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医療コラム

T先生!コロナのワクチンって、後遺症も防いでくれるの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!コロナのワクチンって、後遺症も防いでくれるの?

📢 T先生!コロナのワクチンって、後遺症も防いでくれるの? 🏥

(文末の参考文献をもとに、一部AIを用いて作成しました)

この記事のまとめ
研究をまとめた解析では、追加接種を受けた人は初回接種だけの人にくらべて後遺症の起こりやすさが23%低いという結果でした。
2026年10月から、65歳以上などを対象にコロナワクチンの定期接種が始まります。
インフルエンザワクチンとの同じ日の接種もできます。学会は「早めの接種を」と勧めています。


たろうくん
「T先生! うちのおじいちゃん、『コロナはもう軽いんでしょ』ってワクチンを打つ気がないんだ。」

T先生
「うん、その声はよく聞くよ。でもね、僕がワクチンでいちばん期待しているのは、後遺症を減らすことなんだ。当院にも、コロナのあとの不調が数年続いている患者さんがいるからね。」


😷 コロナ後遺症(罹患後症状)はどのくらいの人に残るのか

T先生
「コロナのあとに続く不調を、医学では罹患後症状と呼ぶんだ。出方は人によってちがうけれど、日常生活に支障をきたす程度の症状が3か月以上続く人がいるんだよ。」

📌 どのくらいの人に起きているか
🔹 日常生活に支障をきたす程度の症状が3か月以上続いた人は、70歳以上で15.7%(2022年11月の国内調査)
🔹 オミクロン株によるコロナでも、3か月以上続く人が9%(三重県5医療機関の調査)

たろうくん
「70歳以上だと、6〜7人に1人くらい……けっこう多いね。」

T先生
「しかもね、入院しないような軽いコロナでも影響は残る。アメリカで、入院を必要としなかった50歳以上を3年間追った研究では、フレイル——年齢とともに体力や気力が落ちた状態——に進む危険が1.66倍になっていた。年齢が上がるほど高くなっていたよ。」

たろうくん
「軽くすんでも、そのあとが変わっちゃうんだ……。」

T先生
「つまり、コロナの怖さは急性期だけでは測れない、ということだね。」


💉 ワクチンで後遺症は減るのか——研究をまとめた解析の結果

たろうくん
「じゃあ、ワクチンで後遺症は防げるの?」

T先生
「そこが今日の本題だね。2025年に、オミクロン株のあとの後遺症をどこまで防げるかを調べた研究をまとめた解析が発表されたんだ。」

📌 Green らのメタ解析(Nature Communications, 2025)
🥇 接種した人 vs していない人 … 後遺症のオッズ比0.77(95%信頼区間0.70〜0.85/10研究)
🥈 追加接種した人 vs 初回接種だけの人オッズ比0.77(0.65〜0.92/3研究)=23%低い

たろうくん
「打った人のほうが、後遺症になりにくいってこと?」

T先生
そう読める、というところまでだね。著者たち自身が『研究の数が少なく、エビデンスの質が低いので慎重に解釈すべきだ』と断っていて、確実性の評価は『非常に低い』とされているんだ。だから『打てば後遺症にならない』とは言えない。でも、未接種→初回接種→追加接種の順に数字が良くなる並びにはなっている。僕はそこに賭ける価値があると思っているよ。」


📉 高齢者のコロナは、いまも死亡数がインフルエンザの3.3倍

T先生
「『もう軽い病気でしょ』という感覚とのズレも、数字で見ておこうか。」

📌 2025年の65歳以上の死亡数(人口動態統計・概数)
🔹 新型コロナ … 21,003人
🔹 インフルエンザ … 6,333人(コロナはその 3.3倍

たろうくん
「えっ、コロナのほうがずっと多いんだ!」

T先生
「そうなんだ。それなのに、2024年度に定期接種を受けた65歳以上は19.0%と推定されている。5人に1人だね。」


🗓️ 2026年10月からの定期接種:対象になるのは誰?

T先生
「2026年10月から、流行株に合わせた最新のワクチンでの定期接種が始まるよ(どの製剤を使うかは国の審議会で決まる仕組みなんだ)。対象は65歳以上の人と、60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器の機能やHIVによる免疫の機能に障害があり、身のまわりの生活が極度に制限される人など。年に1回だよ。」

たろうくん
「前にコロナにかかった人は?」

T先生
かかった人も対象だよ。オミクロン株にかかったあとの再感染を防ぐ力は時間とともに下がって、1年以上たつとほぼ消えると報告されているからね。ただし最近かかったばかりなら、3か月ほど接種を延期することもできるんだ。」


🤝 インフルエンザワクチンとの同時接種はできるの?

たろうくん
「インフルのワクチンも打つよね。2回も来るの大変だなあ。」

T先生
同じ日に打てるよ。日本感染症学会・日本呼吸器学会・日本ワクチン学会の3学会は、2026年9月1日の見解で『インフルエンザワクチンとの同時接種を利用した早いタイミングでの接種が望まれます』と書いているんだ。肺炎球菌や帯状疱疹のワクチンも、医師が特に必要と認めた場合には同じ日に打てるよ。」

たろうくん
「じゃあ、おじいちゃんも1回の受診ですむんだね!」

T先生
「そう。1回ですませられるほうが、始めるハードルは下がるよね。迷ったら、かかりつけの先生に相談してみてね。」


📝 まとめ!

ワクチンには、後遺症を減らす方向の報告がある
追加接種を受けた人は、初回接種だけの人より後遺症のオッズ比が0.77(23%低い)。僕がいちばん期待しているのはここ。

ただし「打てば後遺症にならない」ではない
研究の数が少なく、確実性は「非常に低い」と著者自身が断っている。減らす方向に働く、という読み方が正しい。

軽いコロナでも、そのあとが変わることがある
入院を必要としなかった50歳以上で、フレイルに進む危険が1.66倍になったという報告がある。

高齢者のコロナは、いまも死亡数がインフルエンザの3.3倍
2025年の65歳以上の死亡は21,003人(概数)。それでも2024年度の接種は19.0%と推定されている。

10月開始。インフルエンザワクチンと同じ日に打てる
対象は65歳以上など。過去にかかった人も対象で、受診1回で両方すませられる。


たろうくん
「おじいちゃんに『後遺症を減らすためだよ』って伝えてみる!」 😊

T先生
「うん、その言い方がいちばん届くと思うよ。10月になったら声をかけてね。」


📚 参考文献

日本感染症学会・日本呼吸器学会・日本ワクチン学会『2026年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解』2026年9月1日

Green R, et al.『A systematic review and meta-analysis of the impact of vaccination on prevention of long COVID』Nat Commun 2025;16:10326

Sugiyama A, et al.『Natural course of post-COVID symptoms in adults and children』Sci Rep 2024;14(1):3884

Moritani I, et al.『Prevalence of and risk factors for long COVID following infection with the COVID-19 omicron variant』Med Int (Lond) 2025;5(2):17

Resendes NM, et al.『The association of non-severe COVID-19 infection and progression to frailty among robust older veterans』J Nutr Health Aging 2024;28(8):100296

厚生労働省『人口動態統計