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医療コラム

T先生!HPVワクチンって本当に効果があるの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!HPVワクチンって本当に効果があるの?

 

(下記の論文を元に一部AIを用いて作成しました)

Henschke N, Bergman H, Buckley BS, Crosbie EJ, Dwan K, Golder SP, Kyrgiou M, Loke YK, McIntosh HM, Probyn K, Villanueva G, Morrison J. Effects of human papillomavirus (HPV) vaccination programmes on community rates of HPV-related disease and harms from vaccination. Cochrane Database Syst Rev. 2025 Nov 24;11(11):CD015363. doi: 10.1002/14651858.CD015363.pub2. PMID: 41276264; PMCID: PMC12640735.

 

📢 T先生!HPVワクチンって本当に効果があるの? 💉


たろうくん 「T先生!最近、HPVワクチンっていうのを聞いたんだけど、本当にがんを予防できるの?それと、ネットで副作用が心配って書いてあったんだけど…」

T先生 「すごくいい質問だね!実は2024年に、世界中の225の研究をまとめた大規模な調査結果が発表されたんだ。1億3200万人以上のデータを分析した、とても信頼できる研究なんだよ。」

たろうくん 「1億人以上!?すごい数だね!それで、どんなことがわかったの?」


🎯 子宮頸がんの予防効果

T先生 「まず一番大事な結果から話すね。16歳以下でHPVワクチンを接種した人は、子宮頸がんになるリスクが約80%も減少することがわかったんだ!」

たろうくん 「80%も!?それってすごくない!?」

T先生 「本当にすごいよね。研究では、約440万人の女性を対象に調べたんだけど、ワクチンを接種した人としていない人を比較したところ、接種した人は子宮頸がんのリスクが0.37倍(つまり63%減少)になったんだ。特に、16歳以下で接種した人では0.20倍(80%減少)と、さらに効果が高かったんだよ。」

たろうくん 「なんで若い時に打った方が効果が高いの?」

T先生 「いい質問だね!HPVは主に性的接触で感染するウイルスなんだ。だから、性的に活発になる前にワクチンを打つことで、ウイルスに感染する前に予防できるんだよ。一度感染してしまうと、ワクチンの効果は下がってしまうんだ。」


🔬 がんの前段階の病変も減少

T先生 「さらに、がんになる前の段階の病変についても調べられたんだ。CIN3+っていう高度な異形成(前がん病変)が74%も減少することがわかったよ。」

たろうくん 「前がん病変?それって何?」

T先生 「子宮頸がんは、急にできるわけじゃないんだ。まずHPVに感染して、それが長く続くと異常な細胞ができてくる。その異常な細胞がCIN(子宮頸部上皮内腫瘍)っていう前がん病変になって、さらに進行するとがんになるんだよ。HPVワクチンは、この流れの一番最初の感染を防ぐことで、がんを予防しているんだ。」

たろうくん 「なるほど!元から防ぐってことだね!」

T先生 「その通り!研究では、16歳以下で接種した約150万人のデータを見たところ、CIN3+の発生が0.26倍(74%減少)になっていたんだ。CIN2+という少し軽度の病変でも、中期的には41%、長期的には62%減少していたよ。」


🦠 性器いぼの予防効果

T先生 「HPVワクチンは、がんだけじゃなくて性器いぼ(尖圭コンジローマ)の予防にも効果があるんだ。」

たろうくん 「性器いぼ?それも困るよね…」

T先生 「そうだね。これは特定の型のHPVが原因で起こる性感染症なんだ。研究では、中期的に47%、長期的には53%も減少することがわかったよ。23の研究で、ワクチン導入後に性器いぼが減ったという結果が報告されているんだ。」


⚠️ 気になる副作用は?

たろうくん 「でも、やっぱり副作用が心配なんだよね…。ネットで色々書いてあって…」

T先生 「その不安、とてもよくわかるよ。実は、この研究ではSNSで話題になっている副作用についても、しっかり調べられたんだ。」

たろうくん 「どんな副作用を調べたの?」

T先生 「例えば、体立性頻脈症候群(立ちくらみがひどくなる病気)、慢性疲労症候群麻痺複合性局所疼痛症候群(強い痛みが続く病気)、ギランバレー症候群(手足に力が入らなくなる病気)、早発卵巣不全(卵巣の機能が早く低下する)、不妊などだよ。」

たろうくん 「うわぁ、怖い病気ばかり…。それで、結果は?」

T先生 「安心して!どの副作用についても、HPVワクチンとの関連は認められなかったんだ。つまり、ワクチンを打っても打たなくても、これらの病気になる確率は変わらないということがわかったんだよ。」

たろうくん 「本当に!?じゃあ、ネットで書いてあったことは…?」

T先生 「インターネットの情報は、個人の経験談や間違った情報も多いからね。でも、科学的な大規模研究では、関連が認められなかったんだ。もちろん、どんなワクチンでも、注射した部分が痛くなったり、少し熱が出たりすることはあるけど、それは一時的なもので、重大な健康問題につながるわけじゃないんだよ。」


👨‍👩‍👧 男性にも効果があるの?

たろうくん 「ねえT先生、このワクチンって女性だけのものなの?」

T先生 「いい質問だね!確かに、子宮頸がんは女性だけの病気だけど、HPVは男性にも感染するし、男性も肛門がんや陰茎がん、頭頸部がんの原因になることがあるんだ。だから、最近は男性もワクチン接種の対象になってきているんだよ。」

たろうくん 「そうなんだ!じゃあ、男の子も受けた方がいいんだね。」

T先生 「その通り!それに、男性がワクチンを受けることで、パートナーへの感染を防ぐこともできるから、社会全体での予防効果が高まるんだよ。」


📊 どれくらいの人が研究に参加したの?

たろうくん 「1億人以上って言ってたけど、もっと詳しく教えて!」

T先生 「この研究では、世界中から225の研究が集められて、合計で1億3200万人以上のデータが分析されたんだ。その中には:

  • 86のコホート研究(同じ集団を長期間追跡する研究)
  • 46の横断研究
  • 69の前後比較研究(ワクチン導入前後を比較)
  • 5つのランダム化比較試験の延長研究

などが含まれているよ。これだけ大規模で多様な研究をまとめることで、とても信頼性の高い結果が得られたんだ。」

たろうくん 「それだけたくさんの人を調べたら、間違いないね!」


📝 まとめ!

HPVワクチンは、16歳以下で接種すると子宮頸がんのリスクを約80%減少させる!

前がん病変(CIN3+)も74%減少し、がんになる前の段階で予防できる!

性器いぼの発生も約半分に減少する!

SNSで心配されている副作用(体立性頻脈症候群、慢性疲労症候群、麻痺、ギランバレー症候群、不妊など)とワクチンの関連は認められなかった!

1億3200万人以上のデータを分析した、世界最大級の信頼できる研究結果!


たろうくん 「すごいね!こんなにたくさんの人を調べて、しっかり効果が証明されてるんだね。それに、心配されてた副作用も関係ないってわかって安心したよ!」

T先生 「そうだね!科学的な証拠に基づいて判断することが大切なんだ。HPVワクチンは、若いうちに接種することで、将来のがんを予防できる素晴らしいツールなんだよ。もちろん、ワクチンを受けるかどうかは、お医者さんとよく相談して決めることが大事だけどね。」

たろうくん 「わかった!友達にも教えてあげよう。正しい情報を知ることって大事だね!ありがとう、T先生!」😊

T先生 「どういたしまして!わからないことがあったら、いつでも聞いてね。」