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医療コラム

T先生!温泉やスーパー銭湯でうつる肺炎があるって本当?|つじファミリークリニック|大野城市東大利にある内科・ペインクリニック

T先生!温泉やスーパー銭湯でうつる肺炎があるって本当?

📢 T先生!温泉やスーパー銭湯でうつる肺炎があるって本当? 🏥

(下記の資料を元に一部AIを用いて作成しました)
国立健康危機管理研究機構(JIHS)「レジオネラ症」 / 「レジオネラ症(詳細版)」
発生状況: JIHS「IDWR速報データ 2026年第30週」 / 福岡県「感染症発生動向調査感染症週報 令和8年第31週」

この記事のまとめ
レジオネラ症は、菌を含んだ細かい水しぶきや粉じんを吸い込んで起きる感染症です。飲んでうつるのでも、人からうつるのでもありません。2026年は7月26日までに全国で1,386件(速報値)が報告されています。
潜伏期は2〜10日。旅行や帰省から数日たって高熱・咳・息苦しさが出たときが要注意です。
受診のときに「温泉に入った」「加湿器を使っている」と伝えてください。効く薬の種類が決まっているため、疑うことが治療につながります。


たろうくん
「T先生!お盆におばあちゃんちに行って、温泉にも入るんだ。楽しみ!」

T先生
「いいねえ。じゃあ今日は、その温泉にちょっと関係する病気の話をしようか。レジオネラ症っていうんだ。」

たろうくん
「レジオネラ……? お湯を飲んじゃうとダメなの?」

T先生
「ううん、飲んでうつる病気じゃない。しかも人から人へもうつらない。うつるのは、菌を含んだ細かい水しぶきや粉じんを吸い込んだときなんだ。」


💧 ぬるめのお湯の温度帯で、菌は増える

T先生
「レジオネラ属菌は、もともと土の中や川に普通にいる菌でね。人が作った水の設備の中で増えるんだ。」

📌 菌が増えやすい場所(JIHSが挙げているもの)
循環式浴槽(お湯を何度も使う仕組みのお風呂)
加湿器
冷却塔(ビルの屋上にある冷房の設備)
給湯設備
腐葉土(園芸で使う土。粉じんを吸っても感染する)

T先生
「そして大事なのが温度でね。この菌が増える温度帯は20〜45℃なんだ。」

たろうくん
「それって……ちょうどお風呂の温度じゃない?」

T先生
「そうなんだ。ちなみに60℃以上になると菌は死ぬよ。だから、そこを外して温度を管理すれば汚染は抑えられる。入浴施設には洗浄と換水の決まりがあるから、温泉そのものを怖がる話ではないんだ。」


🌡️ やっかいなのは、帰ってきてから熱が出ること

たろうくん
「かかったら、どんな感じになるの?」

T先生
「病気の形が2つあってね。」

📌 2つの病型
レジオネラ肺炎 … 潜伏期は2〜10日(ふつうは3〜6日)。だるさ・頭痛・食欲がない・筋肉痛から始まり、38℃以上の高熱、咳、胸の痛み、息苦しさへ。下痢や、ぼんやりする・幻覚といった症状が出ることもある
ポンティアック熱 … 潜伏期は1〜2日。発熱・寒気・筋肉痛で、自然に治る

T先生
「問題はね、潜伏期があるせいで、お風呂と熱が結びつかないことなんだ。温泉でぐあいが悪くなるんじゃなくて、家に帰って数日してから高い熱が出る。」

たろうくん
「じゃあ、ふつうの夏かぜだと思っちゃうね……」

T先生
「そこなんだよ。レジオネラの肺炎は、効く抗菌薬の種類が決まっているんだ。裏を返すと、この病気を思いつかないと、効かない薬で様子を見てしまう。」

T先生
「でもね、ここは本当に大事なところなんだけど——国の資料には有効な抗菌薬が使われないと、7日以内に亡くなることが多いと書かれている。」

たろうくん
「えっ、1週間……!」

T先生
「うん。でも裏を返すと、早く疑って適した薬を使えば治せる病気でもあるんだ。WHOの資料でも、治療を受けられなかった場合の死亡率は高いけれど、適切な治療が行われれば大きく下げられるとされている。遅れることが危ないのであって、気づけば手はあるということだね。」

たろうくん
「じゃあ、早く気づくのが一番なんだ。」

T先生
「そのとおり。だからこそ、患者さんの一言が効くんだ。


🗣️ 「温泉に入りました」が、いちばん強い情報

T先生
「特に気をつけてほしい人がいてね。」

📌 重くなりやすい人(JIHSが挙げているもの)
高齢者、新生児
お酒をたくさん飲む人たばこを多く吸う人
糖尿病のある人、透析を受けている人
・悪性の病気などで免疫が下がっている人

たろうくん
「うちのおじいちゃん、当てはまるかも……」

T先生
「だからこそ覚えておいてほしいんだ。旅行や帰省から10日前後のあいだに高い熱と咳が出たら、受診のときに『どこに泊まったか』『温泉に入ったか』を最初に言う。これだけで、医者の頭にレジオネラが浮かぶ。もう少し日にちが空いてから出ることもあるから、迷ったら言ってしまっていいよ。」

たろうくん
「家でできることもある?」

T先生
「あるよ。加湿器・給湯設備・追い焚きのお風呂は、定期的に洗って水を入れ替える。国の資料が挙げているのはまさにここなんだ。それと、園芸で腐葉土をあつかうときはマスクワクチンはないから、防ぐ手はこの生活の工夫だけなんだ。」


📝 まとめ!

飲んでもうつらない、人からもうつらない
菌を含んだ細かい水しぶきや粉じんを吸い込んだときに感染します。感染源は循環式浴槽・加湿器・冷却塔・給湯設備・腐葉土です。

2026年は7月26日までに全国1,386件(速報値)
四類感染症として全例が届け出られています。福岡県は8月2日までに35件でした。一年中みられますが、特に7〜9月に多い病気です。

危ないのは「帰ってから数日後」の高熱
潜伏期は2〜10日(ふつう3〜6日)。温泉と熱が結びつきにくいのが、この病気の最大の落とし穴です。

高齢・喫煙・多量飲酒・糖尿病・透析の方は重くなりやすい
有効な抗菌薬が使われないと7日以内に亡くなることが多いとされます。逆に言えば、早く疑って適切な薬を使えば治せる病気で、早く疑うことが治療そのものになります。

受診のときに「温泉に入った」と伝える
ワクチンはありません。加湿器・給湯設備・追い焚きのお風呂を定期的に洗って水を入れ替えること、腐葉土をあつかうときにマスクを使うことが予防になります。


たろうくん
「温泉が悪いんじゃなくて、『帰ってから熱が出たら言う』ってことだね!」 😊

T先生
「そのとおり。温泉はどうぞ楽しんできてね。大事なのは、あとで熱が出たときに思い出せるかどうかだよ。」

📚 参考文献

国立健康危機管理研究機構(JIHS)「レジオネラ症」「レジオネラ症(詳細版)」
JIHS「IDWR速報データ 2026年第30週」全数把握疾患(速報値)
福岡県「感染症発生動向調査感染症週報 令和8年第31週(令和8年7月27日〜8月2日)」
WHO ファクトシート「レジオネラ症」日本語訳(厚生労働省検疫所 FORTH 掲載)