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医療コラム

T先生!うちの子、休みの日に寝だめしてるけど、それでいいの?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!うちの子、休みの日に寝だめしてるけど、それでいいの?

📢 T先生!うちの子、休みの日に寝だめしてるけど、それでいいの? 🏥

(文末の参考文献をもとに、一部AIを用いて作成しました)

この記事のまとめ
休日に長く眠らないと足りないのは、平日の睡眠が不足しているサインです。平日と休日で睡眠の時間帯がずれた状態を「社会的時差ぼけ」と呼びます。
目安は小学生9〜12時間、中学・高校生8〜10時間。実際には小学生の92%が届いていません。
まずは1週間、起きた時刻と寝た時刻を書き出すところから始めてください。


たろうくん
「T先生!ぼく日曜はお昼まで寝てるんだ。お母さんも『休みの日くらい』って言うし、いいことだよね?」

T先生
「気持ちはよく分かるよ。でもね、ここが大事なところなんだけど——休日に長く眠らないと足りないのは、平日が足りていないサインなんだ。厚生労働省の睡眠ガイドにもそう書いてある。」

たろうくん
「えっ。ごほうびだと思ってた!」


😴 休日の寝だめと「社会的時差ぼけ」

📌 社会的時差ぼけ(Social Jetlag)とは
平日と休日の「睡眠中央時刻」(寝ついた時刻と起きた時刻の中間点)の差のこと。差が大きいと、日中の不調や将来的な健康リスクにつながることが指摘されている。
(東京大学ほか「子ども睡眠健診」プロジェクト 2026年9月3日 発表資料)

T先生
「厚労省のガイドでは、毎週末に時差のある地域へ旅行を繰り返すことに似ているから、この名前がついたと説明されているよ。」

たろうくん
「あー…だから月曜の朝がつらいのか。」

T先生
「ガイドには、寝だめのために休日の起床時刻が大きく遅れると体内時計が混乱するとも書いてあるんだ。」


📊 子どもの睡眠時間は小学生の9割超が足りていない

T先生
「東京大学と久留米大学が、腕時計型の機械で子どもの睡眠を実際に測っていてね。2022年9月から2026年7月までに、全国の延べ247校・延べ21,696人が参加したんだ。」

たろうくん
「2万人以上!? 機械で測ったの?」

T先生
「そこが大事なところ。本人の記憶じゃなくて機械の記録なんだ。分かったのがこれ。」

📌 推奨の睡眠時間を満たしていない子どもの割合
小学生 92%(9時間未満)/中学生 81%(8時間未満)/高校生 93%(8時間未満)
(東京大学ほか「子ども睡眠健診」プロジェクト・中間報告2025/2025年12月までのデータ)

たろうくん
「ほとんど全員じゃん…!」

T先生
「そう。足りていないのが”普通”になってしまっている。だから周りと比べても気づけないんだ。」


🕐 子どもの睡眠時間の目安は小学生9〜12時間、中高生8〜10時間

たろうくん
「じゃあ、何時間寝ればいいの?」

📌 こどもの睡眠時間の目安
小学生 … 9〜12時間/中学・高校生 … 8〜10時間
米国睡眠医学会の推奨をもとに、厚生労働省が「参考に確保すること」をすすめている。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」2024年2月・こども版)

T先生
「ポイントは寝る時刻から決めないこと。ガイドは小学生以降は、早起きの習慣を保ったうえで、推奨睡眠時間から逆算して夜寝る時刻を決めるようすすめているんだ。」

たろうくん
「7時に起きるなら、小学生で10時間なら…夜9時?」

T先生
「その計算でいいよ。起きる時刻が先、寝る時刻が後。順番が逆になると、だいたい足りなくなる。」


🍚 子どもの睡眠不足で報告されていること

たろうくん
「でもさ、ちょっと寝不足なだけでしょ?」

📌 こどもの睡眠不足で報告されていること
🔹 肥満のリスクが高くなる 🔹 抑うつ傾向が強くなる
🔹 学業成績が低下する 🔹 幸福感や生活の質(QOL)が低下する
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」こども版)

たろうくん
「成績まで!?」

T先生
「ガイドには睡眠には心身の休養と、脳と身体を成長させる役割があると書かれている。育てる時間でもあるんだね。大人については社会的時差ぼけが肥満や糖尿病、うつ病のリスクと関係すると報告されているけれど、それは大人のデータで、子どもにそのまま当てはめる話ではないからね。」


🏫 睡眠に改善傾向がみられた学校で続けられていたこと

T先生
「ここからが今回いちばん面白いところ。複数年つづけて参加した学校の中に、子どもの睡眠に改善傾向がみられる学校が出てきたんだ。睡眠時間の延長、平日と休日の入眠時刻のズレの縮小、量・質・リズムの全体評価——この3つだよ。」

たろうくん
「何をしてたの?」

📌 改善傾向がみられた学校で継続的に行われていたこと
1️⃣ 定期的に、客観的に測る(=「睡眠健診」の実施)
2️⃣ 学校全体で参加し、みんなで取り組む
3️⃣ 測ったあとのレポートを活用し、睡眠を学ぶ機会をつくる
(東京大学ほか「子ども睡眠健診」プロジェクト 2026年9月3日 発表資料)

たろうくん
「なんだ、”早く寝なさい”じゃないんだ。」

T先生
「そこなんだよ。まず”見える化”する。発表資料も、見える化して学校や家庭で続けることが睡眠改善につながる可能性がある、という書き方をしている。」

たろうくん
「やれば絶対よくなる?」

T先生
「そこは正直に言うね。今回の発表資料には、何もしなかった学校と比べた結果も、どれくらい良くなるかの数字も示されていないんだ。だから『必ず良くなる』とは言えない。でも、まず記録することに損はない。ここは自信を持ってすすめられるよ。」


🌞 夜ふかし・朝寝坊を防ぐために家でできること

📌 今日からできる3つ
☀️ 休日も、平日と同じ時間に起きて日光を浴びる
🍚 朝ごはんを食べる(抜くと夜ふかし・朝寝坊がさらに進む)
📱 デジタル機器は寝室に持ち込まず、電源を切って別の部屋へ(小・中・高校生は1日60分以上からだを動かし、スクリーンタイムは2時間以下が推奨)
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」こども版)

たろうくん
「休みの日も同じ時間に…!? じゃあ足りない分はお昼寝すればいい?」

T先生
「それがね、ガイドには4〜5歳を過ぎると昼寝の必要性は下がって、かえって夜の寝つきの悪さや朝の目覚めの悪さが悪化する可能性があると書いてあるんだ。だから足りない分は、平日の寝る時刻を早めて取り戻すほうがいい。」

たろうくん
「昼寝じゃなくて、平日を早くするんだね。」


🏥 朝起きられないときは相談を

T先生
「最後にひとつ。朝どうしても起きられない、遅刻が増える、登校がつらい——ここまで来たら生活習慣だけの問題ではないことがある。睡眠・覚醒相後退障害という睡眠の病気があってね。ガイドによると、その6割近くに起立性調節障害を合併すると報告されているんだ。」

たろうくん
「怒られる話じゃないんだね。」

T先生
気合いや根性の話ではないからね。怒る前に、測る。それだけで景色が変わることがあるよ。」


📝 まとめ!

休日の寝だめは”ごほうび”ではなく”サイン”
休日に長く眠らないと足りないのは、平日の睡眠が不足している合図です。

目安は小学生9〜12時間、中学・高校生8〜10時間
実際には小学生の92%・中学生の81%・高校生の93%が届いていません。

寝る時刻ではなく、推奨睡眠時間から逆算する
早起きの習慣を保ったまま、そこから逆算して寝る時刻を決めるのがガイドの勧めです。

「早く寝なさい」より、まず”見える化”
改善傾向がみられた学校では、①定期的に測る ②学校全体で取り組む ③結果を見て学ぶ、が続けられていました。

朝起きられない・遅刻が増えるときは相談を
睡眠・覚醒相後退障害は、6割近くに起立性調節障害を合併すると報告されています。


たろうくん
「よし、今度の日曜も7時に起きてみる! ……1回だけね!」 😊

T先生
「1回でいいよ。まずは1週間、書き出すところからね。」


📚 参考文献

・東京大学大学院医学系研究科・東京大学大学院教育学研究科・久留米大学『「子ども睡眠健診」プロジェクトで見えてきた睡眠改善への手がかり』2026年9月3日

・東京大学大学院医学系研究科・久留米大学『「子ども睡眠健診」プロジェクト・中間報告2025』2026年3月18日

・厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会『健康づくりのための睡眠ガイド2023』2024年2月

・「子ども睡眠健診」プロジェクト公式サイト(https://sys-pharm.m.u-tokyo.ac.jp/childsleep/