🔎 ビタミンDの必要量が増えたって本当?
たろうくん
「T先生!ビタミンDのことで気になることがあるんだ。昔より必要な量が増えたって本当?」
T先生
「そうなんだよ。2001年の基準では、男性は1日 2.9マイクログラム、女性は 3.0マイクログラム でよかったんだけど、今は 男女とも8.5マイクログラム が必要になったんだ。約 3倍 に増えたことになるね。」
たろうくん
「えー!そんなに増えたの?ビタミンDが足りないと、どんな悪いことが起きるの?」
⚠️ ビタミンD不足で起こる7つの症状(※①)
① すぐ疲れちゃう 💤
「疲れが長く続く人は、ビタミンD不足の可能性があるよ。」
② 風邪をひきやすくなる 🤧
「ビタミンDは免疫力を高めるから、風邪の予防になるんだ※②。コロナの後遺症が改善したケースもあるよ!」
③ 骨が痛くなる 🦴
「特に若いのに骨粗しょう症になる人は、ビタミンD不足の可能性が高いんだ。」
④ 筋肉が痛くなる 💪
「慢性的な痛みがある人の 71% がビタミンD不足だったという研究結果※③もあるよ。」
⑤ 傷の治りが遅くなる 🩹
「日照時間が短くビタミンDが不足しやすいアイルランドの研究※④で、ビタミンDが少ない人は 炎症が起こりやすかった ことが分かっているんだ。」
⑥ 髪の毛が抜けやすくなる 🏵️
「48人の脱毛症の患者さんの 約70% がビタミンDクリームで改善したという報告※⑤や、びまん性脱毛のある人はビタミンDが不足しているという報告※⑥もあるよ。」
⑦ 太りやすくなる、糖尿病になりやすくなる 🍩
「ビタミンDは 糖尿病の予防 に効果があるって研究※⑦がいくつもあるんだ。」
🧐 そもそも、ビタミンDはなぜこんなに大事なの?
T先生
「ビタミンDは、体の中で 免疫力を高めたり、炎症を抑えたり、細胞の働きを調整 したりする大切な役割を持っているんだ。だから、不足すると いろんな症状 が出てくるんだよ。」
たろうくん
「そんなに大事なら、みんなちゃんと取れてるの?」
T先生
「実は、2013年の日本人を対象とした研究※⑧では…」
✅ 70~85%の男性
✅ 約90%の女性
が ビタミンD不足 だったんだ!
🍣 どうやってビタミンDを取ればいいの?
T先生
「食事だけで 8.5マイクログラム 取るのは難しいんだ。例えば…」
🦈 サケ1切れ(約30マイクログラム) → これを毎日食べるのは難しいよね?
たろうくん
「じゃあ、サプリメントを飲めば大丈夫?」
T先生
「それが難しいところなんだ。サプリを飲んでも 健康に良い影響がない という研究結果もあるんだよ。でも、食事だけでは足りないし…」
🌞 効率よくビタミンDを取る方法!
1️⃣ 食事でできるだけ取る!
🐟 魚(サケ・サバ)、🥚 卵、🍄 きのこ類 に多く含まれているよ!
2️⃣ 日光を浴びる!
☀️ 1日15~30分 の日光浴で、体の中でビタミンDが作られるよ!
3️⃣ どうしても足りないなら、お医者さんに相談!
💊 サプリメントを使うかどうかは、お医者さんと相談しよう!
🩸 自分のビタミンD不足をチェックするには?
T先生
「血液検査で調べることができるんだよ!でも保険が使えないから、1回で2,000円~3,000円くらいかかってしまうんだ。それでも、年に1回くらいは検査することをお勧めしているよ。特に、すぐ疲れちゃったり、風邪をひきやすかったり、骨や筋肉の痛みがある人は要注意だね。」
💰 1回2,000~3,000円(当院では税込2,200円)
📊 理想的な血中濃度は30~50 ng/mL
🛑 20~30 ng/mL → 『不足』
🚨 20 ng/mL未満 → 『欠乏症』
📌 まとめ!
✅ ビタミンDの必要量は3倍に増えた!(8.5マイクログラム/日)
✅ ビタミンD不足で「疲れやすい」「風邪をひきやすい」「骨や筋肉が痛い」などの症状が出る!
✅ 日本人の7~9割はビタミンDが足りていない!
✅ 食事+日光浴でビタミンDをしっかり取ろう!
✅ 足りない場合はサプリメント!
✅ 年に1回は血液検査でチェックしてみよう!
たろうくん
「なるほど!これからは食事にも気をつけて、適度に日光を浴びるようにする!でも取りすぎにも気をつけないとだね。」
T先生
「その通り!ビタミンDは足りないのも良くないけど、取りすぎも問題があるんだ。バランスが大切だね。分からないことがあったら、いつでも相談してね。」
たろうくん
「ありがとう、T先生!すっごくよく分かったよ!」 😊
※そのほか、ビタミンD関連コラム
『T先生!ビタミンDと頭痛について教えて!』
『T先生!妊娠中のビタミンDについて教えて!』
『T先生!ビタミンDが低いと筋肉が衰えちゃうの?』
『T先生!産後うつ病とビタミンDについて教えて!』
『T先生!ビタミンDがアレルギーに効くって本当?』
『T先生!日焼けに気を付けながら日光浴をする方法を教えて!』
※参考情報
①英紙「The Telegraph(2024.12.22)」より「Seven signs you’re deficient in vitamin D」
②Jolliffe DA, Camargo CA Jr, Sluyter JD, Aglipay M, Aloia JF, Ganmaa D, Bergman P, Borzutzky A, Damsgaard CT, Dubnov-Raz G, Esposito S, Gilham C, Ginde AA, Golan-Tripto I, Goodall EC, Grant CC, Griffiths CJ, Hibbs AM, Janssens W, Khadilkar AV, Laaksi I, Lee MT, Loeb M, Maguire JL, Majak P, Mauger DT, Manaseki-Holland S, Murdoch DR, Nakashima A, Neale RE, Pham H, Rake C, Rees JR, Rosendahl J, Scragg R, Shah D, Shimizu Y, Simpson-Yap S, Kumar GT, Urashima M, Martineau AR. Vitamin D supplementation to prevent acute respiratory infections: systematic review and meta-analysis of aggregate data from randomised controlled trials. medRxiv [Preprint]. 2020 Nov 25:2020.07.14.20152728. doi: 10.1101/2020.07.14.20152728. Update in: Lancet Diabetes Endocrinol. 2021 May;9(5):276-292. doi: 10.1016/S2213-8587(21)00051-6. PMID: 33269357; PMCID: PMC7709175.
③von Känel R, Müller-Hartmannsgruber V, Kokinogenis G, Egloff N. Vitamin D and central hypersensitivity in patients with chronic pain. Pain Med. 2014 Sep;15(9):1609-18. doi: 10.1111/pme.12454. Epub 2014 Apr 14. PMID: 24730754.
④Laird E, McNulty H, Ward M, Hoey L, McSorley E, Wallace JM, Carson E, Molloy AM, Healy M, Casey MC, Cunningham C, Strain JJ. Vitamin D deficiency is associated with inflammation in older Irish adults. J Clin Endocrinol Metab. 2014 May;99(5):1807-15. doi: 10.1210/jc.2013-3507. Epub 2014 Feb 25. PMID: 24606079.
⑤Sawako Shindo, Satoru Kakizaki, Toshiyuki Sakaki, Yuki Kawasaki, Tsutomu Sakuma, Masahiko Negishi, Ryota Shizu, Phosphorylation of nuclear receptors: Novelty and therapeutic implications, Pharmacology & Therapeutics, Volume 248, 2023,
⑥Nayak K, Garg A, Mithra P, Manjrekar P. Serum Vitamin D3 Levels and Diffuse Hair Fall among the Student Population in South India: A Case-Control Study. Int J Trichology. 2016 Oct-Dec;8(4):160-164. doi: 10.4103/ijt.ijt_57_16. PMID: 28442870; PMCID: PMC5387874.
⑦Pittas AG, Jorde R, Kawahara T, Dawson-Hughes B. Vitamin D Supplementation for Prevention of Type 2 Diabetes Mellitus: To D or Not to D? J Clin Endocrinol Metab. 2020 Dec 1;105(12):3721–33. doi: 10.1210/clinem/dgaa594. PMID: 32844212; PMCID: PMC7571449.
⑧Yoshimura, N., Muraki, S., Oka, H. et al. Profiles of vitamin D insufficiency and deficiency in Japanese men and women: association with biological, environmental, and nutritional factors and coexisting disorders: the ROAD study. Osteoporos Int 24, 2775–2787 (2013).