているからね。」


⚠️ 注意しておきたいこと

T先生
「ただし、この研究は観察研究(実際の生活の中で観察した研究)だから、『補聴器をつけたから認知症が減った』と断言はできないんだ。」

たろうくん
「どういうこと?」

T先生
「補聴器をつける人はもともと健康意識が高い可能性もあるからね。ただ、研究チームは年齢、糖尿病、教育歴、APOE遺伝子(認知症のリスク遺伝子)などたくさんの要因を調整して分析しているから、ある程度は信頼できる結果だよ。今後の長期ランダム化試験でさらなる検証が期待されているんだ。」


📝 まとめ!

70歳以上の難聴者約2,777人を7年間追跡した大規模研究
補聴器の使用で認知症リスクが約33%低下(5.0% vs 7.5%)
認知機能障害のリスクも約15%低下(36.1% vs 42.4%)
補聴器の使用頻度が高いほど、認知症リスクが低い傾向
観察研究のため因果関係の証明ではないが、補聴器の早期導入と継続使用の重要性を示唆


たろうくん
「わぁ!おじいちゃんにも教えてあげなきゃ!補聴器は認知症予防にもなるかもしれないんだね!しかも毎日ちゃんと使うことが大事なんだ!」 😊

T先生
「そうだね!難聴って『ちょっと聞こえにくいだけ』と思って放置しがちだけど、脳の健康にも影響する可能性があるから、早めに耳鼻科やかかりつけ医に相談するのが大切だよ。特に70歳以上の方は、聞こえが気になったら遠慮せずに相談してほしいな!」 🏥