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医療コラム

痛みを伴う糖尿病性神経障害の治療について|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

痛みを伴う糖尿病性神経障害の治療について

(下記の論文について、一部AIを使って作成しました)

Wu CS, Huang YJ, Ko YC, Lee CH. Efficacy and safety of duloxetine in painful diabetic peripheral neuropathy: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Syst Rev. 2023 Mar 21;12(1):53. doi: 10.1186/s13643-023-02185-6. PMID: 36945033; PMCID: PMC10031998.

 

指導医: こんにちは、今回は、糖尿病性末梢神経障害に対する治療薬についての最近の研究を見てみましょう。

 

研修医: はい、お願いします!

 

指導医: これまでに4つのランダム化比較試験で、デュロキセチンの糖尿病性末梢神経障害の治療効果が証明されています。また、デュロキセチンは長期的な治療において、ルーチンケアよりも優れていることが3つの52週間の段階研究で明らかになっています。

 

研修医: しかし、別の研究では、デュロキセチンとルーチンケアの有効性については、痛みのコントロールにおいて有意な差は見られなかったそうですね。

 

指導医: そうです。他にも、抗てんかん薬、プレガバリン、ガバペンチン、そして一部の抗うつ薬(三環系抗うつ薬を含む)が糖尿病性末梢神経障害の治療に使用されていますが、ほとんどが部分的にしか効果がありません。さらに、副作用が原因でしばしば中止されています。

 

研修医: そうなんですね。プレガバリンは神経痛に対して処方しますが、デュロキセチンと比較してどうでしょうか?

 

指導医: いくつかの研究では、糖尿病性末梢神経障害におけるデュロキセチンの痛み緩和効果が、プレガバリンと同等またはそれ以上であることが報告されています。最近のシステムレビューやメタアナリシスでも、デュロキセチンの有効性が確認されています。

 

研修医: それは興味深いですね。今回の研究では、どのような結果が得られたのでしょうか?

 

指導医: 今回の研究では、プラセボと比較してデュロキセチンが患者の痛みスコアを大幅に改善し、総加重平均で週間平均24時間痛みスコアの低下が2.62MD -0.89; P < 0.00001)であることが示されています。さらに、すべての患者の45.6%50%の痛み減少を、64.5%30%の痛み減少を経験しました。これはデュロキセチンの糖尿病性末梢神経障害治療における臨床的有効性を示しています。

 

研修医: また、デュロキセチンは、糖尿病性末梢神経障害患者の身体的および精神的健康および生活の質を大幅に向上させたとも言われていますね。

 

指導医: その通りです。今回の研究では、20 mg40 mg60 mg、および120 mg4つのデュロキセチンの投与量が比較されています。結果として、40 mgの投与量が最も効果的で、60 mg120 mgの投与量と同等の効果がありました。

 

研修医: しかし、副作用についてはどうでしょうか?

 

指導医: 重篤な副作用の発生率は低く、プラセボと比較しても高くないことが示されています。ただし、一般的な副作用として、吐き気、眠気、めまい、疲労、便秘、食欲減退が報告されています。これらの一般的な副作用のために、約12.6%の患者が研究から脱落しました。全患者の約71.3%が少なくとも1つの副作用を経験しました。

 

研修医: それは注意が必要ですね。では、この研究の結論は何でしょうか?

 

指導医: このシステムレビューとメタアナリシスの結果から、糖尿病性末梢神経障害の患者に対して、デュロキセチンはプラセボよりも痛みの緩和や生活の質の改善に効果があるとされています。デュロキセチンは重篤な副作用が稀であるため安全ですが、一部の一般的な副作用については、患者に注意喚起し、症状に応じた対策を行う必要があります。この研究は、今後の糖尿病性末梢神経障害患者向けの適切な治療戦略を開発するための参考になるでしょう。

 

研修医: ありがとうございます。大変参考になりました!今後の研究や治療法の発展が楽しみですね。

 

指導医: そうですね。今後も新しい研究や治療法の進歩に注目していきましょう。