T先生!RSウイルスのワクチンが定期接種になるって本当?
- 2025年11月22日
- 2025年11月24日(更新)
- 教えて!T先生,最近の研究,子どもの健康,妊婦・授乳婦さんの健康
📢 T先生!RSウイルスのワクチンが定期接種になるって本当? 💉👶
たろうくん
「T先生!ニュースで『RSウイルスのワクチンが定期接種になる』って聞いたんだけど、これってどういうこと?」
T先生
「とても大事なニュースだね!2026年4月から、RSウイルス感染症を予防するワクチン(アブリスボ)が、妊婦さんを対象に定期接種として始まることになったんだよ。」
たろうくん
「妊婦さんが打つの?赤ちゃんじゃなくて?」
T先生
「そうなんだ。これは母子免疫ワクチンって呼ばれていて、妊婦さんがワクチンを打つことで、お母さんの体の中で作られた抗体が胎盤を通っておなかの赤ちゃんに移って、生まれた瞬間からRSウイルスから守ってくれるんだよ。」
🦠 RSウイルスってどんな病気?
たろうくん
「RSウイルスって、そんなに怖い病気なの?」
T先生
「実は、2歳までにほぼ100%の子どもが感染するとても身近なウイルスなんだ。風邪のような症状を引き起こすウイルスで、潜伏期間は4〜5日くらいだよ。」
たろうくん
「え!みんなかかるの?じゃあ、そんなに心配しなくてもいいんじゃない?」
T先生
「ところがね、問題は重症化なんだ。感染した子どもの約70%は軽症で回復するんだけど、約30%が細気管支炎や肺炎といった下気道疾患に進展してしまうんだよ。特に、初めて感染したときが最も重症化しやすいという特徴があるんだ。」
たろうくん
「30%って、結構多いね…。」
T先生
「そうなんだ。さらに、RSV入院のピークは生後1ヶ月なんだよ。通常の予防接種は生後2ヶ月から始まるから、その前の1ヶ月間は赤ちゃんが守られない空白期間になってしまうんだ。だから、生まれる前から抗体を持っておくことがとても大事なんだよ。」
😰 入院したら、その後どうなるの?
たろうくん
「RSウイルスで入院しちゃったら、治った後はどうなるの?」
T先生
「これがとても重要なポイントなんだ。研究によると、1歳未満でRSウイルスにより入院した赤ちゃんは、3歳、7歳、13歳時点での喘息発症リスクが有意に増加することが分かっているんだよ。」
たろうくん
「えっ!後々まで影響が残るんだ…。」
T先生
「そうなんだ。しかも、赤ちゃんが入院すると、親の就労や睡眠に大きな影響を与えて、家族全体に負担がかかるんだよ。だから、できるだけ予防することが大切なんだね。」
💉 アブリスボってどんなワクチン?
たろうくん
「『アブリスボ』っていう名前のワクチンなんだね。いつ打つの?」
T先生
「このワクチンは、妊娠24週から36週の間に打つことができるよ。ただし、十分な抗体を赤ちゃんに移すためにはタイミングがとても重要なんだ。」
たろうくん
「どのタイミングがベストなの?」
T先生
「出産予定日の少なくとも14日前までの接種が目標だよ。実際の診療では、有効性と出産時期のバランスから、妊娠32〜34週頃に接種することが推奨されることが多いんだ。国の制度では妊娠28〜36週が対象になっているよ。」
たろうくん
「へぇ〜!妊娠7ヶ月から9ヶ月くらいの時期だね。」
🛡️ どのくらい効果があるの?
たろうくん
「このワクチン、どのくらい赤ちゃんを守ってくれるの?」
T先生
「すごく効果的なんだよ!最もリスクの高い生後3ヶ月以内の重症化リスクを80%以上低減することが分かっているんだ。つまり、受診が必要なほど重症なRSウイルス下気道疾患を、10人中8人以上防げるということだよ。」
たろうくん
「80%以上!それはすごいね!」
T先生
「うん。このワクチンの素晴らしいところは、出生直後から抗体を持っているから、生まれた瞬間、最初の呼吸から守ることができることなんだ。最もリスクが高い生後6ヶ月間をしっかりカバーしてくれるんだよ。」
🤰 妊婦さんへの安全性は?
たろうくん
「でも、妊娠中にワクチンを打って、お母さんや赤ちゃんは大丈夫なの?」
T先生
「とてもいい質問だね。安全性についてはしっかり研究されているよ。副反応は、プラセボ(偽薬)と比較して注射した部位の局所反応は多いけれど、全身への影響は軽微だったんだ。」
たろうくん
「早産のリスクとかは増えないの?」
T先生
「それも調べられていてね、国際共同治験では数値的な差は見られたけど、統計学的には有意差がなかったんだよ。具体的には、**アブリスボ群で5.6%、プラセボ群で4.7%**だったんだ。面白いことに、日本人の集団ではワクチン群の方が低い傾向にあったんだよ。規制当局も安全性を確認しているから、安心して使えるワクチンなんだ。」
📋 「A類疾病」ってどういう意味?
たろうくん
「ニュースで『A類疾病に位置付け』って言ってたけど、これって何のこと?」
T先生
「A類疾病っていうのは、みんなで予防することが大切な病気のことだよ。はしかや風疹、日本脳炎みたいに、多くの人がワクチンを打つことで、社会全体で病気が広がるのを防げる病気のことなんだ。」
たろうくん
「A類疾病になると、何か変わるの?」
T先生
「大きく3つのメリットがあるよ。1つ目は国や自治体がワクチン接種を勧めてくれること。2つ目は接種費用が無料か、とても安くなること。3つ目はどこの自治体でも同じように受けられるようになることだね。お金の心配をしないで、安心してワクチンが打てるんだよ。」
⏰ 逃してはいけない接種の機会
たろうくん
「じゃあ、後からでも打てるの?」
T先生
「それが、このワクチンの特別なところなんだ。他のワクチンと違って、妊娠中の厳格な接種期間(24〜36週)があるから、その時期を逃したら打てないんだよ。」
たろうくん
「えっ!後から『やっぱり打ちたい』って思っても、無理なんだ…。」
T先生
「そうなんだ。だから、『知っていれば打ったのに』と後悔するお母さんを一人も出さないようにすることが、とても大事なんだよ。妊娠したら早めに産婦人科で相談して、妊娠28〜36週での接種計画を立てることが重要なんだ。」
🏥 抗体製剤っていうのもあるの?
たろうくん
「ニュースで『抗体製剤』っていう言葉も聞いたんだけど、これは何?」
T先生
「いい質問だね!抗体製剤は、ワクチンとは違って、すでに作られた抗体を赤ちゃんに直接注射するお薬なんだ。これも赤ちゃんをRSウイルスから守るのにとても有効なんだよ。」
たろうくん
「じゃあ、抗体製剤も定期接種になるの?」
T先生
「今回は母子免疫ワクチンだけが定期接種になったんだけど、抗体製剤も2025年度中に議論を始めて、なるべく早く定期接種にする方針が打ち出されたんだ。専門家の中には、『赤ちゃんが守られない期間ができるのは受け入れがたい』という意見もあって、できるだけ早く実現するように進められているよ。」
💊 その他のワクチンの変更点
T先生
「実は、この日の会議では、他にも2つの大きな変更が決まったんだよ。」
たろうくん
「どんな変更?」
T先生
「1つ目は、2026年10月から、75歳以上の高齢者がインフルエンザの定期接種を受けるときに、高用量ワクチンも選べるようになること。高用量ワクチンは、普通のワクチンよりも抗原の量が多くて、高齢者により高い効果があるんだよ。」
たろうくん
「へぇ〜!それはいいね。もう1つは?」
T先生
「2つ目は、HPVワクチン(子宮頸がんを予防するワクチン)が9価ワクチンだけになること。今まで使われていた2価と4価のワクチンは、2026年度から定期接種では使わなくなるんだ。9価ワクチンはより多くの種類のHPVから守ってくれるから、これで統一されるんだよ。」
📝 まとめ!
✅ 2026年4月から、RSウイルス感染症の母子免疫ワクチン(アブリスボ)が定期接種(A類疾病)になる!
✅ 妊娠28〜36週に接種することで、生後3ヶ月以内の重症化リスクを80%以上低減できる!
✅ RSウイルスは2歳までにほぼ100%が感染し、30%が重症化、後に喘息リスクも増加する!
✅ 接種期間は限られているため、『知っていれば打ったのに』と後悔しないよう早めの相談が大切!
✅ 抗体製剤の定期接種化も議論中で、75歳以上の高用量インフルエンザワクチンやHPVワクチンの9価統一も決定!
たろうくん
「なるほど!RSウイルスってみんながかかるウイルスだけど、特に小さな赤ちゃんには怖い病気なんだね。でも、妊娠中にワクチンを打つことで、生まれた瞬間から守れるなんてすごい!」
T先生
「そうだね!妊婦さんがワクチンを打つことで、生まれたばかりの赤ちゃんを守れるなんて、本当に素晴らしい医学の進歩だよね。ただし、接種できる期間が限られているから、妊娠したら早めにかかりつけの産婦人科で相談することが大切だよ。」
たろうくん
「うん!今度、妊娠している親戚に『アブリスボ』のこと教えてあげるね!ありがとう、T先生!」😊
